膵臓がんの外科治療成績は最近かなり改善しました。
私の国がん東時代(1999〜2009年)の膵臓がん切除後の5年生存率は15%前後と極めて不良でした。
東海大学に移った当初の2010〜2015年の膵臓がん連続切除例(n=208)の5年生存率は24%、生存期間中央値は25ヶ月と若干改善したもののやはり不良でした。(生存期間中央値とは、平均生存期間にある程度近い数字です)
しかし、2016年に膵臓がんに対する術後補助化学療法としてS-1(ティーエスワン)が標準治療となってからは治療成績が改善し、2016〜2022年の膵臓がん連続切除例(n=193) の5年生存率は34%、生存期間中央値は33ヶ月と著明に向上しました。