『瑠璃のシュガーな時間』シュガーアート・シュガークラフト・アイシングクッキー宮本瑠璃教室(兵庫芦屋大阪)教室開講サポート

パティシェ様・フラワーデザイナー様もお越し下さる宮本瑠璃独自の大人可愛いお教室。皆様のレッスン作品のご紹介とあれこれ

フランスのウェディングケーキのスタイル                               

2006年03月23日 | シュガーアート・シュガークラフト

ウェディングケーキの歴史を語ろうとすると古代ギリシャ、紀元前ローマに遡るそうですが、17世紀には、招待客が持ち寄ったものを高く積み上げ、崩れないよう糖衣で固め、この高さが高いほど二人の生活が豊かで幸福なものになると言われていたそうで、これが今日のウェディングケーキの基本になったそう。

フランスではシュークリームを飴で固めて積み上げる《クロカンブッシュ》がお祝いの席にあり、列席者に振舞われる。

そういえば、昨年夏、フランスへ行った時、お邪魔させていただいたティエリーさんのご両親宅で、お持て成し下さったフルコースにあった☆  やはり、かしこまった席でのお持て成しのデザートが『ル・クロカンブッシュ』なのだというお話は本当だった☆

  Photo_20   左が一般的なル・クロカンブッシュ

右がティエリーさんのママとティエリーさんのママお手製のクロカンブッシュ。シュークリームの中身はバニラアイスで、また、飴ではなくてチョコレートで固Cimg4620_1めて積み上げられていた。「おもてなしのデザートよ」との事だった。

フルコースの内容は、たっぷりのフォアグラに始まり、インゲン豆のスープ。「今朝釣って来たのよ」とおっしゃって白身のお魚を焼いたものをソテーしたほうれん草のようなものの上に乗せて下さり、かなりおなかが一杯になって来たところでフィレステーキ☆ そしてアップルワインにこのクロカンブッシュ。そしておきまりのチーズバイキング☆☆☆   マンステール、カマンベール・ド・ノルマンディー、ゴーダ、ブルー・ドーベルニュなどなどが盛られたトレイを順に回し、銘々が好きなだけ切り分けて取って行く。このトレイが何周も何周も回る。

Cimg4626 フランス人は大のチーズ好き。一人当りの年間消費量は日本人の何倍だったかしら。お腹が一杯になった後で、いつまでもいつまでも沢山のチーズをワインと共に愉しいお喋りで戴く・・・という噂は本当だった! (私はと言えば胃袋が苦しくて苦しくて・・・、とても戴けなかった ザンネン)

お出し頂いたクロカンブッシュは、左写真ほどの高さはなかったけれど、3段くらいに積み上げられていた。塔のままテーブルに出されて、ご主人が銘々にサーブして下さった。お客様も見て楽しめるステキなお持て成しデザート♪、なかなか良いですよね!  宮本瑠璃

《パリの思い出》

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Cimg4576  凱旋門、凱旋門の屋上から見たエッフェル塔、エCimg4602ッフェル塔のある広場


今田美奈子先生のお言葉に泣けて・・・

2006年03月23日 | インポート

先日の日曜日、シュガークラフトの試験を受けた。筆記の一つに『ウェディングケーキの歴史』が出ることになっていたので、試験会場に向かう前にふと、今田美奈子先生の本も見ておこうと思いついた。そうしたら、ニコラス・ロッジ氏の英文と凡そ同じようなことも書かれていたが、ハタと立ち止まり考えさせられるお言葉がそこにあった。

『近年、・・・・・・、器具や色素の開発が盛んになり、商業的かつ必要以上の技巧に走りすぎる傾向が懸念されています。国際化時代のいま、シュガーケーキが世界中の人々の心をつなぐもてなしのお菓子として、多くの人々が正しい知識や技術を見につけ、お菓子としての品格を保ちながら創造を楽しむ生活芸術として広められていくことを念願します』と。

その中の『必要以上の技巧に走りすぎる傾向への懸念』『お菓子としての品格』、これらのお言葉に胸が詰まった。

『自分の作りたいものを思いのままに作れる喜び・取り合わせたい色を自由に取り合わせられる気持ちよさ』を味わいたくて、たまたまシュガークラフトを媒体にして今日まで来た。本来、私の作風を好きになって下さる人がいて、お気に召すものを作り上げるお手伝いが出来て、『創る楽しさ』を共感出来るお仲間が増えたら♪・・・とだけ 当初は考えていた。ところが、実際は、シュガークラフトのご経験者が多く習いに来て下さることで、最近の私は自分の好きな雰囲気の作品を作るだけではなく技術重視のカリキュラムに移行することがお生徒さん思いのカリキュラムであるように思い始めていた。ココまでのことがデキルノヨ、といったような難関ワザを取り入れなくてはいけないかのように思い始めていた。一方で、シュガークラフトの作品展を拝見するにつけ、(このようなものを敢えてお砂糖で作らなくても良いのでは? ここまでの作品を作らなくても良いのでは?)と首を傾げてしまう自分もいた。両方の気持が交錯する昨今の私にとって、今田美奈子先生のご本の中に書き留められたこのお言葉は方位磁針となったように思う。

勿論、みなさんはより難しいスキルを身につけたくて習いにいらっしゃるのは当たり前。講師はその思いに誠実に応える義務がある。この方程式は揺るがないのだけれど、ただ、《本当に大切なもの》を見失わずに この仕事を続けて行きたい。・・・そう思ったら、試験に向かう前だというのになんだか胸が詰まって10分くらいじんわり泣けてしまった・・・。 宮本瑠璃