こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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理不尽ないろいろ

2011-09-01 23:56:36 | 訪問看護、緩和ケア
今月は、何しろいろいろなことがあって、かなりお疲れモードになってしまいました。
自分でもいろんなことをやっていて、ただでさえ時間が足りないのに、お仕事はお仕事で次から次に難題がおしよせてきます。

身体抑制お断りの施設の事も困ったものですが、深刻なのは神経難病の受け入れ先がないと言う事です。

これも変な話で、病状がすすんで介護が大変になればなるほど受け入れ先が無くなっていきます。

それまでは、「何かあればちゃんと受け入れますよ。」と言っていたはずのかかりつけ病院が「満床です。ここでの入院は難しい。死亡確認ならできます。」と言う事になってしまいます。病院の事情もあるのだろうけれど、やっぱり納得できません。

DNRを想定する前に、生きれる道がまだあるはずです。
本人は生きていたいんです。だから、助けてほしいのに・・。

たしかに、基本DNRではありますが、繰り返す発熱や著しい嚥下機能低下、それに伴う痰がらみを何とかしたいのです。
空腹でいることの苦しさ、食べたくて、食べたくて、飢餓状態の苦しさのなかにいます。
サボっているわけでも怠けているわけでもないのに、進行していく病気であることは、主治医が一番知っているはずなのに、何故わかってくれないのか・・・。
もっと頑張って食べる努力をしろとか、動かないからどんどん悪くなるんだとか、吸引は嚥下機能が悪くなるからやめなさい。とか・・どうしてそうなるのかわかりません。
振るえる指先で、やっと文字盤に記した文字は「コ・ワ・イ」でした。
担当の看護師たちは、悔し涙を流しています。

神経難病も受け入れてくれる障害者施設はとても少なくて、いつも満杯で入所を待つ人たちでいっぱいです。
ショートステイも、何か月も前から予約をしなければとれません。
本来あるはずの緊急ショートの枠は、実際には無いも同然です。

レスパイト入院でさえ、今の状態でのベット確保は困難を極めます。
(レスパイトでちゃんとみてもらえない可能性のある病院にはお願いできませんし・・)

摂食が困難になり、誤飲必須の状態での入所はかなりハードルが高く、ましてや食事介助が1時間もかかっては、とてもいれてはもらえません。
家での食事介助や吸引は、このご家庭では限界となり、胃瘻の方向となりましたが、すでに数日ほとんど食べていないのに、外来点滴で帰されてしまいます。

悔しいです。
早く何とかしないと、間に合わない!!
手ぐすね引いて衰弱していくのを待っているくらいなら、やれるだけのことをやります!

最後の手段、強行突破を試みます。

今日その打ち合わせに、あちこち連絡を取りました。根まわしってやつです。

ちょっと作戦を変えてみます。
力強い協力者を得ましたし。絶対、助ける!


・・って。

何で私ってこう、いろんな揉め事しょい込んじゃうんだろうかと、思わないではありません。
でも、黙ってみて見ぬふりなんて出来るわけないじゃないですか。

相手が誰でも、やっぱり患者さんの傍にいる人間でありたいです。


ところで、今日は夕方から瀬谷区・西部病院との訪問看護連絡会がありました。
今年度セミナーに向けての、事例検討などをやりましたが、それぞれ持ち寄った困難事例は、みなとんでもないものばかりでした。
いや~、みんな(ほかの管理者)苦労しているんだなぁ。と思いましたよ・・。

ちなみに、もうひとつの神経難病の患者さんで、やはり受け入れ先が無くここ数か月ケアマネが悪戦苦闘していた患者さんの療養型病院への入院がやっときまりました。
この方も、本当に大変な状況でしたが、あきらめなければ何とかなるんだとわかりました。

とにかく、明日も一日全力投球するだけです。