SURGERY NOW note

がん治療と外科手術に関する新しい情報や日常診療を通じて感じたことなどを紹介します。

膵臓がんに対する外科治療成績の向上

2024-08-22 | 治療

膵臓がんの外科治療成績は最近かなり改善しました。

私の国がん東時代(1999〜2009年)の膵臓がん切除後の5年生存率は15%前後と極めて不良でした。

東海大学に移った当初の2010〜2015年の膵臓がん連続切除例(n=208)の5年生存率は24%、生存期間中央値は25ヶ月と若干改善したもののやはり不良でした。(生存期間中央値とは、平均生存期間にある程度近い数字です)

しかし、2016年に膵臓がんに対する術後補助化学療法としてS-1(ティーエスワン)が標準治療となってからは治療成績が改善し、2016〜2022年の膵臓がん連続切除例(n=193) の5年生存率は34%、生存期間中央値は33ヶ月と著明に向上しました。



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