こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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美味しいミニ勉強会

2011-09-16 23:31:54 | 訪問看護、緩和ケア
ステーション内で行う勉強会。
伝達講習だったり、外から講師をお招きしたり、各ステーションでもそれぞれ工夫されていると思います。

でも、もっと短時間で、しかも準備も何もいらず、サンプルやら資料やらもついたお勉強会があります。

今日もその手のお勉強会がありました。

今日は、「マルホ」の方による「褥瘡」の勉強会です。

勉強会と言っても、製薬会社によるものですから、その会社の商品紹介を兼ねたものになります。
PPを使った約15分ほどの勉強会は、簡単な褥瘡の概要と商品の使い方です。
ですから、こういう勉強会は月例カンファレンスと合わせて行えるので、スタッフも一石二鳥となるのです。

今日は、主にヨードコートをはじめとするマルホの製品の特長や、適切な使用方法、使用時期を聞くことが出来ました。

うちのケースでは、褥瘡に関しては不良肉芽を除去して、赤色肉芽に覆われるまでユーパスタを使用することが多いのですが、一時ヨードコートを使ってみたこともありました。
ユーパスタは、コーワから出ている商品で、イソジンに白糖を混ぜたもので、昔は病棟で研修医とかがコネコネして作っていたものを商品化したものです。(このため、昔看護師休憩室から砂糖が無くなった時期がありました。すごーい昔ですが・・)

ヨードコートは、やはりヨウ素を主成分としたものですが、これが創からでる浸出液でゲル化するというものです。
ゲル化したヨウ素に覆われた部分がウェットに保たれ、治癒を促進するするということで、喜んで使ったところ、患者さんから「痛い」という言葉が聴かれました。
さらに、創部を洗浄しようとすると、ゲル化したものがこびりついてなかなか創がきれいにならないことがわかりました。さらに、どうも創がドライになるような気もしました。
そこで、そのことを担当者にぶつけてみました。

一つは、ヨードコートの場合は浸出液の多い傷が適応であるとのこと。
また、浸出液が減った段階で、次の段階の軟膏へ移行しなければいけないということ。
ゲルがこびりつくのは浸出液が少ないからで、そういう場合はマルホでいえばアクトシンなどに変える必要があるとのことでした。

なるほど・・。
するとかなり適応範囲は少なくなるのかな・・
でも、すごく浸出液が多い深い褥瘡などには効果的かもしれないな・・と納得。

主治医によって、使う薬はかなり違いますから、こういう形で業者さんから細かい注意点をお聞きするのは、必要なことだと思います。

ほかにも、ブロメライン(たんぱく分解酵素でパイナップルに含まれる酵素と同じです。不良肉芽を溶かします。)の使用期間もききましたが、最近はあまり使用することは無くなっています。
どちらかというと、デブリせずに保存的に融解させていくことが少ないためだとおもいます。

そんな感じで、短い中でも普段の疑問も解決することが出来ます。

ちなみに、業者さんなのでそちらの商品のサンプルも頂けるので、それも嬉しかったりします。
今日のサンプルの中に、ヒルロイドクリームが入っていました。
これも、保湿剤としてよく処方されるものですが、このチューブには「血行促進」と書いてありますが、その効果はどれくらい?とお聞きしましたが、明確なデーターは持ち合わせていないとのことで、ちっと困らせてしまいました。

でも、試しにヒルロイドクリームを0.5g(チューブのクリームなら人差し指の先から第一関節まで伸ばした量で、およそ手の面積2枚分に塗れる。)手によーく刷り込んでいたら、しばらくして手がポカポカと温かくなってきたので、確かに効果はあるようです。

今まであまり信用していませんでしたが、これからの季節、ASOの患者さんなどに、足浴の後たっぷり塗ってマッサージをすると、かなり効果的かもしれません。

そして、終われば全部自分で撤収してあっという間に去っていく・・というミニ勉強会もいいとおもいます。

ちなみに、サンプルやら何やらは、会社によって全然違いますし、エアマットの勉強会でサンプルは無理なので、あたりまえですが、それを目的にはできません。

ちょっと前までは、こういう医薬品の紹介は医師が対象でしたが、最近は訪問看護ステーションにも広げていて、いろんな業者さんから「勉強会をしませんか?」と持ちかけられます。
時間的にもちょうどいいので、うちのステーションではよくお願いしています。

こういう勉強会や、新製品の評価などの依頼は、どんどん受けて手持ちの駒を増やしていくのも楽しいですね。
どこかで、患者さんに還元できるように、たくさんの情報を持っていたいと思います。