ゆみねこ日記

日常日記です。

9月の読書記録

2024-10-01 15:50:13 | ブックレビュー
9月の読書メーター
読んだ本の数:23
読んだページ数:7534
ナイス数:2697

ルーマーズ 俗ルーマーズ 俗感想
人気俳優の上杉彩奈が自室で急性薬物中毒で死亡。そして同じ室内で既婚の実力派俳優の馬場直人が意識不明の状態で発見された。果たしてふたりは心中したのか?その後彩奈の妊娠が判明、父親は馬場なのか?世間を騒がせる人気俳優同士の心中事件?この事件を取り上げる既存メディアと ネットニュース、そしてSNS上に溢れる噂話。不幸な事件の連鎖と静まらない事件への話題。ネット上のやり取り、ニュースや新聞記事のみで構成された作品。一気に読んだけどなんだか疲れてしまった。
読了日:09月02日 著者:堂場 瞬一
失踪人 磯貝探偵事務所ケースC失踪人 磯貝探偵事務所ケースC感想
元刑事の磯貝の探偵事務所に、失踪人探しの依頼が。依頼人は人気俳優の西條真奈、実姉で道知事の特別秘書を務めていた最上沙理奈が突然仕事を辞め、行く方がわからなくなったと。優秀で仕事が出来る姉はなぜ家族にも知らせず失踪したのか?姉妹の母親が29年前に失踪していた事実、政治家と警察との間にある闇。姉の無事が確認出来たのでひと安心だが、ここで終わりは少し物足りない。続きもあるのかな?
読了日:09月03日 著者:小路 幸也
なんどでも生まれる (一般書)なんどでも生まれる (一般書)感想
仲間に虐められて住処から飛び出したチャボの「桜」。優しく保護してくれた茂さんは、不向きな営業の仕事に心身をすり減らし、祖父母が営む金物店の二階で引きこもる。大好きな茂さんに元気になって欲しい桜の語りで進む物語は、明日町こんぺいとう商店街が舞台。やさしくてホッとする素敵な1冊。
読了日:09月04日 著者:彩瀬 まる
遠い町できみは (一般書)遠い町できみは (一般書)感想
母を亡くし、心を病んだ父。鳴海翔は父・英一と離れ宮城の海沿いの町にある母の実家に預けられることに。寂しさをこらえ懸命に新しい暮らしに慣れようとする翔。同じクラスには家庭に問題を抱えた大也と美波がいた。身勝手な大人に振り回される3人の子どもたち。過酷な現実を乗り越えるキッカケはサーフィン。翔の父方の祖母に怒りを覚え、大也の母・リカに呆れ、美波の母と義父にもおぞましさを感じたが、3人がそれぞれの道を歩み成長してゆくラストは清々しくて良かった。高遠ちとせさん、初読み。第12回ポプラ社小説新人賞特別賞受賞作。
読了日:09月05日 著者:高遠 ちとせ
ステイ!: ぼくとシェパードの5カ月の戦いステイ!: ぼくとシェパードの5カ月の戦い感想
幼い頃に両親を亡くし、伯母夫婦に引き取られた善治。自分が来たために10歳歳上の従兄の大我は大学進学をせずに全寮制の犬の訓練士の学校に進んだのではないかと思う日々。大学生になったある日、訓練所を営むようになった大我から元警察犬のシェパード・アレックスを預かることに。とある理由から犬が大の苦手な善治、伯母夫婦には従順なアレックスは善治の言うことを聞いてくれない。犬と大人になりきれない善治がどうやって心を通わせてゆくか?楽しく読めた1冊。青谷真未さん、初読み。
読了日:09月06日 著者:青谷 真未
死んだ石井の大群死んだ石井の大群感想
閉鎖された空間に集められた333人の石井姓の老若男女。理不尽なゲームがはじまり、次々に死んでゆく人々…。14歳の石井唯が語り手になって進むゲームの章。探偵の伏見と蜂須賀の元に舞台俳優の石井有一の捜索依頼が来た。ゲームの進行と石井有一の捜索、どういう結末になるのか。ラスト、そう来るか!この作者、2作目だけど、中々面白い。次が出たらまた飲むと思う。
読了日:09月07日 著者:金子 玲介
わたしの知る花 (単行本)わたしの知る花 (単行本)感想
ある日町に現れた絵を描く老人。老人に興味を持った女子高生の安珠は、彼のことを調べることに。葛城平という老人を、ある人は犯罪者と言い、関わるなと言う。理容店を営む悦子と平の物語は、切なくてそして温かい。町田そのこさんの新たな名作!今年のベスト本候補。
読了日:09月08日 著者:町田 そのこ
南アルプス山岳救助隊K-9 愛と名誉のためでなく (光文社文庫 ひ 17-1)南アルプス山岳救助隊K-9 愛と名誉のためでなく (光文社文庫 ひ 17-1)感想
K−9シリーズ第14弾。時系列的には「紅い垂壁」の前日譚になると。シリーズ開始から12年、しかし作者のあとがきによれば「クレヨンしんちゃん方式」で彼らの時間を止めて物語を書いているとのこと。メンバーも犬たちもいつまでも活躍してくれそうで安心。今作は8つの短編。犯罪者と対峙したり、米軍の訓練飛行で雪崩が起きて巻き込まれた人を決死の思いで救出したり。ハラハラドキドキもあり、犬たちの活躍も!ずっと読み続けたいシリーズ。
読了日:09月09日 著者:樋口明雄
リセット (幻冬舎文庫 い 18-19)リセット (幻冬舎文庫 い 18-19)感想
今作はリカ(結花)を引き取った舛元家のお話。従兄弟の晃は一目で結花に惹かれ恋に落ちてしまう。学校で次々に起こる不穏な死亡事件の陰には結花。しかし、晃の母親・奈緒美と義兄の孝司の企みはもっと悍ましい…。晃が萌香の忠告を受け入れていたら。。怖さは今までの作品より少し控えめ。
読了日:09月10日 著者:五十嵐 貴久
人質の法廷人質の法廷感想
駆け出しの弁護士・川村志鶴が引き受けたのは、荒川河川敷女子中学生連続殺人死体遺棄事件の容疑者・増山淳彦の弁護。2件目の殺害現場に落ちていたタバコの吸殻から増山のDNAが発見され、警察と検察の強権的な取り調べで「自白」を強いられた増山。ハラハラドキドキの法廷劇はとても読み応えがあり面白かった!分厚さと二段組にビビったけど、一気に読破出来た。冤罪がどう作られるのかが理解出来た気がする。
読了日:09月13日 著者:里見 蘭
銀河の図書室銀河の図書室感想
県立野亜高校の図書室で活動する「イーハトー部」。宮沢賢治を研究する弱小同好会。部を立ち上げた風見先輩が「ほんとうの幸い」って何だろう?と言う言葉を残し、突然学校から消えた。先輩はなぜ消えたのか?チカ・キョンへ・マスヤス、3人の部員たちと見守る司書の伊吹さん、顧問の郡司先生そして校長。それぞれが抱える悩みや問題、「ほんとう」と直面して成長する高校生たち。清々しい名作、とても良かった。オススメ!
読了日:09月14日 著者:名取 佐和子
いつか月夜いつか月夜感想
父を亡くしてから得体のしれない不安(モヤヤン)に取り憑かれた会社員の實成冬至は、何も考えずひたすら夜道を歩いた。ある夜会社の同僚塩田さんと娘ではない中学生の女の子・クマと出会い共に歩くように。やがて元カノ伊吹や伊吹のマンションの管理人・松江さんも加わり、それぞれ問題を抱えながら、譲れないもののために歩き続ける。一人で暮らす実家の母親、妹が生まれることへの不安と喜びで複雑な思いの姪っ子。實成の優しさと強さ、ラストの明るさ、とても素敵な1冊。寺地はるな、やはり良い!
読了日:09月15日 著者:寺地 はるな
婚活食堂11 (PHP文芸文庫)婚活食堂11 (PHP文芸文庫)感想
めぐみ食堂の仕入れ先の娘が玉の輿婚の末、子連れで実家に戻る。同じ仕入れ先の若旦那は彼女に想いを寄せ、恵に恋の仲立ちを頼む。恵の計らいは「将を得んと欲せば」でキャンプへ。常連の女性は同時に2人の男性から想いを寄せられるが…。不穏な犯罪の影もちらつくが無事に解決。相変わらず料理は美味そうで参考にしたいものがたくさん!
読了日:09月16日 著者:山口 恵以子
二人の誘拐者二人の誘拐者感想
静岡県の廃村で発見された白骨遺体は、10年前に誘拐されたまま行方不明になっていた少女だった。再捜査にあたる刑事たちの手により、当時は判明し得なかった事実が明らかになる。隠されていた真実が切なかったが、命を扱い高い倫理感のある人物が陥った罠とそれを悔やみながら生きることの辛さが伝わってきた。久しぶりに読んだ翔田寛さん、読み応えがあり面白かった。
読了日:09月17日 著者:翔田 寛
Across the UniverseAcross the Universe感想
渋谷ハチ公前で起こったテロ事件からの3部作最終巻。うーん…何だかモヤモヤする幕切れ。AIアイコと全作で謎の失踪をしたあの人が繋がっていたとは!勢い込んで3部作をほぼ一気に読んだけど不満が残ってしまった。
読了日:09月18日 著者:秦 建日子
マザーマザー感想
今の時代の母親像は?5つの物語は、帯の中島京子さんの「母という禍、家庭という地獄」という一文に語り尽くされている。三世代家族の太陽のような母が家族にしたこと「セメタリー」、うつで医師をやめた兄の再婚相手「ワンピース」、ひとりで暮らす母の家に子供連れで転がり込む娘「ビースト」、胎内記憶がある娘「エスケープ」、子どもの独立を機に長年の夢を実現した母「アフェア」。どれもゾワッと怖く気持ちの良い物語ではないが読むのを止められない。さすがの乃南アサ!
読了日:09月19日 著者:乃南 アサ
魔者魔者感想
週刊誌記者の今井柊二には封印し、誰にも知られたくない過去があった。ある日、自分の過去が描かれている小説に出会い、この覆面作家を調べることに。柊二が行動を起こすと会社に過去を暴く電話がかかる。加害者家族の苦しみ、週刊誌報道のあり方、とても重い内容だけど、ラストはとても良かった。誰の心にも「魔物」はいる…。
読了日:09月22日 著者:小林 由香
ちゃっけがいる移動図書館 (単行本)ちゃっけがいる移動図書館 (単行本)感想
青森の町立図書館で非正規職員として働く小田桐実(みのり)。将来への不安から節約に努め笑顔のない日々を送っていたが、ある日山道で雑種の仔犬「ちゃっけ」を保護し、成り行きで里親が見つかるまで預かることに。実に自分の価値観を押し付ける母親や図々しい友人の友美にウンザリさせられたりしたが、無垢で可愛いちゃっけと暮らす日々が実を成長させてゆく。犬がいる移動図書館、良いなぁ!
読了日:09月23日 著者:髙森 美由紀
罪の年輪 ラストライン6 (文春文庫 と 24-24)罪の年輪 ラストライン6 (文春文庫 と 24-24)感想
玉川上水河川敷で発見された遺体は、元小学校教員の小村春吉87歳。入居していた施設を夜中に出て殺害された。その後自首してきた三嶋輝政も87歳、ガンさんにとって過去最高齢の容疑者だが、なぜか殺害の動機を語らない。被害者とは60年前からの知り合いだったというが、三嶋が殺人を犯した真の理由が解き明かされる…。途中から小村の悍ましい正体に気づいてなんともやり切れない思いで読了。ガンさん、定年延長でラスト10年。古巣の捜査一課に戻って新しい活躍に期待。
読了日:09月24日 著者:堂場 瞬一
可燃物可燃物感想
米澤さん初の警察もの。5編全部読み応えがあり、上手さを感じた。「命の恩」が切なかった。葛刑事の洞察力!凄い。
読了日:09月26日 著者:米澤 穂信
常夏荘物語 (一般書)常夏荘物語 (一般書)感想
深い感動と爽やかな余韻を堪能しながら読了。あのヨウヨとリュウカがついに…!峰尾の地で「おあんさん」として根を張る耀子に降りかかる試練、離れて暮らす娘の瀬里、異国で新しいパートナーと暮らす龍治。すべてを見守る義母・照子の大きな愛。自立と自律を教えてくれた青井先生。なでしこ屋に意地悪した輩に天罰をと思った私。その辺!ほんの少しもやもやが残ったけど、大好きな人たちが幸せになりそうなラストはやはり満足。
読了日:09月27日 著者:伊吹 有喜
臨床のスピカ臨床のスピカ感想
動物介在療法に携わるDI犬のスピカと看護師でハンドラーの凪川遥。様々な患者と家族に向き合う中で、遥自身の母との関係を見つめ、新たな一歩を踏み出すことに。スピカのように病院で活躍する犬が増え、そのことを理解する人が多くなれば良いと思った。病院の中の様子や病状の詳細さは、さすが現役看護師の前川さん。
読了日:09月28日 著者:前川 ほまれ
偽りの貌 警視庁監察ファイル偽りの貌 警視庁監察ファイル感想
今作は歌舞伎町トー横キッズ、薬物が絡み、読みながら心が痛くなるシーンが多々。タレコミを元に事前観察を命じられたジンイチの面々、若手の毛利を軸に進むストーリー。どこで内定中の警察官とトー横で暗躍する輩が繋がるのか?そうか!アイツがアイツだったのか!シリーズ中、一番面白かった。毛利が抱えていたものが明かされ、彼の成長と今後の活躍が楽しみに。ぜひとも続けて欲しいシリーズ。
読了日:09月30日 著者:伊兼 源太郎

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