こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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みんなで支えるいのち

2009-10-03 23:05:10 | 訪問看護、緩和ケア
やっと、終わりました。
仕事の合間に、ぼちぼちスライド作ったり原稿作ったりして、結局行き当たりばったりでしたが、以外に笑いを取っておわりました。

聴いて人が飽きないように、結構写真を多くして、パワーポイントも凝ってみました。
最初の小澤先生の講演のあと、瀬谷区役所の高齢福祉課係長のお話、NPOわくわくケアサポートから中野さんのお話し、そして私、次に訪問入浴サービスのかた、最後に東大大学院医学研究家のOさんのお話・・・・と長い時間でしたが、120名以上の参加をを得ることができ、盛況のうちに無事会を終了できました。

在宅緩和ケアについてのシンポジウムは、あちこちでやっていると思いますが、
医師ばかりの集まりだったり、医療系の人対象であったりすることが多く、本当に現場を支えている、訪問入浴事業者の講演まではないと思います。

今回の出席者も、訪問看護ステーションはもちろん、施設系、ヘルパー、ケアマネ、訪問入浴、そして患者さんやそのご家族と、バラエティーに飛んでいました。

なんというか、疼痛コントロールや、医療処置や、臨床心理学といったことばかり、緩和ケアとして取り扱われていますが、本当の在宅緩和ケアというのは、生活が中心であるべきなんです。
じゃあそれを支えているのは、誰なんだということです。

そのために、現場の人たちを、育成する。
意識を高める。
そういう必要があります。

そういう意味では、瀬谷区の在宅緩和ケアは、非常に先駆的なものだと思います。

区内のケアマネや、各サービス事業者、病院の連携室ナースなどなど、顔の見える関係であることは、誇れることだと思います。
そして、在宅医、訪問看護師、ケアマネ、各サービスが、「阿・吽」の呼吸でつながっていく・・・

それは、在宅療養が何かを知っている先生がいてくれるからこそできる技でもあります。

不要な検査はしない。
数値にとらわれない。
患者を振り回さない。

なにより、患者さんがどこで過ごしたいのかを、分かってくれていること。

終末期や、高齢者の在宅療養で、数値にばかりとらわれると、在宅での療養が落ち着かないし、家族も腹をくくれない。

在宅においては、血液データが大事なのか、QOLが大事なのか?
入退院を繰り返させることがどうなのか?

そして、適切な予測指示。
レスキュー。

今日の発表のなかで、遺族調査のアンケート結果がありましたが、ある方は退院時麻薬の処方をされて帰宅したそうです。
そして、往診医をお願いしたところ、その医師に「麻薬は、危険な薬で、体に害があるから、なるべく使わない方がよい」と言われ、その方は最後まで激しい痛みに苦しんで亡くなったという、驚くべき報告がありました。

今後も、草の根的な活動ではありますが、この地域がより安心して最後を迎えられる地域であるよう、情報発信していきたいと思っています。

NPOのわくわくケアサポート中野さんの夢は、一軒家を借りて、そこで誰でも看とりができるようにしたい。と言うことだそうです。
私たちも、そんな場所をいつも探して奔走していますので、ぜひ実現してほしいと思っています。
今後、ますます独居や老老介護、認認介護がふえていきますが、いざという時の、安心できる終の棲家が本当に必要だと思います。