しゃちくんは野良猫ブログ

30年以上前になりますが自分探しのためにバイクで日本一周。
そして今、会社を畳んで田舎暮らしの準備中です。

冒険心を失う事件2

2009-05-17 07:55:55 | K.O.F.R 骨折入院
 前回の続き

 大月を過ぎ笹子トンネルの温かさにホットしてると甲府市の夜景が見えてきて山間部の凍える寒さから解放された。これが気の緩みにつながったのだが、まだ十分寒いのである。勝沼を過ぎて国道20号はぶどう畑の中を走るバイバスとなり、グングンとペースが上がり制限速度を超えたスピードだったと思う。急にハンドルが軽くなったようなグリップを失っている状態!転倒したくないという思いでハンドルを力いっぱい握って氷の上をやりすごしたかったのに、後輪が流れて転倒。激痛を感じながらかなりすべって、やっと止まっても痛くて起き上がれない!このままでは後続のトラックに轢かれる心配があるので呻き声をあげながらバイクを起こして歩道に避難する。

 痛い、過去最大級の痛みである。とにかく痛みが和らぐのを待つしかない。どこか休める場所に移動したい。バイクはどこも壊れて無さそうだがエンジンがかかるか心配だ。始動はキックのみなのでエンジンは動くのか?キックペダルを踏んでエンジンをかける事は出来るのか?激痛の為、なんか夢の中にいるような感覚がするし、時間を確認する度に20~30分が経過してるので意識も飛び飛びみたいだ。自走で帰るのが無理なら、電車で帰りトラックでバイクを取りに来るかな?意識がもうろうとしてるので時計で時間を確認すると、転倒してからすでに2時間も経過してるではないか!路面の凍結さえ見えないこんな真っ暗な場所にいても、だれも気づいてくれないばかりか「凍死」の恐れもある。

生還への一歩(自力で帰るのを断念)

 思考力が鈍ってしまい客観的にどう見えるか?痛みに慣れたのか感覚が麻痺してるのか、身支度を整えてチョークを引き祈るように激痛の走るキックペダルを踏み込んだら一発でエンジンがかかる。両足は地面をこすりながらの低速でどれくらい走ったのだろうか、光に吸い寄せられるように24時間営業のガソリンスタンドに入り、事情を話し休ませてもらった。バイトのお兄さんが以前にバイクで転倒し肋骨を骨折した経験から救急車を呼んでくれました。

 やはり肋骨が骨折していて背中側が6か所と胸側の2か所はすごい記録みたいで飛び降り自殺者並みだそう。肺は折れた骨が刺さらないで済み、僅かだが空気が漏れて血が溜まっている状態。重傷で入院が必要なので地元の病院で入院を希望して父と兄に迎えに来てもらった。身内は何も知らないので電話をした時はすごく惨めな思いでした。ガソリンスタンドに菓子折りを持ってお礼に行き預けたバイクを向かい側にある黒猫ヤマトの営業所でバイク専門の運送業者を手配してくれ、本人もバイクも江戸川に帰還した。

 2ヶ月後には仕事に復帰して、現在に至るのであるが恥ずかしくて痛い思い出なのです。それでも生命保険に加入してまでバイクに乗るんだからバカですよね!

 自力で帰る事が出来ればリベンジも出来るし、他にも冒険を色々とやっていたはずだが、今ではかなり冒険心が失われているのである。昔の自分を思い出しては原点の自転車で遠くに行っては、冒険心を取り戻そうと必死にもがいてます。

 

 
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冒険心を失う事件

2009-05-16 10:13:07 | K.O.F.R 骨折入院
 さりげなくすごい事をやってのける男には憧れます!
 
 パリ・ダカみたいな海外レースに出たいとかは思わないし、実際問題不可能でしょう?バイクに関わる仕事や生き方をしてない限り、お金はかかるわレース前後の日数も含めると時間も必要だから、テクニックがあったとしても一般人は失業するし自営業は会社をたたむしかない。

 国内ですごい事やってる人は?以前雑誌で読んだけど真冬の北海道でバイクや自転車で稚内を目指す人々のレポート。1度や2度では成功しないそうで読んでるだけで遭難した気分。あとはシェルパ斉藤の東海自然歩道全 1,343kmを全部歩いた、名前は忘れたけど厳冬期の北海道の山を南端から北端まで縦走なんてすごいのもありました。この人たちは本格的な登山家で作家でもあるからこれらのチャレンジを本に書いて飯食えるから別次元。

 そういえばバイクのツーリング雑誌が相次ぐ廃刊となり残念です。まあ素人のツーレポはおもしろいのが少ないし、編集部員の企画ものもマンネリ化、あとは女の娘を使った企画?どこも同じことやってたからねぇ。アウトライダーなんて写真がきれいだったけどどうしたかな?私も日本一周に行く時に読んだ寺崎勉はビーパルでポンコツ軽トラで(ゴキブリ号)旅してるし、加曾利隆は還暦過ぎてもまだスズキのバイクで日本一周をしてるからすごいなあ!

 でもモト・チャンプ誌で見つけてしまいました!町会行事もない厳冬期はバイクや自転車もあまり乗らないし、10年前ならスキー場に通っていた時期に冒険心をあおる過酷なツーリングを毎年行う集団!名前は明かせないが(もうかなり有名だとは思う)土曜の夜、日付の変わる12時にスタートし高速を使わないので排気量も問わない、二輪車で参加するのが条件。新宿~富山間を24時間以内で往復するかなりSMチックな耐久ツーリングと申しましょうか・・・

 5年前の当時はインターネットをやってないので出版社に問い合わせをしたのですが、答えてもらえずに他のバイク雑誌でヒントを見つけて参加にこぎつける事が出来ました。自分のまわりのバイク乗りにも声をかけるけど興味を示してはくれないし「それって無謀じゃない!やめた方がいいぞ」と言われるだけ。  
 
 荷台にコンテナを取り付け、予備のガソリンタンクやオイルや工具を入れた緑色の80ccのバイクでスタート地点に早めに行き、受付を済ませてから参加車輌を見て廻るとバイクなのにスパイクタイヤを履いている?その意味は後で知ることになるのだが2月1日に日付が変わる時報を合図に各車一斉にスタート、夜中の国道20号は渋滞も多くすり抜け大会みたいな感じ。高尾を過ぎると山間部に入るので気温がぐっと下がり、頭上の表示板で氷点下になってるのを知り路面が薄っすら白くなっていたので緊張する。ハンドルカバーは効果抜群だが防寒対策にもっと金をかけるべきだと痛感するくらい、寒さで体の感覚は麻痺してる。

 参加ライダーは各々自分のペースで走ってるのか前後にバイクは走っていないし、夜中の峠越えはとても孤独な気持になるけど、初対面だが同じ条件でみんな今現在も走っていると思うから頑張れるのである。ああ、やっとこのイベントに参加することが出来た!たとえ途中でリタイアしても後日のイベントでこのすごい人達と知り合いになれるのだ!体は凍るほど冷たいのに、心は熱いのです。
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