こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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類天疱瘡

2011-09-14 23:13:01 | 訪問看護、緩和ケア
お年寄りの皮膚疾患で、よく見られる病気です。

身体中のあちこちに水泡が出来ては破れ、治ったと思うと違うところに水泡が出来ます。
しかもかなり痒いのだそうです。

ひどくなると、小さい水泡も大きい水泡も、いっしょくたになって、大きな水泡になり破けます。
すると、水泡の中の水があふれて布団までびちゃびちゃになることもあります。
破れた後は糜爛しますが、感染をおこせば、さらに面倒なことになります。

ですから、私たちもお年寄りの身体に水泡を発見すると、ちょっとハラハラしてしまいます。

大きくなったり広がるようなら、早めに皮膚科の先生に診て頂く必要があります。
これは皮膚所見と血液検査でわかりますが、結果が出るまではとにかく感染を起こさないように処置だけは先行します。

以前全身に巨大な水泡を次々と形成する患者さんがいて、その処置だけで2時間近くかかっていました。

糜爛した皮膚が清潔に保たれるよう、入浴できない日は洗浄して軟膏を塗ったガーゼで覆っていきます。
破泡した水をを吸収して乾燥させてくれる軟膏を、ペタペタ全身に貼っていくので、ガーゼ代もバカにできません。
滅菌ガーゼの必要はないので、薬局でクルクルまいたガーゼを買ってきて、鋏で切りながら使っていくのが経済的なようです。
そして、ステロイドの内服も必要です。

軽い人は、限局して短期間に収束してしまう方もいますが、たいがいはしばらく洗浄軟膏処置が続くことになります。

ただ、自己免疫疾患で難病指定の「天疱瘡」と違い、ちゃんと治療をすれば治ります。

先日、重度の感染性の皮膚疾患を患った患者さんの背中に、今度は水泡が出始めました。
とても痒いようで、せっかくきれいになった体を、モゾモゾさせながら痒がっています。

あらら・・、
今度は類天疱瘡???
いやぁ、前の病気が治ったばかりで、ステロイド使うのどんなものだろうか・・。

でも、苦痛を訴えられない分、辛いのだと思います。ずっと体をくねらせていてかわいそうです。
なんで、こんなにお年寄りの多いのか、やはり免疫力の低下などによるものでしょうか?

血液検査を待つ間は、また全身の処置が始まります。

最初は小さな水泡から始まることもあり、もしそれが増えていくようなら、早めの皮膚科受診が必要です。
介護中の皆様、こんな水泡にご注意くださいね。