Paul McCartney - The Long And Winding Road
会社を畳んでからこの業界から遠ざかっていました。
今でも夢の中では父が一人で材木屋を続けていて私を引き戻そうとします。
廃業した翌年にコロナの時代に突入しウッドショックという現象が起きた。
木材価格が高騰しあっという間に2倍に跳ね上がる。
この30年間木材価格は変わらず物価上昇率に見合う価格になったと思う。
これで仲間の経営状態も安定するだろうと考えたが聞こえてくるのは「苦しい!」ばかり。
そこへロシアがウクライナに侵攻しロシア産赤松が輸入停止。
4年ぶりに開催された木材市場の競りに行きました。
沢山の人とおしゃべり。
父親世代の方はこの3年ほどの激動で疲弊しきっていてすっかりお爺さんの顔に。
以前仕入れていた国産材の価格は大きく値崩れして4年前と変わらない価格に戻っている。
この日の目玉商品の紀州材の役物なんて一等材の価格で投げ売りしてます。
価値ある木材は30年前の半値になっていると思います。
来場者は多いが売れてない。
仲間の多くが高値で仕入れた木材価格が下落を続けて逆ザヤを起こしてしまうのではないか?
そんな心配をしてます。
「インボイスの申請した?」と聞かれたが
「今は商売してないし材木屋で年商1000万以下では食えないでしょ?」
経営感覚のない会話です。
滞在時間は1時間ほどでしたが会社を畳んで正解だと実感した。
仕事(需要)も無いのに価格を吊り上げたウッドショックで失敗に終わった木材業界が悲しい。
建材や水道器材等は値上げで息を吹き返したのに流通業者は波に乗れていないみたい。
バブル崩壊後の日本は戦前の「贅沢は敵だ!」の精神で儲けようとしなくなっているが
一文字加えるだけで「贅沢は素敵だ!」となるセンスを失ってしまったのです。