12月の読書メーター読んだ本の数:24
読んだページ数:7558
ナイス数:2868
アンリアルの
感想人の悪意を相手の目が赤く光るという形で感じ取るという特殊能力を持つ沖野修也。両親の謎の死の真相を知るため警察官になるが、ある日突然聞き慣れない部署へ異動を命じられる。そこは人知れず防諜・諜報を行うスパイ組織。沖野を指導する先輩・水瀬や上司たちもクセが強く本当のことは何一つ明かさない。まるで映画の世界、派手なアクションや息詰まる心理戦。好みは分かれるかもしれないが面白くて一気読み。続編がありそうなラストなので楽しみ。
読了日:12月02日 著者:
長浦 京実母と義母の
感想実母も義母も何と厄介な存在だろうか…。村井さんの文章はとても読みやすいけど、辛辣な内容は実母と同居する私にグサグサとナイフを突きつけられるかのようだ。村井さんのお家の場合、どちらの母上も中々に面倒なお方のようだが、書いているご自身も中々のお方なのかも。私自身は介護をしてもらう立場になる前にぽっくりと逝きたいけど。。
読了日:12月03日 著者:
村井 理子マリスアングルの
感想シリーズ第10弾、いよいよ魚住久江が11係に加入。姫川玲子の鋭さと魚住久江の人に寄り添う温かさが良き化学反応を。ガンテツや井岡もちょっとだけ登場。魚住の加入でますます面白くなったこのシリーズ、早くも次が待ち遠しい!
読了日:12月04日 著者:
誉田哲也鋼の絆 ギンイチ消防士・神谷夏美の
感想神谷夏美シリーズ第4弾はエピソードゼロ。近年予想される首都直下地震に備えて設立されたギンイチに全国から新隊員を選抜するために招集された30人。期間は3ヶ月、鬼教官にしごかれる若手消防士たち。女性隊員はわずか2名、体力も技能も劣る神谷夏美はなぜ選抜されたのか?過酷な訓練と現場での消防活動を通じて夏美と仲間たちの絆は強くなる。いかにしてギンイチの神谷夏美が誕生したのか。一気読み、面白かった!
読了日:12月06日 著者:
五十嵐貴久スピノザの診察室の
感想京都の町中の地域病院で働く雄町哲郎(マチ先生)は、かつて大学病院で将来を嘱望された内視鏡手術のスペシャリストだった。たった1人の妹が遺した甥の龍之介と暮らすため町の病院で外来や訪問診療までをこなす日々。マチ先生の力量を見込んで大学病院から若手の女性医師が研修に送り込まれる。淡々と日々の診療を行い、先輩医師花垣の出張中に後輩の内視鏡手術を助けたり。マチ先生に最期を看取ってもらいたくなる。シリーズ化して欲しい!
読了日:12月08日 著者:
夏川 草介グレイの森の
感想兄の死から中々立ち直れない臨床心理士の水沢藍。そんな藍が出会った2つの家族。息子を追いつめた母親の聡美、母の愛を求めて自分を傷つける綾香。加害者の家族と被害者の家族。重い物語だが、臨床心理士・藍の成長と、ひたすら傾聴する姿はとても読み応えがある。現実に起きた事件を連想してしまい、そこは切なかった。
読了日:12月09日 著者:
水野梓ともぐいの
感想日露戦争直前の北海道、山中でひとり狩りをして、時折白糠の町へ獣の肉や山菜を売りに行き生計をたてる熊爪。熊との対峙シーンは迫力に圧倒される。人や町との関わりを避けて生きる熊爪に転機が。河崎さんが描く北海道、読み応え満点!命、生と死。第170回直木賞候補作。
読了日:12月11日 著者:
河﨑 秋子リカバリー・カバヒコ (文芸書・小説)の
感想公園の古びたカバの遊具は、人呼んで「リカバリー・カバヒコ」。治したい部分に触れると回復するという都市伝説。急な成績不振に悩む高校生・ママ友との付き合いに悩む元アパレル店員・駅伝が嫌でケガをしたと嘘をついた小学生・仕事のストレスで休職中の女性・母との関係が拗れたままの雑誌編集長。素敵な連作短編、優しい気持ちで読了。青山さんらしい1冊。
読了日:12月11日 著者:
青山美智子一億円の犬の
感想SNSで六本木のセレブ妻という設定で保護犬[さくら]をネタにマンガを投稿している梨沙。ある日出版社の編集者から書籍化のオファーが…。動画サイトで人気になれば億単位の収入も夢ではないと。嘘で塗り固めた梨沙は大胆な行動に出るが思わぬ事件に遭遇してしまう。絶体絶命のピンチ、梨沙の運命は?犬の賢さ、可愛さは、利用する人間の愚かさを凌駕する。
読了日:12月12日 著者:
佐藤 青南ツミデミックの
感想それぞれカラーの違う6つの短編。前半は「違う羽の鳥」「ロマンス☆」「燐光」、これは重苦しかった。後半の3編「特別縁故者」「祝福の歌」「さざなみドライブ」は明るく終わるものだったので良かった。一穂さんの引き出しの多さに唸らされた。
読了日:12月13日 著者:
一穂ミチおいしい旅 しあわせ編 (角川文庫)の
感想アミの会・おいしい旅シリーズの第3弾。旅の楽しみは美味しいものを食べること。7編すべて美味しいもの満載。大崎梢「もしも神様に会えたなら」新津きよみ「失われた甘い時を求めて」柴田よしき「夕日と奥さんのお話」篠田真由美「夢よりも甘く」松村比呂美「旅の理由」三上延「美味しいということは」近藤史恵「オーロラが見られなくても」。ああ、旅に出たいなあ…。
読了日:12月14日 著者:
大崎 梢,近藤 史恵,篠田 真由美,柴田 よしき,新津 きよみ,松村 比呂美,三上 延わたしを永遠に眠らせての
感想妊娠中に夫を事故で亡くしその後に流産した秋夜は、悲しみを断つために善財家に嫁ぐが、そこには義母による凄まじい苛めが待っていた。近隣に住む小学生の優真は継父からの虐待に苦しんでいた。そんな2人が出会い互いを拠り所にするが、不幸の連鎖は止まらない。優真の親友に迫る悲劇や、人前で取り繕うことの上手い苛める側。どうなるこの先と思っていたらの逆襲。珠子と孝道が腹立たしくて怒りを覚えながらの読書に。イヤミス度は控えめかも?
読了日:12月14日 著者:
神津 凛子おでんオデッセイの
感想山本さんのお仕事小説、今作はおでん屋。東京の総合商社で働き過ぎて体を壊し実家で母が営む練物店を手伝うことになった有野静香。亡き祖父が遺したおでん屋台「かいっちゃん」で奮闘する。出てくるおでん種が美味しそうでこの季節にピッタリ。山本さんの過去作から漫才コンビの[アカコとヒトミ]や[アヒルバス]も登場で嬉しくなった。
読了日:12月15日 著者:
山本 幸久夜明けのはざま (一般書)の
感想地方都市の小さな葬儀場「芥子実庵」、そこで働く葬祭ディレクター・佐久間真奈。家族や恋人には葬儀場で働くことを理解されずにいる。親友の自死、元夫の恋人の葬儀を手伝う花屋、新入社員が葬儀場で再会した世界で一番会いたくなかった男。元恋人の訃報を受けとった主婦、死が怖くてたまらない男。真奈は死を見つめることで自分らしく生きる道を選んだ。真奈を心から応援したくなり、とても心に残る1冊。
読了日:12月17日 著者:
町田 そのこ真夜中法律事務所の
感想ある日夜道に佇む幽霊が視えるようになった検事の印藤累。案内人と称する架橋昴に導かれ、着いたところは「深夜法律事務所」。やはり幽霊が視える弁護士・深夜朱莉はかなりの変わり者。丑三つ時から夜明けまで、亡くなった場所に縛りつけられていた幽霊が相談に訪れるこの法律事務所。五十嵐さんの新境地、読みやすくて面白かった。これはシリーズになるかな?終わり方からして。
読了日:12月18日 著者:
五十嵐 律人息子のボーイフレンドの
感想高校生のひとり息子の聖将からの突然のカミングアウト。好きな人は3つ年上の男子大学生!頭では理解出来ても感情が追いつかない母の莉緒。二人の交際を巡って巻き起こるすったもんだ。LGBT、他人事ならば理解出来るが家族だと無理?軽く書いているけれど、深い問題。この家族は聖将に寄り添う姿勢で好ましかった。
読了日:12月18日 著者:
秋吉 理香子なれのはての
感想祖母の遺品である無名の画家が描いた1枚の絵。絵の裏に「ISAMU INOMATA」と署名があるだけで画家の素性は不明。報道局からイベント事業部に異動になり心に鬱屈を抱える守谷と絵画の持ち主である部下の吾妻が、【たった1枚の展覧会】を開くため、謎の絵描きの正体を探り、たどり着いた真実。加藤さんの新境地とも言える力作。ただ、中盤少し冗長な部分があったのが残念。第170回直木賞候補作。さて、受賞なるか?
読了日:12月22日 著者:
加藤 シゲアキひとり旅日和 幸来る!の
感想日和さんにようやく幸が…。しかし、ここまでが長かったねぇ。表紙の遊覧船、いつか乗りたい!ここの海岸は何度も通っているのに。能登はレンタカー旅、新潟は公共交通機関…。いや、新潟は車移動でも広いからねえ。遠距離恋愛になっても、この二人なら上手く行きそうだね。
読了日:12月23日 著者:
秋川 滝美誰かがジョーカーをひくの
感想夫の暴言で家を飛び出し、ピンクの軽自動車であてどもなく町を走っていた地味で平凡な主婦・沙代子。突然車の前に飛び出して接触事故を起こした相手は借金に追われるキャバ嬢の紫苑。公園の植え込みに隠されたボストンバッグの回収を指示され、開けてみると現金3000万円が…。誘拐事件の身代金をネコババしようと企むが、誘拐された本人も合流。町を脅かす悪の集団、金を狙うもの。有名な企業の内紛やらドタバタしながら、最後は沙代子が解決の鍵に。うーん、面白いけど深みは無いような…。
読了日:12月23日 著者:
宇佐美まこと龍の墓の
感想理不尽に罠を仕掛けられ警察官を辞めた瀧川は、家に引きこもりゲームにのめり込む日々を送る。近未来の日本が舞台のようだ。町田・荒川・埼玉とゲームの設定に沿う殺人事件の捜査に当たる刑事から協力を求められ…。うーん、どうした貫井さん?軽く読む分には楽しめるけど、私が求める貫井さんの作風とは違っている。
読了日:12月24日 著者:
貫井 徳郎襷がけの二人の
感想大正から戦後、裕福な家に嫁いだ千代と女中頭の初衣の不思議な絆。千代は夫とは心を通わすことが出来ずにいたが朗らかな舅、家事に堪能な初衣、心根の良いお芳との暮らしは楽しいものだった。戦争で大きく運命が動き、立場を変えた2人が再会してからの物語も素晴らしい。とても読みやすく楽しい読書が出来た。嶋津輝さん初読み、第170回直木賞候補作。
読了日:12月26日 著者:
嶋津 輝ミステリな食卓 美味しい謎解きアンソロジー (双葉文庫 み 36-01)の
感想料理が登場するミステリー6編。既読のものがいくつかあったが楽しく読了。斎藤千輪さんは初読み。西村さんのは前にも感想に書いたが奥さまの言葉使いが古めかしくて少し違和感。
読了日:12月27日 著者:
碧野 圭,太田 忠司,近藤 史恵,斎藤 千輪,新津 きよみ,西村 健ラウリ・クースクを探しての
感想1977年、ソ連時代のエストニアで生まれたラウリ・クースク。数字が好きでコンピュータ・プログラミングに稀有な才能を見せた。親友・イヴァンとの出会い、ソ連崩壊とエストニアの独立で離れ離れに。時を経てラウリを探すひとりの男。彼の正体が明かされたとき、大きな感動が。第170回直木賞候補作。とても読みやすく良い本だと思う。
読了日:12月29日 著者:
宮内 悠介成瀬は天下を取りにいくの
感想一風変わった成瀬あかり。滋賀大好きな成瀬とそんな成瀬に引きずられながら共に楽しむ島崎。爽やかで楽しい1冊だが、これが読メオブ・ザ・イヤー1位かあ…。不満はないけど、まあこういう本をキッカケに読書する人が増えれば良いのかも?
読了日:12月31日 著者:
宮島 未奈読書メーター