こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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頚損の排泄援助について・・・

2010-10-12 22:48:40 | 訪問看護、緩和ケア
頚損の排泄援助が、とても重要なことは言うまでもないのですが、最近は管理方法がだいぶ変わってきたようで、困惑することも多いです。

昔から、排尿はトリガーポイントを手でポンポンと叩いて、反射で尿が出始めると、拳で膀胱をぐっと圧迫して、最後まで絞り出していました。
それでも出にくくなると、男性の場合など括約筋の切除をしたりしていました。

自分で可能な人は、自己導尿ももちろんしますが、上位頚損の場合は叩打圧迫が一般的だったような気がします。

でも、最近はこれをやると腎臓に逆流して水腎症になったり、ひいては腎機能の低下をきたすということで、膀胱瘻に移行していくことが多いという話を聴きました。

確かに、たっぷりたまった膀胱を叩けば逆流するのは当たり前ですよね・・。

でも、ある適度の年齢の方は、いまだにみなさんポンポン叩いて、ぎゅーっと圧迫しています。
じゃあ、今のリハビリ病院はどうやってみんな管理しているんでしょうね・・・?

いきなり膀胱瘻ってわけじゃsないと思うのですが・・・。

私も以前、頚損の患者さんで自律神経化反射が強い人は、膀胱瘻が適応とセミナーで聞きました。

当時、私は頸椎後縦靭帯骨化症で寝たきりの患者さんを持っており、膀胱に尿がたまると血圧が一気に200とか220とかまで上がり、尿が出ると80とか90くらいまで下がるので、そのデーターを取って、主治医に持って行ってもらいました。
このままでは、脳梗塞を起こすのではないかと心配で、何回か報告書にも書きましたが、あまり取り合ってもらえませんでした。
そのうち一過性の脳梗塞を起こし、次に肺梗塞を起こしました。
何とか奇跡的に帰宅したものの、バルン留置の長いその方は、尿路感染を繰り返し、膀胱洗浄しても頻繁に詰まるようになり、やっと膀胱瘻になりました。

でも、仰臥位で寝たきりの状態だったので、やはり排尿はスムーズにはいかず、血圧はずっと変動していました。
最終的に、大きな脳梗塞を発症して、それが原因で半年後に亡くなりました。

じゃあどうすればいいんでしょう??

頚損のかたは、排尿と排便は微妙にリンクしていて、尿が出にくいと便も出にくくなったり、排尿に問題があると、痙性が強く出て便の下降が悪くなったりします。

水分も同じ量を摂取しても、尿が濃いと便が緩いし、その逆もあります。(当たり前の話ですが、バランスとるのが難しいのですよ・・)

そして、やはり加齢とともにその障害は顕著になってきます。

排便も、浣腸摘便を長年行うためか、脱肛やポリープができたり、腸の動きも悪くなってガスの貯留がひどく、おなかがパンパンに膨らんで、食事もとれないことがあります。

脊損の排便コントロールは、緩下剤などを使いながら、だいたい週に2~3回のペースで出すことが多いです。
訪問看護が入っている場合は、決まった曜日に週2くらいで入ります。

ご家族が一日かけてやっている場合もありますが、訪問看護は日時を決めなければ、コントロールは難しいのが現実です。

頚損の患者さんは、うちの場合長い人で15年お付き合いしています。

私たちとともに年を取り、やっぱりあちこち調子が悪くなってきます。

排泄・・・。
これがうまくいかないと、外にも出れなくなります。

何かこう、もっと画期的な排泄コントロール法ってないものなんでしょうか・・?
いい情報、あったら教えてください!