こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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案ずるより、産むがやすし??

2009-10-30 23:35:56 | 訪問看護、緩和ケア
病院から退院する時、これはもう、どう考えても在宅は厳しいと思うことがたまにあります。

それは、病状の問題、医療機器の管理の問題、経済的な問題、なにより介護者の受け入れや、介護力のの問題などによって変わってきます。

どんな重い病状でも、このバランスがよければ、問題なくスムーズに導入ができますが、このバランスが極端に悪い、またはいくつかが欠損していると、かなり難易度が増してくるわけです。

ことに、経済的な問題と、マンパワーの問題は、一サービス事業所ではいかんともできません。

こういう場合は、行政にも入ってもらいます。

病院NSW(医療ソーシャルワーカー)、病棟看護師、医師、ケアマネ、訪問看護師、ヘルパーそして地区の担当ケースワーカーや保健師、さらに地域包括センターなども一斉に首を突き合わせ相談します。

そして、退院準備。
ベットの導入・・とはいえ、なかなかスムーズに入るとは限りません。
狭い、汚い、あまりに不衛生で散乱した室内の場合は、環境を整えることから始まります。

この前は、なんとケースワーカーさんと包括支援の方が、お部屋をきれいに磨いてくれました。
「僕、頑張りました!」と笑顔できっぱり宣言したケースワーカさんに、拍手を送りましたよ。

そして病院とのやり取り。

結局いい加減な退院指導だったりすると、帰ってからが、また大変です。

でも不思議です。

帰宅後の状態がすごく悪くて、家族も介護力がすごく低くて、サービスも思うように入れられなくて、「これはもう、在宅は無理。」と思って入院の方向で再度話し合っていた患者さん。
でも、翌日くらいから意外と落ち着いてきて、1週間後にはなんと、いい笑顔で迎えてくれたりすると、本当にびっくりしてしまいます。

人間って強いですよ。
離解して潰瘍化した創が、消毒もしてなくて、ガーゼもよれてたりしてるのに、周囲から痂皮形成して収縮していたり、あんなに多かった痰がすっかり減って、自力喀出できていたり、熱も平熱に戻っていたり・・・・
IVHも、ちゃんと差し替えができていて、滴下調節もそこそこできている。

すごいな~。頑張ったんですねー。

ここまできたら、なんとかこれからもいけるかもしれないと、感心してしまいましたよ。
そして、あんなにゼロゼロして、しゃべるのも苦しそうだったのに、気管切開の穴をティッシュでふさいで、すごく張りのある普通の声でおしゃべりしてくれて、
もう感動ですよね。

人間は、適応するんですね。どんな状況でも。

今後のことは、どうなるかはわからないけれど、駄目だ駄目だと最初からあきらめないで、とにかくスタートするのも一つの方法だなと、改めて思いました。