絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

中学生作品コンクール6

2009-10-23 | 新ピカソ
準備合宿について

作品コンクールは、本校の体育館を使用して、行います。
会期は、土日の二日間なので、飾り付けは金曜日になります。
運動部の練習を考えると、金曜日の体育館での練習が終わった後から飾り付けを始めます。ということは、作業は夜中までかかります。

そのため合宿になるのです。一番時間がかかったのは、朝4時まででした。
まず、体育館にあるいろいろな道具を片づけます。一番大変だったのは、体操部の平均台でした。また、バレー部のネットなどもその一つですが、連絡をしておけばそれぞれの部活が事前に片づけておいてくれました。

もちろん、日程が決まっているとはいえ、運動部が使用できないのですから、その間、[体育館をお借りします]という挨拶は大切で、運動部長と体育科の主任には必ずお願いしますと言いました。また、体育館使用の部活顧問にも挨拶をしておきました。

やはり、「使用させていただきます。ご迷惑をおかけします」ということが大切なのです。

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ちょっと、休憩

体育館の道具類が、片付いたらシート敷きです。
このシートを敷く作業は、文化部では経験がない人が多いでしょう。運動部は、何かの行事がある度に敷くので、経験豊富ですが、美術部、書道部でできるかという問題があります。

これは、出し入れが重くて大変です。台車を使って運んだりします。
折りたたんであるシートを開いていくのは、遊び感覚で楽しいのですが、下手をすると手を切りますから、注意が必要です。二人で走って開く楽しみを味わいます。
ある程度配置したら、一枚づつ並べていきますが、部員全員をシートの両脇に配置して、シートを持たせます。体育館の床のラインを利用して、真っすぐに置きます。ピンと張って、曲がらずに置けたら、全員に「手を離して、その場を離れて、よーし次!」などと声をかけて、一枚づつ並べて行きます。そのとき、話声などがあると指示が聞こえません。拡声器を使って行いましたが、とにかく全員が気持ちを一つにして、行います。
このへんは、運動部みたいな美術ならではで、全員が一つになります。

だめ男子などと言っても、こんなときは、無駄口をききません。

そのため、作業はスムーズに進みます。

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次は、ホワイトボードを並べます。事前に倉庫から運び出して置き、体育館の入り口に用意しておいたものを体育館に運び入れ、立てて行きます。これも慣れないと怪我をします。ボードと足があるのですが、足から手が離れて倒してしまい、それが生徒の足に当たって、医者騒ぎがありました。

ほとんどの作品は、体育館の壁に貼りますが、中央にホワイトボードをH型に配置して、そこに団体賞の学校を展示しました。また、油絵はホワイトボードでないと飾れないので、自分の学校から離れて、飾られるケースもありました。

また、本庄第一高校の美術部と書道部の作品も展示するため、体育館ステージの前にボードを立てて、そこに飾りました。

これで、後は、作品を展示するだけということになります。

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私がこの会場を作っている間に、書道の高橋先生は、学校別に展示するため、学校名の表示を作ってくれます。また、特別賞や学校賞の一覧を書きだして貼ることと、表彰式の式次第を書いてくれています。
個人の賞状は、特選以上の人全員に出すため、高橋先生は大変です。審査が終わってから、会期までの間に、それを済ませておく必要があるのです。

また、審査結果を郵送しますが、特別賞と団体賞の学校には、表彰式にお出でくださいという電話を入れます。特に、表彰式で名前を間違うと申し訳ないので、事前に読み方を確認しておき、賞状にも鉛筆で薄くかなをふっておきます。そうすれば、校長先生が読み上げるときに間違えなくて済むからです。

こんなことも裏の作業です。

また、表彰式の時に、どの人にどこに座っていただくかということも重要なので、その表示も高橋先生に頼むのです。このように書くことがたくさんあります。
ですから、書道部と一緒にやるのは、その意味では有難いですね。美術だけでやったら、この作業をたのむのは、かなりのお礼が必要になるでしょう。

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事前の準備として、作品をラシャ紙に貼っておくといいましたが、それをやっておかないと、それこそ、朝までやっても飾り付けが終わらないでしょう。

やっておいても、並べてみないとどのくらいの状態になるかは、わからないのです。まず、床に全ての学校を並べてみて、飾りきれるかどうかを検討します。多い時は、いかに詰めて飾るか、体育館は扉があったり、教官室の窓があったり、火災報知機があったり、いろいろなものがあって、展示できない部分があるのです。
扉の前には、ホワイトボードで塞いで、飾れるようにしたり、平均台やマットは、隅に寄せて、やはりホワイトボードで囲って、見栄えを良くしたりしました。

展示は、脚立を使って上から貼りますが、ラシャ紙をガムテープで貼って行きます。二枚目からは、上のラシャ紙とつなげることと、壁に直接貼ることの両面から考えました。しかし、それでも重みではがれました。

この剥がれることを監視しながら、剥がれたらすぐに対処するということが会期中の会場係りの仕事になったことがあります。そして、それは、ガムテープの貼り方に問題があることがわかり、ある年から解決しました。そのことを教えるのが、先輩の恒例になりました。

シートも歩きながら、引っかけて乱れることがあるので、ある感覚を置いてガムテープで止めました。

言い忘れましたが、シートを敷いた後、全員で箒で掃いて、雑巾でシートを拭きました。そうしないと、作品を床に置いたときに汚したりしたら大変です。そういう作業もかなりの大変なものでした。

合宿になるので、夕飯の時間もあります。お風呂の時間もあります。
若いので、お腹が空くので、夜食を買ってきて食べさせたりもしました。
ジュースや飴も用意して、休憩を入れて和やかにやりました。
スムーズに動かない時や、気配りができないときは、先生の雷が落とされる場面もありました。
もちろん、いろいろなものを食べたりする時は、3年生からです。この辺は、運動部と同じでしょう。回が進むと、卒業生や保護者から差し入れがあったりして、ケーキの差し入れもありました。卒業生が手伝いに来てくれることもありました。

この夜中の飾り付けが、楽しい思い出にもなっているのですね。

一番多かった時は、美術部が74名、書道部も30人くらいいましたから、100人以上で作業を行ったこともありました。すごい人数ですね。

ホワイトボードをH型に立てると簡単に言ってしまいましたが、これも真っすぐに立てるのは結構神経を使います。真っすぐに立てたつもりでも、曲がっているのです。そのため、体育館のギャラリーに上がって、上から見て指示を出す人が必要になります。毎年位置がずれないように、記録をしっかりとっておき、その位置になるようにしていました。徹底的にシステム化して、次の年はどのくらいスムーズに仕事を進められるかという効率化を追求していきました。
だから、必ず、ビデオを撮りました。美術部には写真係とビデオ係がありますが、こうした時は、他の人が作業をしていても、係は撮影をしています。
そして、会期が始まる前に、前年の作業を部員全員に見せて、事前勉強をさせておくのです。頭の中で、シミュレーションをさせておくのですね。

楽しい作業の風景を撮影しておいて、それが思い出になるようにするのも大切なので、後で、編集してダビングして卒業のときに、プレゼントするということを何度もやりました。一人に二時間テープを二本渡すときもあり、そのダビングだけで、50本もやったこともあります。

まだ、表彰式や搬出などの話がつづきます。





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中学生作品コンクール5

2009-10-23 | 新ピカソ
審査の後、

審査をして、特別賞、特選、秀作、佳作が決定します。
そうしたら、それらの区分けがされている間に、それぞれの審査結果のゴム印を作品の裏の個人表に押します。

そして、中学校ごとの集団に戻します。審査の時には、ばらばらになるからです。
これは、最高700点もあったときは、大変でした。60人いる部員に一人10枚程度の作品を持たせ、リーダーが中学校名を言ったら、該当する中学の作品を持っている人が手をあげて、回収係が集めて周ります。
この方法を取ると、短時間に中学校別に集められます。

なぜ、中学校別に戻すかと言えば、審査結果を一覧表に書きこんで、郵送する必要があるからです。また、その前に、団体賞の点数計算でも、戻して一覧表に書かないとできないからです。

中学校別に戻ったら、作品の裏に押したゴム印を見て一覧表に書きこみます。そしてそれと同時に名札にゴム印を押します。作品は、展示の時に模造紙に貼るため、審査結果が見えなくなります。だから、名札で結果がわかるようにするのです。

この時に、審査結果を間違うと大変です。郵送してから間違いだったとなると、本人を喜ばせておいて、がっかりさせるなどということになったらかわいそうなことになるからです。

ここが一番神経を使います。だから、作品の裏と一覧表と名札が一致しているかを確認するスタッフを作ります。

そのOKが出たら、結果を郵送する仕事にかかります。

一覧表で計算をして団体賞を決めて、結果報告をワープロで作って、郵送になる訳です。その作業は、私がやります。また、直ぐに書道の高橋先生に連絡して、トロフィーや楯に名前を書きこんでもらう連絡を業者にいれてもらいます。

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展示の準備は、作品をラシャ紙に貼る作業です。同時に名札を貼ります。同時にやらないとどの作品が誰の作品だかわからなくなります。

一枚のラシャ紙に二つの作品を貼ります。だから大変な枚数になります。700点の時は、350枚になりました。
それを全て展示します。中学校ごとにまとめて貼るので、会期までの管理は、やはり中学校ごとにまとめておきます。

中学校ごとに展示をするのは、団体賞があるからです。また、搬出のときにその方がわかりやすいからです。

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このコンクールは、文化的貢献といいましたが、コンクールをやることが、なぜ貢献になるかというと、単発ではだめですが、続けてやると参加する先生方にとってとても良いことがあるからだとわかりました。

それは、ご出品いただけますかと投げかけると、とても恥ずかしくて出せませんという先生がいるのです。自分で教えた授業作品が、見て頂けるようなものになってないとおっしゃるのです。へええ、と私は思いました。そういう感覚があるのかと。ならば、ぜひ出品できるような取り組みをしてほしいなあと思いました。

出品している学校から考えると、団体賞を取りたいとか、生徒に賞を取らせてやりたいという気持ちが生まれます。今回はこうだったけれど、次はもっとがんばろうという気持ちも生まれます。それによって、先生方の指導する意欲を引き出すことになります。また、他の学校の取り組みを見て、自分もあのようにやってみようという参考になるのだと聞きました。
そう考えると、コンクールを続けて実施することは、確かに文化の貢献になるなあと思いました。

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準備の合宿については、また。





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中学生作品コンクール4

2009-10-23 | 新ピカソ
準備作業について

昨日、審査の方法についてお話しました。
その前に、当然受付作業があります。

私は、部員に係を作りました。美術部の活動はやることが多いので、係を作らないと全て部長が行なうのでは、大変です。そのため、中学生作品コンクールの係をつくり、係長とスタッフを置いています。

その係が、受付から審査の運営、作品管理、展示会場計画、準備合宿、表彰式、会期中の受付、お茶入れ接待、作品返却などの仕事を行ないます。

準備飾り付けなどは、全員で行ないますが、その部員を動かすリーダーは、係長です。

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結構、いろいろやることがあるものです。

まずは、作品受付です。

受付名簿を作って、一覧表に書きこんでいきます。
受付順に名簿に書きこんで、どこの中学から何点の搬入があったかがすぐに分かるようにします。審査の後で、何校から出品があり、総出品数が何点で、特選が何点、秀作が何点、佳作が何点と発表できるようにするためです。それは、団体賞を計算するときにも使います。

中学校からの学校別一覧表をファイルに入れて、管理します。これは、審査の結果を書きこんで、中学校に郵送するためのものです。

また、名札も中学校で書いてもらったものを学校別にファイルに入れて、管理します。これは、体育館に展示するときに、使うものです。

中学校からは、20人の名前が入った一覧表と展示用の名札を搬入時に提出してもらう訳です。

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受付だけで、これだけの作業があります。
作品は、郵送されてくる場合と、直接学校へ持ってくる場合があります。

そのときに、一覧表があるか、名札があるかを確認して、作品とそれらの表との照らし合わせをします。もちろん、作品の裏に中学校名、生徒の学年と名前を書いた個人表を付けてもらいます。その専用の用紙も要項を送るときに入れてあるので、その紙に書いてもらう訳です。それには、審査結果の判を押します。

だから、受付では、一覧表、名札、作品の裏の個人表があるかどうか、照らし合わせて、間違いがないかどうかをチェックするのです。

万一、作品がないという場合、一覧表の通りに作品が搬入されたのかどうかがわかっていることは重要です。確かにお預かりしましたということが必要なのです。

私の顧問時代には、14回実施しましたが、作品がなくなったということは、一度もありませんでした。しかし、このことはよく考えるとかなり神経を使うことなのです。

部員に任せるということは、そのことを任せることになります。係長の責任も重くなる訳です。だから、係長と私のコミュニケーションはとても密に行ないました。
いいかげんな部員ではとてもできないことです。

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受付を済ませたら、その作品を管理します。専用の棚を用意して、学校名がわかるように表示をして、何かというときはすぐに取り出せるように整理して保管します。油絵などは、額に入れて持ってくるので、かなりのスペースが必要になります。だから、その期間は、その管理する部屋には、やたら他の部員が出入りすることを許さないことも必要です。

そうして、搬入期間が終わると、審査になる訳です。

もう一つ、言い忘れましたが、搬入までの間に、いろいろな中学から電話がかかってきたりします。その情報を全て係長に伝えます。そうして、私と情報を共有します。私もいろいろな仕事をしているので、うっかりすることがあるからです。
だから、重要な連絡を係長に伝えて、もし、私が忘れた時には、言ってもらえるようにしていました。

搬入期間に間に合わないので遅れますという連絡があって、それを了解した場合は、その中学の作品が届くまで、審査を待つということもありました。

油が乾いてない場合は、管理の仕方が大変でした。

搬入の用紙に記入ミスがあれば、中学に連絡するとか、直接持ってきていただいたときは、その場で、記入していただくとか、そういうことも必要でした。

出品規定には、20点とあるのに、30点搬入してきた学校がありました。

絵のコンクールなのに、デザイン、ポスターが搬入されたので、連絡を入れたり、そのために、作品を入れ替えたりということもありました。

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これは、改めて書いてみると、大変なことをしていたのだという気がします。

コンクール一つを開催するにあたっての、配慮すべき項目をあげるだけで大変なことですね。それらを全て生徒に教え込みました。
だから、考えてみると、生徒たちは良い経験をしたことになるのです。就職して会社のイベントで何かの展示をする場合など、かなりのノウハウを身につけていることになるわけです。卒業してから、とても役立ちましたという話はよく聞きます。
他の人があまりにそういうノウハウを持っていないので、驚きますということも聞きました。だから、そういう時は得意になってやれたのでしょう。

つづきます。

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