こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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重なる時には、重なります。

2009-10-14 22:29:35 | 訪問看護、緩和ケア
9月初めから今まで、10人の患者さんが旅立たれ、あちこちに穴があいたようなスケジュール表が、また埋められようとしています。

訪問看護の御依頼が、ひとつ二つあると、それからは、まるで測ったかのように次々に御依頼の電話が鳴ります。

しかも、ほとんどがケアマネごとと言うもの。

今、専任ケアマネがいっぱいのため、私が受けるか、スタッフにお願いするか、または、連携のよいケアマネさんをお願いするか・・・

ばたばたと、退院調整や、訪問調整をしていきます。

なんで、こうも重なるのか・・・
旅立ちも、始まりも。

押し並べて平均と言う事はないようです。

最近は、新患さんの7割は、終末期の患者さんです。
最初から、多くの問題や、不安や、苦しみを抱えている場合が多く、ひとつひとつのからまった糸をほどくように、訪問が始まるのです。

それでも病状の安定している患者さんの、明るくてなんとも微笑ましい会話などに出会うと、すごくほっとしてしまいます。

昨日、直腸脱嵌頓で、一時ストマ(人工肛門)を付けているおばあちゃんが、入浴後に薬のセットをしている私に向かって「ねえ、ちょっと教えてほしいことがあるんだけど。あなたに聞いておきたいことがあるのよ。」と言いました。
「はい。なんですか?」
「「あのね、この前からわからなくなっちゃったんだけど、『こうもん』っていう字は、漢字でどう書くの?」
なんだか、すごくかわいくないですか?
もう、たまらなくかわいくて、うれしくなっちゃいました。
「紙に書いておいてくれる?」
「いいですよ。」
そして、メモ用紙に大きく「肛門」と書いてお渡ししました。
「あ~。そうそう。これよねー。身体の事は月がつくのよね~」
うれしそうにしばらく眺めていましたよ。
たぶん、今日もあの患者さんのベットサイドテーブルには「肛門」と書いたメモが乗っていると思いますよ。うふふ
帰ってみんなに話すと、スタッフみんなの笑い顔。

こんな些細な事が、うれしくも楽しくあったりするんです。

これからまた、初回訪問やら、契約やら、担当者会議やら、病院との連絡調整やらで、忙しくなりそうです。
でも、楽しいことやうれしいこともいっぱいあります。
前へ前へ、頑張るしかないですよね。