実家の裏庭の草むらの中にポツンと咲いていました。
夏の暑さにばて気味で、前回は記事をお休みとさせていただきました。
まだまだ暑い日が続きますが、天気予報だともう少しだけのようです。
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ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
第484回(2023年9月18日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
農業に転職! / 有坪民雄 / ものづくり・工場改善 農業
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今回は有坪民雄さんの「就農は「経営計画」で9割決まる 農業に転職」を取り上げてみました。以前、有坪さんは経営コンサルタントをされていて、現在は農業をされています。この本は新規就農者が農業に転職する場合に、何をすればいいかが書かれています。結論は、しっかりとした「経営計画書」をつくることになります。ただ、農業を経営的に成り立たせる部分についても参考になる部分が多いと思います。
基本的には、新規就農者がどんな順番で農業を始めたらいいかが書かれており、その書かれている順番にポイントの項目と、その詳細項目について、列挙してみました。
1.全体のイメージを明確にする
どんな農業をしたいのか
どんな作物を作りたいのか
就農地はどこにするか
2.経営計画書は3ステップで作る
①経営指標を集める
前提条件
労働条件
資本装備
経営収支
②就農のために必要な4つの資料をつくる
たとえば輪作計画表
③実際に経営計画をつくる
労働時間の計算と簡易資金繰り表と栽培スケジュール表など
3.新規就農者が知っておくべき9つのこと
ここからは、実際に就農してからの話になりますが、
たとえば、
借金のことについてとか、
作物別の特徴についてとか、
経営モデルの知識についてとか
になります。
4.農地の選定のポイント
より具体的になってきました。
土地区分とか、通路幅などになります。
知っておかないと大失敗があるかもしれません。
結論として、就農支援機関の人が納得する、本気で農業をやる気があると推定できる、農業の経営計画書を作ることが大切ということになります。
データ
著者:有坪民雄
出版社:プレジデント社
出版年:2019年
何の花かわかりますか?
答えはジャガイモの花です。
数時間前にジャガイモ掘りをしていました。明日もジャガイモ掘りです。
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ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
第481回(2023年7月17日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
農業で利益を出し続ける7つのルール / 澤浦彰治 / ものづくり・工場改善 農業
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はじめに
今回は、澤浦彰治さんの「小さく始めて農業で利益を出し続ける7つのルール」という本をご紹介したいと思います。(本の出版時の記載では)群馬県で4つの農業企業の代表をされており、売り上げ合計は約20億になります。当初は大変苦労されましたが、売り上げ合計約20億を達成されるまでの苦労と成長の記録がこの本になるかと思います。
しかし、この本をピックアップした理由は、群馬県中小企業家同友会副代表理事をされていることからも分かりますが、農業に関する経営的な視点がよく出ていると思うからです。
目次
いつものように、内容を概観するため目次のタイトルを以下に書き出しました。
イントロダクション なぜ小さな家族農業が、売り上げ20億の会社に成長できたのか
ルール1 はじめての人が利益を出すために、成功者に共通するコツを学ぶ
ルール2 作物を商品化することで、利益は生まれる
ルール3 農家ならではの食品加工をすることで、利益率を高める
ルール4 経営規模に合った自分のお客をつくる
ルール5 できる農家は毎日欠かさず日記をつけている
ルール6 手元資金があっても、設備資金は借金をする
ルール7 個人と組織を活かす「方針管理手順」で、利益を出し続ける
目次の分析
内部構造は、イントロダクションとルールの2つに分かれ、重点はやはりルールにあると思います。そのルールの1~7について、経営的な視点で見ると以下のような分野に関係すると思われます。
ルール1 経営全般
ルール2 6次産業化の生産
ルール3 6次産業化の加工・製造
ルール4 6次産業化の流通・販売
ルール5 ISOの記録・PDCAのCAに関係
ルール6 財務
ルール7 経営理念・組織
各ルールのポイント
ルール1~7のそれぞれの項目について、特に重要と考えられるポイントとページを書き出してみました。
ルール1 089p 種をまく前に売る
077p 栽培技術と管理技術
088p 販売を考えて生産に打ち込む
ルール2 118p 農産物の6つの価値を考えようーーートータル価値の創造
ルール3 128p 相場による価格形成から安定価格にする
132p 最初はお金をかけなくてもできる
ルール4 165p 規模に合った顧客は必ず存在する
ルール5 170p 駄農と篤農家の違いは日記をつけるかどうか
177p パートさんの目を自分のものとする
ルール6 ページ無 農業は他産業と比べて現金商売でないために最初は資金が出ていくばかりで、
場合によっては突然、ヒョウ害や台風被害に遭う可能性がある。
ルール7 204p 経営スタイルを変える
211p 組織づくり
219p 経営方針書
おわりに
農業で成功をされる方が増えてきているように思います。お一人の成功談よりも、多くの成功者に共通する内容があればそれが重要ポイントとなります。そんな重要ポイントが書かれていると思い、この本をご紹介しています。その中から、私の考える超重要ポイントを書き出してみました。本を読まれる場合には参考にしていただけたらと思います。
井上直久
先日、京都府長岡京市の柳谷観音に行ってきました。
紫陽花で有名で、境内に色いろな色の紫陽花が咲いていました。
とてもきれいでした。
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ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
第479回(2023年6月19(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
農で1200万円! 西田栄喜 / ものづくり・工場改善 農業
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はじめに
今回は西田栄喜さんの「農で1200万円!」という本を紹介します。
西田さんは石川県で菜園生活「風来」を経営され、農業でしっかりと儲けておられます。
農業で儲けることがなかなか難しい中で、なぜそれが可能なのかを読み解いていきたいと思います。
本のサブタイトルは、日本一小さい農家が明かす「脱サラ農業」初めの一歩、です。
まとめ
書かれていることをまとめると、まさに「逆算の農業」と言えます。140p。
利益がこれだけほしいという前提があり、今の利益率を考えると売上げがいくら必要になるかわかりますが、この売上の達成は難しいのですが、利益率を上げながら(経費を下げながら)売上げ(単価と数量)も上げる方法を考えて実行する。これが「逆算の農業」になります。
そうすると、ポイントは、
①経費を抑える方法は何か
②利益率の高い商品や販売方法は何か
③利益率の高い商品や販売方法が決まった後での売上アップの方法は何か
になります。以下でポイントの詳細を記載します。
その前に、経費の実態などを記載します。
農業で十分な利益を上げるのが難しいということが65pから解説してあります。販売価格100円の野菜では、農家に支払われるのが46円、そのうちの農業経費は約7割(32円)かかるので、農家の純利益は14円となります。キャベツの小売価格を200円とすると、キャベツ一玉当たりの農家の純利益は28円となり、日本の農家の平均年収が200万円ですので、キャベツでその金額に達するには9万5000玉を卸さなければいけません。これは大変です。
そこで、どうするのか。農業経費ではない100円の中に入っている流通経費をまるまる自分のものにしたら(直売したら)、農家の純利益は68円となり、これだけで市場に出すより約5倍の利益になります。
個別のポイント
①経費を抑える方法は何か
人を雇わない ⇨ 63pの人を雇用しない家族経営へ
高額な農業機械を買わない ⇨ 67pの3万円の家庭菜園用機械へ
肥料を使わない ⇨ 84pの炭素循環農法へ
②利益率の高い商品や販売方法は何か
直販にする ⇨ 「まとめ」の項目で記載済み
漬物を売る ⇨ 97pの漬物は買う時代へ
お菓子を売る ⇨ 100p、105pの洋菓子か?和菓子か?へ
③利益率の高い商品や販売方法が決まった後での売上げアップの方法は
ついで買いを誘う ⇨ 32pの6次産業化でついで買いを誘うへ
野菜セットの販売にする ⇨ 108pのセット販売で売上が大幅アップへ
HP・ブログでお金をかけずに宣伝する ⇨ 115pの風来式120%ネット活用術へ
目次
いつものように目次を記載します。
はじめに 借金、補助金、農薬、肥料、ロス、大農地、高額機械、宣伝費すべてなしで、なぜ1200万円かせげるのか?
プロローグ 初期投資143万円、借金ゼロで帰農!なぜ「また食べたい」と全国から注文が殺到するのか?
PERT1 小予算から農をベースに起農する5つの戦略
PERT2 「スモールメリット」でリスク最小・効果最大限!「日本一小さい」を武器にする
PERT3 風来式「栽培・加工・直売・教室」の技術一挙公開
PERT4 「小さい農」はじめの一歩
PERT5 「農」でパラダイムシフトを起こす
余談
ちなみにこのブログ名は「晴耕雨読 in 神鍋高原」ですが、77pには雨の日には農作業を休んで、晴耕雨読ならぬ「晴耕雨漬け」と漬物を漬ける集中日したりしています。という記載が有り親しみを覚えました。
データ
著者 :西田栄喜
出版社 :ダイヤモンド社
出版年 :2016年
ページ数:254p
定価 :本体1500円+税
外観 :
井上直久
7月から毎日会社に通勤しています。
電車の乗り換え駅で見るアジサイが、
鮮やかな水色から、薄ピンク色に変わり、さらに花が萎れ始めているのをみると、
もう7月に入り、今年も半年が経過したたのだと思います。
コロナ、コロナの半年でした。
6月末に無病息災を祈り、石清水八幡宮の夏越の祓い(茅の輪くぐり)をしてきました。
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ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
第416回(2020年7月6日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
企業の知恵で農業革新に挑む! 山下一仁 / ものづくり・工場改善 農業
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「企業の知恵」を活用することで得られる「農業革新」を知りたくてこの本を選択しました。
低迷する農業に企業が参入すれば、農業革新が出来ると推測していましたが、現実は大外れ。
まず、「企業の知恵」なるものがよくわからない。企業が農業に参入するにあたっての経験と
対策を「企業の知恵」と言っているように思いました。
また、「農業革新」も「挑む」ですから、達成された成果というわけでもありません。
本書は基本的には2部構成となっていると思ってください。
2章から7章が企業の農業革新への挑戦。らでぃしゅぼーや、ワタミファーム、セブンファー
ム、カゴメ、パルシステムなどの企業が出てきます。これらの企業は既に農産物の販路を確保
していますので、これらの企業の農業への参入経験から、
農協への対応の仕方
農業委員会への対応の仕方
農民からの土地の借り方
などの、企業の経験が書かれています。今後農業に参入される企業には参考になる点が多数ある
と思います。
敢えて「企業の知恵」というものを書くとすれば、それは事業計画を作成し決算書を作成する点
になるでしょうか。企業の本質的な点です。農家には資本(エクイティ)なる考えがありません。
1章と8,9章が一般的な農業論です。減反や農地法などについての批判がされています。
結論として、
1.農業は制度疲労を起こしている、
2.企業の農業への参入の場合は、農業生産法人が一番適切である、
3.農業は装置産業である、
との印象を強く受けました。
データ
著 者 :山下一仁
出版社 :ダイヤモンド社
出版年 :2010年
ページ数:229p
表 紙 :
井上 直久
満開なのに桜の花が寂しそうです。
コロナウイルスの関係で人が少ないせいでしょうか、
それとも、寒さが戻ってきたからでしょうか。
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ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
第410回(2020年4月6日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
ものづくり・工場改善 農業 / 「誰も農業を知らない」 有坪民雄
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「誰も農業を知らない」とは実に不思議なタイトルです。
その理由は、農家でさえ農業の分野が色々あるので全てを知っているわけではないという意味です。
著者の有坪さんは、現在は農家ですが、経営コンサルタントのご経験があり、
データに基づいた農業論には高い説得性がありました。
農業にご興味のある方は一読されるのが良いのでは。
まず目次は以下のようになっています。
第1章 第二次農業機械革命
第2章 無力な農業論が目を曇らせる
第3章 農家も知らない農業の現実
第4章 農業敵視の構造を知る
第5章 新しい血――新規就農・企業参入・移民
第6章 二一世紀の農業プラン
全6章からなっていますが、それぞれの章が独立していますのでどこから読まれても良い。
興味がある章だけ読まれるのも良いでしょう。
農薬の安全性については第1章。農業改革論については第2章。農林水産省の評価については第3章。
を読まれれば良いかと思います。
私は農家ではありませんが、農家の真似事をしています。
つまり素人なので、コメントできるほどの力はありませんが、
そんな私が面白いなと思って気がひかれた3点をご紹介したいと思います。
1.わが国における農薬単位面積当たりの使用量の年次別推移
41ページにグラフが載っています。年々減少傾向にあります。
以下の記載が大変面白かったです。
「農薬メーカは、有効成分が減っても見せかけの量は規格に合わせて1キロなり3キロにするため、
有効成分を減らしたぶん、無害な鉱物を混ぜて、つまり「かさ上げ」して製品化している。」
2.規模による生産性向上のパターン
60ページに経営規模に対する生産性と稼働率のグラフが載っています。
経営規模が大きくなれば常に生産性が向上するわけではなく、あるポイントで下がると出ています。
たとえが機械1台で出来る規模を越え、機械が2台になると生産性が低下する。
私の経験からこのグラフは正しそうと思え、思わず「そうだ!そのとうりだ!!」と言いたくなりました。
3.主な作物の10アールあたりの年間労働時間
97ページに表が載っています。
コメが43、キャベツ70に対し、トマト720~1500、イチゴ1200~2000となっています。
そんなに違うものなのですかと思ってしまいますが・・。
また、私が通勤で見る畑では、6月から10月はコメ、11月から5月はキャベツを毎年作られており、
非常に効率的に農家をされているなあと感心してしまいました。
データ
著者 :有坪民雄
出版社 :原書房
出版年 :2018年
ページ数:307p
表紙 :
日本全国がゴールデンウイークでなくステイウイークとなっていますが、
いかがおすごしですか?
私は、外出できないことを我慢するのでなく、前向きに、いくつかのテーマを決めてまとめて本を読んでいます。
企業の経営者の方も大変ですが、経営のためにすることは次の3つに集約されるのではと思います。
1.短期的な視点では、現金の流出を防ぐ。(もしくは、少しでも現金を稼ぐ。)
2.中期的な視点では、企業の現在の弱みを改善する方法を考え、すぐ着手できるように準備する。
3.長期的な視点では、企業の理念あるべき姿を思い出し、企業の改善案を考える。
(つつじでしょうか、さつきでしょうか。マンションの玄関で。)
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ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
第412回(2020年5月4日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
ものづくり・工場改善/農業・・・はじめに
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2回前に農業の本をご紹介をしましたが、ゴールデンウイーク中の多くの本を読んだので、
農業の本を合わせて三冊ご紹介したいと思います。
書き手の立場が変われば主張されることも変わるので、
農業経済学者の方、旧官僚の方、農業従事者の方を
それぞれ選んでみました。
1.希望の日本農業論/大泉一貫/NHK出版
(日本の農業は衰退産業と考えられているが、希望はあるといった内容です。)
2.企業の知恵で農業改革に挑む!/山下一仁/ダイヤモンド社
(農業への企業の参入は障壁が多いのですが、農業に参入し成功している企業について書かれています。
3.誰も農業を知らない/有坪民雄/原書房
(経営コンサルタント経験後に農業に従事され、上の2名の方とは別の視点で書かれています。)
井上