〖北見工大は、地域内で再生可能エネルギーや燃料電池など多様な分散型電源で電力を融通し合う次世代のエネルギーシステム「マイクログリッド」について、積雪寒冷地を想定した国内初の模擬装置を導入し、年内に実験に着手する。熱供給も組み合せたマイクログリッドの最良のモデルを地域ごとに提案する目的で、エネルギーの「地産地消」の可能性を探る。〗
マイクログリッドは、既存の大規模発電施設のみに頼らず、小規模な発電、送電網を各地に構築し、地域特性に合わせてコンピューター管理し多様なエネルギーを補い合わせるもの。天候に左右されやすい再生可能エネルギーの普及にもつながるとされる。
実験を行うのは、北見工大電気電子工学科の小原伸哉教授。積雪寒冷地では暖房需要が大きいため、電力だけでなく熱も効率的に併用するマイクルグリッドを想定した。道環境・エネルギー室によると、道内でマイクログリッドを考える上で熱供給の併用は不可欠だが、これまで国内で積雪寒冷地を対象とした研究はほとんどなかったという。
実験では、太陽光、風力、潮流といった再生可能エネルギーや、燃料電池などの電源を模擬的に作る装置のほか、その電源を電力や熱として消費する装置などを実験室に整備。コンピュータと接続し、人口規模などが異なる都市のエネルギー需要や気候などをプログラムし、商業、工業、農業など地域の産業別特色に応じた最適な運用方法を調査する。例えば、人口約12万人の北見市を対象とした場合、数千分の1程度の規模に換算して実験を行う。
実験では、厳寒地域の昼夜の寒暖差で発生する高圧ガスによる「ガスハイドレード発電」も電源の1つとして取り入れ、寒冷地の特性を生かしたシステムを構築する。
北見工大は今後、2年程度をかけて実験を重ね、道内各地での最適なモデルを確立させたいという。小原教授は「国策で原発を前提とした大規模な電力網が維持されてきた。次世代のため、地域の特性を生かしつつ、再生エネルギーの導入割合を高められるマイクログリッドの研究は重要」としている。
【北海道新聞朝刊 2013/08/13】
【感想】
地域で得られる様々な再生可能エネルギーを組み合わせて利用する試みは、私が十数年前に訪れたデンマークで既に行われていて、実際にその現場を何箇所か見学して来ました。
風力やバイオマス、バイオガス、太陽光、太陽熱などを組み合わせたハイブリッドなエネルギーシステムは、基本的にクリーンで持続可能なエネルギー供給システムです。
再生可能エネルギーによって電力を100%自給することを目指していたデンマークのサムソ島を見学した時には、真面目にデンマークへ移住したくなりました。
すっかりデンマークのハイブリット型再生可能エネルギー供給システムに感化されてしまった私は、帰国後、自宅の駐車場のロードヒーティング化を考え、その熱源に太陽光と風力を組み合わせた小型の発電機の設置を思い立ちました。
当時は(2000年頃)、まだ日本でそのようなハイブリッド型の小型発電機など製造されていなかったので、アメリカからの輸入品の資料を取り寄せ検討してみました。
その結果、自宅に設置した場合、発電に必要な日射量と風速が足りないことが分かり断念せざるを得ませんでした。
再生可能エネルギーのうち、特に太陽光・太陽熱・風力エネルギーはお天気任せなので、バイオマスやバイオガスなど比較的安定したエネルギーと組み合わせる必要があります。
北見工大が研究に着手する「マイクログリッド」型のエネルギー供給システムは、まさに、再生可能エネルギーの弱点とも言える不安定な電力供給を補うシステムとして、非常に価値ある研究だと思います。
確かに太陽光・太陽熱・風力エネルギーなどはお天気任せで不安定ですが、賦存量はまさに無限大・無尽蔵と言っても過言ではありません。
一方、石油・石炭・天然ガスは言うまでもなく、原発のエネルギー源であるウランだって限りがあります。
未来社会では、家庭も企業も公共施設も、全て自前で再生可能エネルギーを得るようになると思います。
そうなると、原子力発電所も火力発電所も要らなくなり、使用済み核燃料の処理・保管に悩む必要も、火力発電所から排出される石炭灰の処理に苦労する必要もなくなります。
既に、ドイツとデンマークは原発廃棄を決定し、ハイブリッド型の再生可能エネルギー供給システムに移行し始めています。
そう遠くない将来、日本の発電システムもドイツ・デンマーク型に移行して行く(行かざるを得ない)と思いますので、北見工大の小原教授が進める「マイクログリッド」の研究は、日本における先駆けになることでしょう。
私も「マイクログリッド」を応援して行きたいと思います。
マイクログリッドは、既存の大規模発電施設のみに頼らず、小規模な発電、送電網を各地に構築し、地域特性に合わせてコンピューター管理し多様なエネルギーを補い合わせるもの。天候に左右されやすい再生可能エネルギーの普及にもつながるとされる。
実験を行うのは、北見工大電気電子工学科の小原伸哉教授。積雪寒冷地では暖房需要が大きいため、電力だけでなく熱も効率的に併用するマイクルグリッドを想定した。道環境・エネルギー室によると、道内でマイクログリッドを考える上で熱供給の併用は不可欠だが、これまで国内で積雪寒冷地を対象とした研究はほとんどなかったという。
実験では、太陽光、風力、潮流といった再生可能エネルギーや、燃料電池などの電源を模擬的に作る装置のほか、その電源を電力や熱として消費する装置などを実験室に整備。コンピュータと接続し、人口規模などが異なる都市のエネルギー需要や気候などをプログラムし、商業、工業、農業など地域の産業別特色に応じた最適な運用方法を調査する。例えば、人口約12万人の北見市を対象とした場合、数千分の1程度の規模に換算して実験を行う。
実験では、厳寒地域の昼夜の寒暖差で発生する高圧ガスによる「ガスハイドレード発電」も電源の1つとして取り入れ、寒冷地の特性を生かしたシステムを構築する。
北見工大は今後、2年程度をかけて実験を重ね、道内各地での最適なモデルを確立させたいという。小原教授は「国策で原発を前提とした大規模な電力網が維持されてきた。次世代のため、地域の特性を生かしつつ、再生エネルギーの導入割合を高められるマイクログリッドの研究は重要」としている。
【北海道新聞朝刊 2013/08/13】
【感想】
地域で得られる様々な再生可能エネルギーを組み合わせて利用する試みは、私が十数年前に訪れたデンマークで既に行われていて、実際にその現場を何箇所か見学して来ました。
風力やバイオマス、バイオガス、太陽光、太陽熱などを組み合わせたハイブリッドなエネルギーシステムは、基本的にクリーンで持続可能なエネルギー供給システムです。
再生可能エネルギーによって電力を100%自給することを目指していたデンマークのサムソ島を見学した時には、真面目にデンマークへ移住したくなりました。
すっかりデンマークのハイブリット型再生可能エネルギー供給システムに感化されてしまった私は、帰国後、自宅の駐車場のロードヒーティング化を考え、その熱源に太陽光と風力を組み合わせた小型の発電機の設置を思い立ちました。
当時は(2000年頃)、まだ日本でそのようなハイブリッド型の小型発電機など製造されていなかったので、アメリカからの輸入品の資料を取り寄せ検討してみました。
その結果、自宅に設置した場合、発電に必要な日射量と風速が足りないことが分かり断念せざるを得ませんでした。
再生可能エネルギーのうち、特に太陽光・太陽熱・風力エネルギーはお天気任せなので、バイオマスやバイオガスなど比較的安定したエネルギーと組み合わせる必要があります。
北見工大が研究に着手する「マイクログリッド」型のエネルギー供給システムは、まさに、再生可能エネルギーの弱点とも言える不安定な電力供給を補うシステムとして、非常に価値ある研究だと思います。
確かに太陽光・太陽熱・風力エネルギーなどはお天気任せで不安定ですが、賦存量はまさに無限大・無尽蔵と言っても過言ではありません。
一方、石油・石炭・天然ガスは言うまでもなく、原発のエネルギー源であるウランだって限りがあります。
未来社会では、家庭も企業も公共施設も、全て自前で再生可能エネルギーを得るようになると思います。
そうなると、原子力発電所も火力発電所も要らなくなり、使用済み核燃料の処理・保管に悩む必要も、火力発電所から排出される石炭灰の処理に苦労する必要もなくなります。
既に、ドイツとデンマークは原発廃棄を決定し、ハイブリッド型の再生可能エネルギー供給システムに移行し始めています。
そう遠くない将来、日本の発電システムもドイツ・デンマーク型に移行して行く(行かざるを得ない)と思いますので、北見工大の小原教授が進める「マイクログリッド」の研究は、日本における先駆けになることでしょう。
私も「マイクログリッド」を応援して行きたいと思います。
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