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経営の本棚(24) 「上杉鷹山 リーダーの要諦」 佃律志

2019年10月27日 | 経営の本棚(2)

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 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
 第297回記事(2016年7月18日(月)配信)・・・・毎週月曜日配信予定
 経営の本棚(24) 「上杉鷹山 リーダーの要諦」 佃律志
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今回ご紹介する本は、佃律志(つくだりつし)先生の書かれた、「上杉鷹山 リーダーの要諦」(日経ビジネス人文庫)です。
約20年前くらいでしょうか、「上杉鷹山」公がブームとなり、沢山の本が出版され、私も2~3冊読んだ記憶があります。
しかし、この本が他の本(小説が多い)と違うのは、
 ①上杉鷹山公の行った改革を現代の(中小)企業の経営にどのように活かしていけばいいか、対比しながら書かれており、
 ②豊富な(中小)企業のコンサルタント経験からのアドバイスがある、
点です。
特に、現場の人の”モチベーション”をどのようにアップし維持するかの点で大変参考になると思います。
ぜひ読んでいただきたい、お勧めの一冊です。(私は、たいへん歴史好きという点もあり、1週間で3回も通読してしまいました。)

上杉鷹山公をご存じない方もおられるかもしれませんので、まずそのご紹介を簡単にして、
その後にこの本のポイントを数点ご紹介します。

上杉鷹山公は、江戸時代中期の人で、山形県の米沢市にあった米沢藩の第9代藩主です。
米沢藩は、かつては120万石の収入があったのですが、関ヶ原の戦いに敗れ30万石に減額されます。その後、後継者を決めていないために、15万石まで減額されます。
ところが、武士の数は減らしていません。
現代の企業経営でいえば、売上が1/8になったのに、リストラを実施していない会社と同じです。
そのため、藩の財政は大赤字で、借金の利子の返済ができないので、商人からの新規の借り入れもできません。
赤字の会社が、借金とその利子が返せないので、銀行から新規の融資をしてもらえない、泥沼状態です。
上杉鷹山公はそんな状態の米沢藩の藩主になり、改革をされ成功に導かれた方です。

「為せば成る為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」(262p)
この言葉は有名ですので、ご存知の方も多いと思います。しかし、私には精神論のように聞こえてこの本を読むまでは嫌いな言葉の一つでした。
しかし、208pの図表7-2「鷹山の改革は動機付けと効率化の繰り返し」を見ていただくとわかるのですが、
 ①人のマネジメント(動機付け)
 ②仕事のマネジメント(効率化)
の改善サイクルを回し続けた結果、改革に成功したのであり、改善サイクルを回し続ける気持ちを持つことが大事なことが分かつてきました。
①人のマネジメント(動機付け)については、現代では、「ハーズバーグの動機付け・衛生理論」(103p)や「マズローの欲求5段階説」(115p)や「マクレガーのY理論X理論」(160p)がありますが、そのような理論の知られていない中で、常に考えて良い方向に改善して行く案を実行されています。その案が現代の理論とも一致しているので、改革は良い方向に転がりました。
②の仕事のマネジメント(効率化)については、225pの図表8-1「財政16カ年の組立」と問題解決の手順との関係 も参考になります。とにかく、短サイクルでPDCAのサイクルを回すことがたいせつです。

PS
現代企業経営では、戦略の立案が最重要視されている(と私が勝手に思い込んでいたのでしょうか。)。
従業員の方のモチベーションをどうアップさせるかがより大切だと思い込んでしまいそうなほど、
”モチベーションアップ”の重要性を痛感させられる本でした。

                                  井上 三右衛門(記)

外観


データ
タイトル:上杉鷹山 リーダーの要諦
著者:佃律志
出版:日本経済新聞出版社
ページ数:297p
大きさ:文庫本タイプ
出版年:2016年

 
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「なぜなぜ分析」の進め方 浅川 富昭 / ものづくり・経営改善 品質管理(5)

2019年10月27日 | ものづくり・工場改善 品質管理

全豪オープンテニスが開幕しています。
家内がかつてテニスをやっていた為、あの試合は・・・という話をよく聞かされます。
その中でやはりすごいと思ったのは、錦織選手の2回戦でしょうか。
もう一歩で試合終了というところに何度も何度も追い込まれながら勝利されました。
以前に書いた「まだいける そう思えるか」(2016年8月17日の記事)の実践そのもので、あきらめず常に前向きな気持ちであることが大切と思います。

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 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
 第382回(2019年1月21日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
 「なぜなぜ分析」の進め方 浅川 富昭 / ものづくり・経営改善 品質管理(5)
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皆さんは「なぜなぜ分析」をご存知でしょうか?
皆さんの会社では「なぜなぜ分析」を業務で活用されているでしょうか?
私は「なぜなぜ分析」の研修講師をしていたことがあり、
会社の業務で使用していますが、
私自身もう一つ「なぜなぜ分析」の適切な進め方が納得できず、
「なぜなぜ分析」で会社の業務上の成果を出す自信が湧いてきませんでした。
この本はそんな晴れない気持ちを、晴れ晴れとするものにしてくれました。
「なぜなぜ分析」に興味のある方にはお勧めの本です。

◎ポイントは
この本の一番のポイントを一言で言うと、
 「なぜなぜ分析」は”事前の情報整理が大切”
ということになるでしょう。詳細を以下に記載します。

「なぜなぜ分析」は、「なぜ〇〇なのか、なぜならば△△だから」を繰り返すことで、現象・不具合などの真因に迫るものです。
QC手法的には、系統図法になります。
しかし、これをやった結果に対して、(私自身が自信をもって)これが真因ですと言えない。
なぜだろうかと考えている時期にこの本を読み、これだと思いつくことがありました。
それは、実際のなぜなぜ分析をする前の、真因の目途付けが大切である、もっと言えばデータの整理や見える化が大切であるとの指摘でした。

◎具体的には
(以下では、技術的問題のなぜなぜ分析の進め方が記載されている、22p~48pから具体的に記載します。)
著者の言う「なぜなぜ分析手法」は、第一段階のメカニズム分析と、第二段階の系統図法に分かれます。(P24の図2.2)
従来のなぜなぜ分析は第二段階に相当すると考えてください。
第一段階のメカニズム分析においては、「現象の発生するメカニズム」をつかむことが効率的になぜなぜ分析をすることの一番のポイントになります。(P23の図2.1)
このメカニズム分析において、①発生現象を調査しまとめ、②発生の性質を調査しまとめ、③構造図を描きメカニズムを推定する。①のポイントは不具合品と良品の比較をすること、②のポイントは発生の傾向を掴むこと、③のポイントはメカニズムが推定できる絵になっていること、と私は思います。(P36の図2.8。P38の図2.10。P40の図2.11。P43の図2.15。)
第二段階の系統図法では、メカニズムから掘り下げた要因を推定し、事実かどうか確認します。(P33の図2.6)実際には、推定メカニズムを出し、事実かどうか確認します。事実でないならば、次の(別の)メカニズムの推定に進み、事実ならば、なぜなぜをすすめ要因を検証します。(P39の図39。P41の図2.13。P43の図2.15。)

図を載せておらず言葉だけの説明になっていますが、大切なポイントは
 事前のデータ等の情報整理と
 仮説を事実で確認すること
であることが、本の中の絵を見て頂くと理解が進み、わかっていただけると思います。

◎目次
第1章 分析の基本と基本的な分析手法
第2章 効率的な真因追求のための「なぜなぜ分析」の進め方【技術的問題編】
第3章 効率的な真因追求のための「なぜなぜ分析」の進め方【ソフト課題編】
第4章 原価改善における分析の進め方
第5章 それぞれの部門における「なぜなぜ分析」活用事例

井上 直久

データ
タイトル:効率的な真因追及のための「なぜなぜ分析」の進め方
著者  :浅川 富昭
発行  :ブイツーソリューション
発売  :星雲社
出版年 :平成21年
定価  :本体2000円+税(当時)
外観  :B4

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ものづくり・工場改善 人材採用・人材教育 / 遊ぶ鉄工所 山本昌作

2019年10月20日 | ものづくり・工場改善 人材育成・人材教育

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 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
   
第399回(2019年10月21日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定       
 ものづくり・工場改善 人材採用・人材教育 / 遊ぶ鉄工所 山本昌作
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はじめに
 この本も、金属加工業関係です。しかし、人材採用・人材教育を主題に書かれた本ではありません。
 この本を読むにあたって3つのキーワードがあると思います。①ヒルトップ、②ロングテール戦略、③ヒルトップシステム。まず、それぞれの言葉について、本文からの抜き出して説明をします。
①ヒルトップ:(金属加工業を仕事にしている)自分たちにしか登れない(技術的な)「丘の上」のことで、「余裕を持って、楽しみながら登れる場所」。「高く険しい山頂」ではない。
(25p)
ロングテール戦略:ニッチであまり販売されていない商品を多様に揃えることによって、全体の売上を上げる戦略。(84p)
ヒルトップシステム:HILLTOP社(旧社名山本精工株式会社)で開発された、多品種単品加工向けの24時間加工システム。(96p)本文でヒルトップ式教育カリキュラムについて説明します。
 尚、本の正確なタイトルは「ディズ二・NASAが認めた遊ぶ鉄工所」です。また、タイトルの中で大切なのは「遊ぶ」だと思います。「遊ぶ」の意味は、「楽しく仕事をする」というふうに考えていただけたらと思います。

著者の紹介
 著者の山本昌作先生の講演を約10年前に聴講したことがあります。とにかく、すごいこと(24時間無人加工)をされているとの強い印象を受けた記憶があります。今回、本をお出しになったので読ませていただきました。改めてすごいことをされているなとの印象を深くしました。企業経営の原点になっている、独特の考え方と死生観はご参考になると思います。
 一読をお勧めします。

目次
プロローグ:有頂天の私を襲った大惨事 チャプター1: 脱下請!楽しいことしか仕事にしない「夢工場」
チャプター2:業界初!24時間無人加工にした「ヒルトップシステム」の秘密
チャプター3:社員みずからが動き出す!モチベーションが自動的に上がる方法
チャプター4:初公開!どんな社員でも入社半年で一人前になる育て方
チャプター5:この新卒採用で会社が変わり始めた!

ポイント
 
本の構成を読み解くと、(敢えて書かせていただくと)チャプター1が経営方針、チャプター2はコアコンピタンスとなるヒルトップシステム、チャプター3が能力開発、チャプター4が人材育成、チャプター5が人材採用について書かれていると思われます。
 それぞれのチャプターから人材採用や人材育成等に関係する部分を拾ってみます。
・人材採用
 就活生には本社に来てもらうことで、会社自体を包み隠さず見てもらう。(当然、本社のすごさを見てもらい、他社との違いを見てもらうことになります。)
 社長が長時間に渡りプレゼン就活生に行う。(会社の経営者から会社の考え方や方針を説明し理解してもらう。)
 就活生の対応の中心は入社数年目以内の社員。(就活生の考えや気持ちを理解しやすいですよね。)
 結局、「
オープン」という言葉がわー」キーワードになります。216pにはこんな記述があります。「(3~4時間の面接をして)集中力が途切れてからが勝負。なぜなら、その人の本性や本質は緊張や集中が途切れたときにあらわれるから」
・人材教育
 方針は
アメ8割ムチ2割ということです。アメは褒めること、とにかく褒めることになります。ムチは異動でしょうか。このことは能力開発の項目で書きます。
 そして、一番のポイントは独自の「
ヒルトップ式教育カリキュラム」(177p)になります。入社前はプログラムさえ知らなかった就活生が入社半年でプログラムをつくれるようになるカリキュラムです。特徴は、①職人のノウハウを「歴史」と「理論」と「技術」の3つにわける②「リアル」と「バーチャル」の両方を通じて、ものづくりを学ぶ③「振り返りシート」を使って、PDCAを回すです。①については、昔気質のノウハウは歴史(記録)として知っておくだけでよいので、職人のノウハウの1/3は覚える必要がないそうです。(確かにそう思います。)
・能力開発
 人材教育と能力開発を敢えて別々に私は書いています。人材教育は、入社3年目までの教育で能力開発は入社4年目以降の自分で行う能力の開発と思っていただけたら良いと思います。
 
ジョブローテーション(異動)がムチかと思います。業務に習熟したでは(少し)テングになってきていますが、この時にジョブローテーションを行いテングの鼻をへし折る。
 「
5%理論」というものがあり、社員のモチベーションを維持するためにも、時間の5%だけでもいいから楽しいことをやる。その結果、能力開発(人材育成)と技術蓄積がなされます。(146p)

最後に
 私の勤めている会社の創業者の言葉として、「機械ににできることは機械に任せ、人間は」より創造的な仕事をしよう」というものがあります。山本先生の考え方も全く同じですね。
 また、私自身は「ものづくりを、もっともっと、おもしろく」したいと考えて日々工夫をしていますが、その点とも通じるものがあります。
 共感する部分の多い本でした。

 モチベーションが先、生産性は後(140p)

データ
タイトル :ディズニー、NASAが認めた遊ぶ鉄工所
著 者  :山本昌作
出 版 社:ダイヤモンド社
出 版 年:2018年
ページ数 :227p
外観:

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ものづくり・工場改善 人材採用・人材教育 / 儲かる工場の組織づくり 大野孝久

2019年10月13日 | ものづくり・工場改善 人材育成・人材教育

先日の9月8日のNHKのイッピンの放送で、以前記事を書いた城崎温泉の麦わら細工の放送がされていました。
取材した神谷民芸店の神谷勝さんも出ておられ、お元気に活躍されているいることが分かりました。
また、自分が書いた記事以外の視点で麦わら細工の編集がされており、分かりやすく伝えるという点で参考になりました。
記事はこちら → ものづくり・工場改善 会社編 ⑦ かみや民芸店

そのせいでしょうか、当ブログの9月8日のアクセス数がはねあがっていてびっくりしました。

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 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
   第397回(2019年9月16日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定       
 ものづくり・工場改善 人材採用・人材教育 / 儲かる工場の組織づくり 大野孝久
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はじめに
 この本を3冊の中でまず最初に紹介する理由は、第1章および第2章に人材採用・人材育成に関する基本データが書かれているからです。このデータをまず最初に頭に入れていただきたいと思います。
 また、本の正確なタイトルは「超人材難でも儲かる工場の組織づくり」です。上記のタイトルでは、長くなるので「超人材難でも」の部分は省かせていただいています。
 そして、正直に書かせていただくと、本を読むだけでは具体的に理解できない点が私にはいくつかありました。たとえば、具体的にはどんな組織構造になっているか組織図がわからなかった。また、評価基準が具体的にはどのようになっているのかわからなかった。そんな中で以下を書いていきますので、ご了解をお願いします。

目次
 本の章立ては以下のようになっています。第1章で採用難のデータを示し、第2章で著者の主張の総論が述べられ、第3章と第4章と第5章で具体的な3つの実行ポイントについて記述がなされ、第5章は今後のことについて書かれています。
 第1章:人材を有効に活用できない「ダメな組織」が会社を破壊に導く
 第2章:「人」に任せない組織のつくり方
 第3章:仕事体社員のシンプルな構造が企業を成長させる
 第4章:徹底的に「今やるべきこと」を遂行させる
 第5章:時間単位の「稼ぎ」を認識させる
 第6章:人材難時代を生き残るための第一歩
章のタイトルについては、もう少し記載があるのですが、その点は以下で説明します。

著者の紹介
 著者の大野孝久さんは、デンソー、製造会社の営業職を経験後に、大野精工を創業。現在代表取締役。職人的な経験と勘に頼ったものづくりでなく、指導者を立てない独自の人事教育システムを構築して、ほぼ毎年売上高20%以上アップを達成。

ポイント
・人材採用と人材育成のデータ
 データから、特に確保できていないのが技能人材(16p)で、その傾向は大企業より中小企業が強い(17p)ことが分かります。また、中小企業では技術・技能人材はベテラン中心で技術継承が困難になっています(19p)。以上から、どう人を採用して、どのようにして教育・育成するかがポイントになります。
 次に、人が辞めていく(高い給料の会社に移っていく?高齢化?)ために、現場の技能が失われ、現場は人手不足で生産性が低下して品質低下などが起きています(20p)。どう生産性を上げるのかもポイントになります。
 結局は、人が辞めて、残った人に負荷がかかり、人が採用できないので負荷の低減が出来ず、さらに人が辞めていくという、悪魔のサイクルが回っているように思われます。
・著者の主張
 著者の主張は「社員が勝手に育ち、勝手に稼ぐ組織をつくれば問題を解決できる。」ということになります。具体的なつくり方が、
 ●フラットな組織図(第3章)、
 ●「人」に頼らない教育の仕組み(第4章)、
 ●平等で明確な評価基準(第5章) 
の3点になります。それぞれの項目についてはそれぞれの章の中で確認いただけたらと思います。ただ、概略を掴もうとしたら、各章の表紙をまず読み砕かれたら良いのではと思います。私が読み砕いた事例を下記に記載しています。
・人材採用について
 社長さんは採用面接はされないそうです。しかし、2つの条件を付けられており、社員が一緒に働きたいという人を採用するようにされています(33p)。理由はいくら社長がいいと思った人でも、現場の人が一緒に働きたいと思わないといけないから。そのため、従業員が友達を誘って入社されることもあり、人手不足にはならないそうです。
・人材育成について(4章のタイトルの読み砕き)
例えば、第4章のタイトルは、「徹底的に「今やるべきこと」を遂行させる」となっていますが、章の表紙には
 利益の出し方をマニュアル化し、
 徹底的に
 「今やること」を
 遂行させる
 つくり方②「人」に頼らない教育の仕組み
となっていますが(文字の大きさや行変更もほぼ同じにしました)、これらを入れ替えをして、「人」に頼らない教育の仕組みをつくるには、①利益の出し方をマニュアル化し、②徹底的に「今やるべきこと」を遂行させる というように並べ変えていただくと大変分かりやすいのでではないかと思います。つまり、①利益の出し方をマニュアル化することと、②今やることを徹底的に遂行させること になります。ですから、①-1利益はどうしたら出るのかを説明し、①-2具体的にするべきことをマニュアル化する、②-1(上司の指示で動くのでは無く)仕事と社員のシンプルな構図(組織)をつくり、②-2仕事を徹底的に遂行させる が大切になります。
 
でも、既に述べたように、具体的にはどんな組織構造になっているか組織図がわからなかった。また、評価基準が具体的にはどのようになっているのかわからなかったというのが正直なところです。(そんなものはなかなか外部には出せませんよね。)
・マニュアル化(①-2に関係して)
 上記で書いたマニュアル化という点では徹底されています。事例を2点挙げると、124pに具体的なムダのマニュアル化の事例が載っています。また、大野精工の価値観を共有するためのルール(これも私はマニュアルに等しいと思うのですが)が43pに記載されています。この中で面白いと思ったのは、会社の中ではマスク使用は原則したらいけないそうです。理由は、表情が見えないからコミュニケーションの妨げになるからだそうです。コミュニケーションが一番大切との考え方です。(このようなことまで決められていることは独特の価値観がありますね。)

終わりに
 先ほど具体的にわからないと書きましたが、大事なことは、書かれていることを理解することではないですね。むしろ、本を読んだそれぞれが、それぞれの会社で書かれている改善の方向性で改革・改善を進めることが大切です。
 3冊の
本の著者は皆さん共通に、2008年のリーマンショックを経験され、大変なご苦労をされています。その中から今の会社を築かれていますので、参考になる点は多いと思います。以下の言葉を敢えて書かせていただきます。

 ブレークスルーが大切(突破口は必ずある)

データ
タイトル :超人材難でも儲かる工場の組織づくり
著 者  :大野孝久
出 版 社:幻冬舎
出 版 年:2018年
ページ数 :207p
外観:

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ものづくり・工場改善 人材採用・人材教育  はじめに

2019年10月06日 | ものづくり・工場改善 人材育成・人材教育

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 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
   
第396回(2019年9月2日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定       
 ものづくり・工場改善 人材採用・人材教育  はじめに
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最近、(従業員が辞め)人材採用が出来なくて倒産に至る新聞記事をよく見かけるので、
人材採用・人材教育に関する本を集めてみました。

①人材難でも儲かる工場の組織づくり 大野孝久 幻冬舎
②ディズニー、NASAが認めた遊ぶ鉄工所 山本昌作 ダイヤモンド社
③ザ・町工場 諏訪貴子 日経BP社 

共通なのは、金属加工業で、中小企業で、現在伸び盛りの会社である点。

金属加工業は3Kの職場なので敬遠される、
中小企業より(給与の高い)大企業の方がいい?
そんな中で、工夫を重ねて現在伸び盛りの会社となった。

人材採用・人材教育は私の専門分野から(大きく)外れるのですが、
本を読んでいるうちに、
工夫を重ねることの大切さ、
新たな分野に踏み出していかず現状維持のままだと、
将来は無いと感じました。

そんな点をお伝えできたらと思います。

井上 直久

 
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