料理家として大変有名なケンタロウさんが、自分の料理に使う道具へのこだわりを書いた本です。料理人のタマシイ「包丁」を買った日のエピソードはかなり強烈です。私たち外科医も道具にはかなりこだわりますが、料理人のこだわりはそれ以上のようです。料理人生を共にする相棒とまでいう包丁とは、浅草の「かね惣」というお店で偶然にも出会ったそうです。私も浅草辺りで素晴らしく切れるハサミを買いたくなりました。
1966年6月30日に静岡県清水市で起こった強盗殺人事件である袴田事件の静岡地裁での審議を担当した裁判官の視点から、袴田事件を扱った映画「BOX 袴田事件 命とは」を観ました。約45年前の捜査では拷問にも近い苛酷な取調べがあったとされ、さらに科学的な証拠も極めて少なく、さらには一部の証拠は警察の捏造の可能性も指摘されるという多くの問題のあった事件です。そして現在、第二次再審請求中です。
静岡地裁での判決においては3人の裁判官のうち2 人は死刑、1人が無罪と意見が別れたため多数決で死刑とした事を担当裁判官が後に告白しています。映画を観て、刑を決める根拠となる証拠は、あくまで自白ではなく物的な科学的証拠にすべきであると強く感じました。そして拷問ともいえるような取調べを防ぐには、ビデオ撮影による完全可視化が絶対に不可欠です。裁判員制度が始まった今、是非観るべき映画だと思います。なお、袴田巖氏役の新井浩文さんは特に熱演でした。
静岡地裁での判決においては3人の裁判官のうち2 人は死刑、1人が無罪と意見が別れたため多数決で死刑とした事を担当裁判官が後に告白しています。映画を観て、刑を決める根拠となる証拠は、あくまで自白ではなく物的な科学的証拠にすべきであると強く感じました。そして拷問ともいえるような取調べを防ぐには、ビデオ撮影による完全可視化が絶対に不可欠です。裁判員制度が始まった今、是非観るべき映画だと思います。なお、袴田巖氏役の新井浩文さんは特に熱演でした。