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杜氏館 / ものづくり・工場改善 但馬産業博物館

2023年12月01日 | ものづくり・工場改善 但馬産業博物館


新温泉町の「杜氏館」の近くで。

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 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」 
   第485回(2023年10月16日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
 杜氏館 / ものづくり・工場改善 但馬産業博物館
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但馬産業博物館シリーズも3回目になりました。
今回は、新温泉町にある「杜氏館」に行ってきました。
杜氏とは酒造りの職人さんの親方ですが、
但馬地区では冬は雪が多く出稼ぎに各地の酒蔵に酒造りに行かれていて、
但馬杜氏は、数は少なくなったものの、日本4大杜氏の一つです。
山口県に獺祭という有名なお酒がありますが、
この酒を造っている酒造会社にも但馬杜氏の方が行かれていた
とのことです(過去のことです)。

まず基本的な知識を。お酒を造る工程は、
1.洗米→2.蒸米→3.麹仕込→4.酛仕込→5.醪仕込
6.しぼり→7.滓引、火入れ、貯蔵
となります。特に、3と4と5の工程がわかりにくいのですが、
酒米と麹菌と水を混ぜて、その量を少しづつ増やしていくと考えておくと
よいのではないかと考えています。

酒造りは立派な「ものづくり」です。
まず簡単に、各工程を紹介した資料の写真をお見せします。

1.洗米(右ページ下)


2.蒸米(左ページ下) 3.麹仕込(左ページ上) 
4.酛仕込(右ページ)


5.醪仕込(左ページ) 6.しぼり(右ページ右) 
7.滓引・火入れ・貯蔵(右ページ左)


では、杜氏館へ

0.杜氏館
これが杜氏館入口


入口近くの但馬杜氏と書かれたTシャツ(なかなかカッコイイ)


杜氏館で説明いただいた元杜氏の田中博和様


田中様が働いておられた播州姫路市のヤヱガキ酒造


日本各地の杜氏集団分布図 中央近くに「但馬杜氏」とあります


お酒の銘柄1 有名な銘柄や地元の銘柄がいろいろあります


お酒の銘柄2


いよいよここからが製造工程の説明です
1.洗米
酒米を(一番有名なのは、山田錦ですが)

磨いて(というより削って削って)丸くして


樽の中で水で洗い


お米を窯と樽などで蒸して、蒸米にします


2.麹仕込
蒸米に麹菌を混ぜる
広島にある「雨後の月」さんを見学させていただきましたが、
むし暑い中で上半身裸で作業をされていました。


蒸米に麹菌を混ぜる2


蒸米に麹菌を混ぜる3


4.酛仕込
説明では、「麹と蒸米と水を混ぜ、酵母を入れて酵母を増殖させる。」
と書かれています。
(正直に言ってこの辺りは正確には理解できていません。炭水化物である
酒米を糖に変え、糖をアルコール(酒)に変えるのですが、炭水化物から糖に
変えるのが麹菌、糖からアルコールに変えるのが酵母という説明がされて
いるものもあります。)


5.醪仕込
量を増やしたものを、かき混ぜています。
(アルコールが発生していますので、樽の中に落ちると酸欠になり
死亡する可能性があると書いた資料を読んだことがあります。
安全第一。)


6.しぼり
写真ではよく分かりませんが、
樽から出した絞る前の酒(どろどろの状態)を布袋に入れて、
この酒槽に布袋を何層にも入れて、
上からジャッキのようなもので圧力をかけると、
底面にある穴から酒が出てきます。


7.滓引・火入れ・貯蔵 そして試飲
滓とは酒の上に浮いているもののようです。これを取ることが滓引き。
その後、火入れをします。写真は酒に火入れ(加熱)をする蛇管というもので、
管がぐるぐるに巻いてあります。酒は下から入れて加熱された酒が上に出て
くるそうです。


そして、やっと今年の酒の出来はどうかなと試飲ができます。
(きっとおいしいでしょうね。)


井上 直久

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但馬牛博物館 / ものづくり・工場改善 但馬産業博物館

2023年08月20日 | ものづくり・工場改善 但馬産業博物館


猛暑お見舞い申し上げます。
少しは涼しく感じられるようにと、京丹波町にある琴滝です。
とっても清楚な感じの滝でした。

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 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」 
   第482回(2023年8月7日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
 但馬牛博物館 / ものづくり・工場改善 但馬産業博物館
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今回の博物館訪問は、新温泉町にある「但馬牛博物館」に行ってきました。
但馬牛(たじまうし)は神戸ビーフの素となる牛(うし)です。
但馬では農耕用の牛飼いが長年行われ、近年はビーフ用の牛の飼育が産業として行われています。

その但馬牛は7月に念願の世界農業遺産に登録されました。
日本では畜産部門では初めての登録になります。

それでは、「但馬牛博物館」へ。

〇牛のモニュメントなどのお出迎え
こちらが玄関


博物館のある但馬牧場公園にはこんな案内板が。


玄関横のモニュメント


名牛谷福土井のはく製だそうです。


この大きな牛の体にプロジェクトマッピングでいろいろな説明が行われました。


〇なぜ但馬牛はオンリーワンの牛なのか!


それは牛籍簿にあります。
人には戸籍がありますが、但馬地方の牛には牛籍簿がつくられ、
父親や母親や先祖が明確化されており、
そのことから良い肉質が取れる系統(蔓という)が明確化されています。
この牛籍簿があるのは、この但馬地方のみになります。
だからオンリーワン。


但馬の3つの主な蔓である、ふき、あつた、よしの紹介です。


牛籍簿に似た系統図です。あつた蔓。


〇選ばれた牛
江戸時代は、前田周作という牛飼いの方がおられ、優秀な牛を生産されていました。
その後、戦中から戦後にかけて田尻号という優秀な牛が出てきました。
優秀なというのは良質の肉が取れるといういう意味ですが。
この田尻号の子孫が日本全国に散らばり、黒毛和牛の99.9%は田尻号の子孫とのことです。
競馬サラブレッドと同じですね。


現在、兵庫県では子供から優秀なビーフが取れることが確認されている
12頭のオス牛から精子を取って、人工授精が行われ、良質な牛そしてビーフがつくられます。


田尻号の子孫で兵庫県から他の都道府県に行った牛によって、その地方の有名ブランドがつくられています。
例えば、飛騨牛や宮崎牛などなどです。


〇子牛がビーフになるまで
博物館にはこんなものが置いてあります。おいしそうですが食べれません。


子牛がビーフになるまでの工程は以下です。
①人工授精で子牛が生まれ。繁殖農家で9か月程度育てられます。


②その後、子牛の競り市に出され、全国各地に散らばっていきます。


③子牛は、肥育農家で2年ほど育てられます。


④そして、セリに出され、と殺され、牛肉となります。
この時、神戸ビーフになるか、但馬牛のままかが決まります。

⑤そして、私たちの食卓へ。


〇但馬牛(たじまうし)と但馬牛(たじまぎゅう)と
神戸ビーフの関係
ここからは、但馬牛(たじまうし)と但馬牛(たじまぎゅう)と神戸ビーフの関係の説明です。
但馬牛(たじまうし)は兵庫県で生まれ育った黒毛和牛と考えていただいたらいいと思います。
但馬牛(たじまぎゅう)は但馬牛(たじまうし)からとれた牛肉です。


神戸ビーフは但馬牛(たじまぎゅう)の内から選抜されたものです。
詳細は下記写真を確認ください。


選別の最大のポイントは霜降り度。
12段階の内の6以上が神戸ビーフです。
詳細は下記写真を確認ください。


これは、牛の部位の名前の説明です。


付録・・実際の牛さんにも会いに行ってきました。

これが牛舎。


おーでかい。


飼料の干し草と、


トウモロコシなどが配合されて飼料です。


       井上直久(良い勉強をさせていただきました。
       但馬牛博物館の方々、くわしい説明ありがとうございました。)

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上垣守国養蚕記念館 / ものづくり・工場改善 但馬産業博物館

2023年07月09日 | ものづくり・工場改善 但馬産業博物館


我が家のベランダでサボテンの花が咲きました。

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 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」 
   第480回(2023年7月3(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
 上垣守国養蚕記念館 / ものづくり・工場改善 但馬産業博物館
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但馬の産業に関係する記念館などを紹介する3回シリーズを始めます。
1回目が、養蚕
2回目が、但馬牛
3回目が、但馬杜氏
になります。
今回の1回目は養蚕についてで、但馬で養蚕を盛んにされた養父市大屋町蔵垣の上垣守国養蚕記念館に見学に行ってきました。

はじめに
蔵垣の部落の道にはこんなに大きなカイコのモニュメントが。


すぐに、上垣守国養蚕記念館は見つかりました。


この建物が上垣守国養蚕記念館です。


さあ、中へ。


上垣守国翁
この方が上垣守国翁です。


年表にあるように、東北地方にカイコの卵を買い付けに行かれ、但馬に持って帰られました。
三丹(但馬、丹波、丹後)地方の蚕種の改善に効果があったようです。


そして、いろいろ工夫をされて、生産性を向上させ、
その工夫を他の人々に口授されました。
ノウハウを広く公開されているところが素晴らしいですね。


1803年には、養蚕秘録という本を出されました。


本の価値がどれほどのものか、写真の中に解説があります。
この本は、シーボルトがヨーロッパにわざわざ持って帰ったそうです。
フランスで翻訳されました。


こちらは、国立研究開発法人 農業生物資源研究所が出している
「カイコってすごい虫!」より。
記載がなされているところがすごい。


養蚕を特に但馬に広めたことで、明治時代になり、顕彰碑が建てられています。
題字は兵庫県知事によるものだそうです。


カイコが桑を食べて繭をつくる
まずカイコの一生を先ほどの本から引用しました。


カイコを


給桑台に乗せ


桑を与えます


こちらは桑の拡大写真(実家でもカイコを飼っていましたのでなつかしい)


カイコは5回脱皮し、体重は10000倍にもなり、下のような寝床で
繭をつくります。


こちらが取り出した繭


繭からとれた真綿だそうです。


カイコ飼育の建物
現在は、温度と湿度はエアコン後管理可能なためでしょうか、下の写真の
飼育所で飼育されているようです。


昔は大変でした。温度は25度程度にキープする必要があり、
湿度も管理する必要があり、建屋の屋根に小さな屋根があり、
空気抜きになっています。


空気抜きを裏側から見ています。


製糸用の機械
糸くり機:繭から糸を取り出す道具


経台(へだい):何をするか不明


つむぎ車:糸に撚りをかけたり、機織りの縦糸とする糸を巻き取るのに使う
手動の回転車


上記のつむぎ車のシステム全体


最後に
記念館を出て、お墓にも参ってきました。
墓までの道と墓周辺はきれいに掃除がされており、蔵垣の皆さん
ご苦労様です。


                           井上直久

(記載をわかりやすくするため、簡略化などしています。)

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