気管切開の患者さんなど、吸引が必要な場合、在宅ではご家族、もしくはご本人が行います。
もちろん看護師もしますが、訪問時しかできないわけで、ご家族、ご本人がやらざるをえません。
で、在宅での吸引と病院での吸引では、やはりちょっと違ってきます。
まず病院では、吸引チューブは一回ずつ使い捨てにします。
が、在宅ではそんな勿体ないことはできません。
病院が負担してくれるのは、入院中だけです。
(お金持ちで、自費で買える方は、何本使ってもよいのですが・・・)
在宅は、1日1本です。(口と鼻が必要なら、それぞれ1本)
そのため、消毒薬(ミルトンなど)を入れた蓋つきコップと、水を入れた蓋つきコップを用意してもらい、さらにアルコール綿も用意します。
吸引したチューブは、外側に付着した痰をアルコール綿でさっと拭き取り、水を少し吸引して、チューブの中の痰を吸い取ります。
そして、ミルトンの中で消毒します。
(まとめて何本かずつ使って、まとめて消毒でもいいんですが・・)
そして、もう一つは手技の問題です。
医療事故などの事例もあってか、看護協会より数年前吸引のマニュアルの中で、手技の改善を指示されました。
以前は吸引する時、効き手で吸引チューブの先を持って、反対の手はチューブの根元を、親指で折り曲げていました。
そして、気管にチューブの先端を入れてから親指を離すと、そこで初めてずるずると吸引が始まるわけです。
でも、この親指をパッと離すことで、急激に陰圧がかかり気管内の粘膜が損傷する恐れがあるということで、現在は親指で折り曲げることなく、吸引をします。
ところが、病院によっては、まだまだ根元を折り曲げて指導するところが多いようです。
今日も、入院中吸引指導を受けてきた患者さんの、吸引手技を見ていたら、自分の親指でチューブの根元を折り曲げていました。
しかも、自分の気管孔にチューブの先端を入れるのに一生懸命で、かなり入ってごほごほと反射が起こっているのに、親指をなかなか離すことができず、やっと離して吸引が始まり、抜いた時にすぐに呼吸が戻らず、チアノーゼが出る状態でした。
これはまずいでしょう・・
御高齢で、体力も弱っているので、両方に意識を向けるのは難しく、また吸引時間の延長にもなるので、親指で根元を押ええるのは、やめてもらいました。
意外と在宅で常識の事が、病院では浸透していないことも多いんです。
スクイージングもその一つです。
排痰をして、呼吸の補助を行う手技なのですが、昔はタッピングと言う方法をよく行っていました。
タッピングと言うのは、手のひらをカップのようにして、痰の貯留している患者さんの胸をパコパコ叩きながら、排痰を促す方法でした。
昔は、よく病棟にこの音が響き渡っていました。
でも、今はしません。
胸を叩くことで不整脈を誘発したり、逆に排痰を阻害すると言われています。
で、スクイージングをします。
静かに、呼吸筋の動きに合わせて、ゆっくり胸を押していきます。
痰が絡んでいるときは、スプリンギングと言って、押した最後にパっと手を離して陰圧かけたりもします。
スクイージングは、実際やってもらうと、私達でも気持ちがいいものです。
(呼吸療法の第一人者 宮川哲夫先生に実際に押してもらった時は感動しました。
本当に神の手って感じでした。)
数年前、私の母が亡くなる前呼吸器では、わりと有名な病院に入院中の母が、ケアの時にパコパコタッピングをされていて、びっくりしたことがあります。
母は、心不全もあったので、やめてほしいと思いつつ、言えずに見ていた私もばかですが。。。
そんな事もあって、病院のやり方と食い違い、在宅介護が始まる時に、混乱のもとになってしまうことも時にあります。
でもまあ、それぞれのスタンスで、患者さんに一番負担のない形でセッティングしてあげたいなと、思っています。
もちろん看護師もしますが、訪問時しかできないわけで、ご家族、ご本人がやらざるをえません。
で、在宅での吸引と病院での吸引では、やはりちょっと違ってきます。
まず病院では、吸引チューブは一回ずつ使い捨てにします。
が、在宅ではそんな勿体ないことはできません。
病院が負担してくれるのは、入院中だけです。
(お金持ちで、自費で買える方は、何本使ってもよいのですが・・・)
在宅は、1日1本です。(口と鼻が必要なら、それぞれ1本)
そのため、消毒薬(ミルトンなど)を入れた蓋つきコップと、水を入れた蓋つきコップを用意してもらい、さらにアルコール綿も用意します。
吸引したチューブは、外側に付着した痰をアルコール綿でさっと拭き取り、水を少し吸引して、チューブの中の痰を吸い取ります。
そして、ミルトンの中で消毒します。
(まとめて何本かずつ使って、まとめて消毒でもいいんですが・・)
そして、もう一つは手技の問題です。
医療事故などの事例もあってか、看護協会より数年前吸引のマニュアルの中で、手技の改善を指示されました。
以前は吸引する時、効き手で吸引チューブの先を持って、反対の手はチューブの根元を、親指で折り曲げていました。
そして、気管にチューブの先端を入れてから親指を離すと、そこで初めてずるずると吸引が始まるわけです。
でも、この親指をパッと離すことで、急激に陰圧がかかり気管内の粘膜が損傷する恐れがあるということで、現在は親指で折り曲げることなく、吸引をします。
ところが、病院によっては、まだまだ根元を折り曲げて指導するところが多いようです。
今日も、入院中吸引指導を受けてきた患者さんの、吸引手技を見ていたら、自分の親指でチューブの根元を折り曲げていました。
しかも、自分の気管孔にチューブの先端を入れるのに一生懸命で、かなり入ってごほごほと反射が起こっているのに、親指をなかなか離すことができず、やっと離して吸引が始まり、抜いた時にすぐに呼吸が戻らず、チアノーゼが出る状態でした。
これはまずいでしょう・・
御高齢で、体力も弱っているので、両方に意識を向けるのは難しく、また吸引時間の延長にもなるので、親指で根元を押ええるのは、やめてもらいました。
意外と在宅で常識の事が、病院では浸透していないことも多いんです。
スクイージングもその一つです。
排痰をして、呼吸の補助を行う手技なのですが、昔はタッピングと言う方法をよく行っていました。
タッピングと言うのは、手のひらをカップのようにして、痰の貯留している患者さんの胸をパコパコ叩きながら、排痰を促す方法でした。
昔は、よく病棟にこの音が響き渡っていました。
でも、今はしません。
胸を叩くことで不整脈を誘発したり、逆に排痰を阻害すると言われています。
で、スクイージングをします。
静かに、呼吸筋の動きに合わせて、ゆっくり胸を押していきます。
痰が絡んでいるときは、スプリンギングと言って、押した最後にパっと手を離して陰圧かけたりもします。
スクイージングは、実際やってもらうと、私達でも気持ちがいいものです。
(呼吸療法の第一人者 宮川哲夫先生に実際に押してもらった時は感動しました。
本当に神の手って感じでした。)
数年前、私の母が亡くなる前呼吸器では、わりと有名な病院に入院中の母が、ケアの時にパコパコタッピングをされていて、びっくりしたことがあります。
母は、心不全もあったので、やめてほしいと思いつつ、言えずに見ていた私もばかですが。。。
そんな事もあって、病院のやり方と食い違い、在宅介護が始まる時に、混乱のもとになってしまうことも時にあります。
でもまあ、それぞれのスタンスで、患者さんに一番負担のない形でセッティングしてあげたいなと、思っています。