奴がくる。
それは近所のおばさんです。
小柄なのに声が大きく 歩き方も男前で 遠目にはパンチです。
最初 おじさんかと思いました。
というくらい ほぼ男性です。
この人になるべく会いませんように・・・といつも思いながら出かけるのですが
遭遇率が極めて高い。
時間や道を変えてもよく会う。
スーパーでも会う。
行きも帰りも会うこともある。
「さっきそこの角で立ち話してたよね!?なのになぜここにもいる?」って日もあるの。
自治会の役員をもう長いことやってらっしゃるので
自主的に地域の安パトしてるのかもしれないなぁ。
そういう使命感みたいなのが バリバリ発信されてます。
「お宅あの社宅で一番古株だよね、もう20年か」とか
「昔ここにいた〇〇さん、栃木に転勤した後、今は千葉なんだってね。この間千葉のお宅に
遊びに行ってきたよ」とか(〇〇さん、入居時期がかぶってないので 知らないです・・・・)
「どう学校は。〇〇先生なんだって?」とか
「息子さん今度中学だけど、地元じゃないんだ」とか
「お母さんがもっと頑張んなきゃダメだよ」とか
すごい見られてるっていうか よく知ってるっていうか デリカシーがないっていうか
恐怖しか感じないっていうか もうやめてっていうか・・・。
この人がなぜか一年中下駄ばきなのです。
早稲田の学生か
下駄の音がするので近くにいるとわかります。
猫に鈴、みたいな。
テレビで正義の味方(まさかの悪役もありか)が登場するときの効果音ていうか。
まあ、その音 ちょっと助かりますけど。
この人の情報収集能力というかネットワークはデカ(刑事)なみなので
事件があったら みんなこの人に聞いたらいい。
警察も役所も新聞記者もマスコミも探偵も みんな行ったらいい。
大抵のことはきっとわかるから。
「64(ロクヨン)」だって解決できるからね、この人なら。
そうだ、私も今度風に飛ばされた洗濯物を拾ったらこの人に聞きに行こう。
きっとどこの誰の持ち物かあっという間に判明して、迷子の衣類も持ち主のもとに帰るから。
私が不用品を「どうぞご自由に」ボックスにして出した時もすぐに来て
「これ出したの誰?」
「あ・・・・私です」
「ああ、お宅ね。ならいいの。ところでこの社宅の〇〇さんちの次男坊、
さっき一人で三輪車で門から出てたから一応門にカギかけておきなよ。」
「・・・・はい」
みたいなやり取りしたっけ。
ボックス出して速攻来た。
さすがだと思った。
セコムかと思った。
社宅の誰かが袖の下渡してるかと思った(ないない)。
私もボックスのみかじめ料払わなきゃダメかと思った(ないない)。
ああ、そうか
セコムだと思えばいいんだ。
セキュリティのことならセコムだもんね。
長嶋さん、この地区全域 自家製セコム入ってますよー。すごい地域ですよー。
そういうことだ。
我が家はもう20年も ただで守って貰っていたのかぁ~。
頼んだわけじゃないけど、すごいな、下駄のおばさんは地域の安全をもう何十年も
守ってる人なんだ。
もしかするとおばさんは 本当に秘密警察の人か
地球防衛軍おばさん部隊の人なのかもしれないな。予想だけどね。
てなわけで おばさんに感謝 そしておばさんに敬礼