こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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たらいまわし?

2010-12-20 22:59:28 | 訪問看護、緩和ケア
今日、突然連携先のクリニックから電話が・・。

1年前に訪問していて、病状の悪化から入院し、その後施設入所されたはずの患者さんが、昨日突然帰ってきたという話でした。


1年前の時点で、廃用症候群が進行し、さらに夏場の脱水などが進み、著しい衰弱がみられての入院だったはず・・・。
あれから1年以上、ご存命だったことにもびっくり。

聴けば、すでに血圧も下がっており、呼吸状態も不安定だとか・・。
それなのになんで今在宅に戻られたのか・・?

たまたま当時の担当ナースが、すぐに訪問することができたため緊急に訪問してくれました。

そこで聞いたこと。

病院から老健へ、再度病院に入院して、そこから新しくできたばかりの老健に入所されていたそうです。

まだ新しくて、スタッフもそろっていなかったのか、褥瘡ができたり手や足はあざだらけで、対応もちょっと…と言う感じだったそうです。
それでも、「まだまだちゃんと看れますから、入所していていいですよ。」と言う話だったそうですが、ここへきて急激に衰弱され「看取り」目前となったとたんに「看取りなんてできません。早く迎えに来てください!」といわれて、昨日連れて帰ってきたのだそうです。

在宅医は、何度か相談を受けて、その老健に足を運んだりしてたそうで、状況もわかっておりすぐに往診を開始し、訪問看護の連絡も即いただけました。

でも・・。

なんだかすっきりしないですよね。

以前ほかの老健でも、ショート中に騒いだからと言って「30分以内にむかえにきてくださ!」と怒りの電話を家族にして、強引に引き取りを要求した施設がありましたが、在宅での介護を分かっていれば『即刻退所』なんて言葉は出ないと思うのですが・・・。

私の縁戚のおばあさんが入所していた老健も「うちは何年でもいていいんですよ~。最後までいられますよ~。」と言う話だったのに、2回目に入院した時には「入退院されるんだったら、うちは無理です。入院中に次の施設を探して退所してください!」と言われてしまい、現在は療養型の病院で特養の入所待ちしています。

確かにベットを開けておくのは経営上問題だと思いますが、全くベット代を取っていないわけじゃないと思いますし、老健はもともと医療的なケアの必要な方が多いわけで、入退院の2回や3回は
当たり前なんじゃないかと・・。

そんなわけですから、老健→病院→違う老健→違う病院→違う施設・・なんていう「たらいまわし」は、結構あるようですね。

本当にご家族も大変です。

結局今回は日の単位のご病状との判断で、ご家族で看ようと言う事になったようです。

老健の定義が昔とは変わってきていますよね。
3か月から半年、在宅復帰のためのリハビリや中間施設としての老健だったはずですが、今や全室ユニットで利益優先の有料老人ホームみたいになってきています。

たらいまわしは、病院だけじゃないってことですね。