こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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お国訛りと担当看護師

2010-12-12 23:20:09 | 訪問看護、緩和ケア
うちは、横浜にある訪問看護ステーションですが、言うまでもなく患者さんもスタッフも出身地はあちこちです。

特にご高齢の患者さんやご家族は、故郷に特別の思いを持っていることが多いですね。

初回訪問の時に、ご出身を聴いて初めて故郷のわかる方から、最初の一言で東北の方とか関西の方とかわかることもよくあります。

東北と言っても、私にはあまり違いは分からないのですが、それぞれの地域で全然違うのだそうですね。

何十年こちらに住んでいても、全然訛りが抜けない方も多くて、うちにも茨城弁が抜けないスタッフがいます。
本人は、全く標準語をしゃべっているつもりですが、いやいやイントネーションが全く違います。

一家で青森弁の患者さんと、病院で初めて会った時には、上京して介護されている長女さんの言葉に聞きほれてしまいました。

もちろんこちらに在住のご両親も青森弁でした。

私は、なるべく同じ郷里の人に担当看護師をお願いしています。

でも、今現在青森県人はいないので、青森と言っても秋田よりと聞いたので、秋田県の大館出身者に担当をお願いしました。もちろん患者さんは、大喜びしてくれました。

だいぶ以前、東北弁バリバリの患者さんの奥さんがいました。
彼女は、いろんなサービスを受けいれずに、一人で末期の夫を抱えており、時に攻撃的な言葉も聞かれる方でしたが、前任の管理者(秋田出身)が東北弁で話しかけたところ、急に受け入れがよくなって驚いたことがあります。
この時の奥さんの言い分は「東北人に悪い人はいない!」と言うものでした。
一度、私も前管理者と一緒に訪問しましたが、会話についていけるはずもなく・・・。
「東北人でなければだめだ!」と言われてしまいました。

うちには福島県人もいるので、その時は秋田県人の管理者と福島県人のSナースで、最後までお看取りをしました。

これは極端な例ですが、やはり同郷のよしみっていうのはあるようです。

九州では福岡県人がいます。
やはり以前、福岡から娘さんの家にひきとられ、あまりご家族に心の内を言えない方がいらっしゃいましたが、彼女が訪問の時は、福岡弁で本音をポロリと言う事も多かったそうです。

他には広島、静岡、新潟、京都(舞鶴方面)、そのほかはこの近辺の人になりますね。

全く同じ県ではないにしても、近い場所だったりすると、すごく話も弾むみたいです。
私は、この辺の人間なので、そういう故郷を持っている人がすごくうらやましいです。

岩手弁のおばあちゃんのところに行って、何か言われているのだけれど、全然聞きとれないこともあって、申し訳ない思いでした。
この方の場合、娘さんも「方言きつくて、私にもわからないことがある。」とのことで、何度か聞き直したりして許してもらっています。

めぐみ在宅クリニックのO先生は、山形県でしばらく働いていたことがあり、僻地医療もされていたそうで、奥様は山形県人です。
そのためか、東北弁を聴くとなぜかハイテンション気味となり、山形弁で話しかけています。

「大嶽さん!末っ子の事を東北弁でバチッコと言うんですよ。知っていますか?」などと、往診中も時々振り返って教えてくれますが、全部が全部そうなのかは知る由もありません・・。

そういえば、青森県人でも津軽弁はわからないそうですね。
子供の頃、青函連絡船に乗ったことがあって(年がわかりますね・・・)その時意味不明な日本語が飛び交っていたのを思い出します。
そしてたった今、私が船酔いをして、船のトイレでゲロゲロしていた時に、「これを飲めば楽になる」みたいなことを言って、「護符」と書かれた紙に入った赤い粉末をくれた事を思い出しました。
なんだかすごくあったかい、遠い遠い記憶の一コマですね。
そういえば看護学校の時、鹿児島の奥のほうの友人が、郷里に電話をかけているのを聴いたとき、全く意味が分からなかったのも思いだしました。
おそるべし、お国ことば。

そんなわけで、故郷の匂いを運んで行けるのも、訪問看護の良さなのかもしれませんね。

それにしても、私は語尾に「じゃん」を付ける程度の方言しかありません。
もう少し、他の地域の言葉がしゃべれるといいのになぁ・・。