こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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気持ちはコロコロ変わるもの。

2011-09-22 23:55:11 | 訪問看護、緩和ケア
人の気持ちは、案外コロコロ変わるものです。
そんなことは、この仕事でなくても常識と言えば常識ですが・・。

でも、私たちの仕事は、常に「患者さんの気持ちに添う、患者さんの意思を尊重する。」のが当たり前。

訪問の度に患者さんの声に耳を傾け、今何が一番の不安は何か、苦痛はないのかをキャッチしようとしています。

それゆえ、時として患者さんの移ろう気持ちを、ストレートに受け止めすぎて、うまくいかなくなることがあります。

だいたい、人の心なんてわかるはずはないのですが、「もう、生きているのは辛いから、抗がん剤をやめてほしいんです。」「一人でいるのがとてもさみしいし、とても辛い。早く入院させてほしいです。」などと訪問の度に言われると、これはなんとかしてあげたいと思ってしまいます。

ですから、とりあえず、連携室ナースには、そういう言葉があることはお伝えしたりします。

でも、本当に入院させてほしいのかといえば、受診時にはそんな言葉は一切出さずに帰ってきてしまい、翌日訪問すると「病院は入院させてくれません。」などと言う言葉を聞いたりします。

どっちなのかわからないので、「ちゃんとご自分の言葉で、入院したいという意思を先生にお伝えしてくださいね」と話し、同行するヘルパーにもそのきっかけを作ってあげてくださいね。とお願いしたりします。

結局次の時には「僕は入院したくありません。できる限り家にいたいのです。」ときっぱり言われたりします。

私たちに言う事と、病院の外来で言う事が、全く逆になってしまう・・
そういう事が、意外に少なくないので、橋渡し役の私たちとしても、この見極めがなかなか難しいのです。

こんなことをしていて、いろんな根まわしが徒労に終わってしまうと、かなりがっくりも来ますが、これはどうしようもないことなのでしょうね。

特に、入院や治療法に関して、気持ちが揺れるのは致し方がないことですし、表現の仕方は人それぞれですから、こんなことで愚痴るのは、医療者としては落第なのかもしれません。

なるべく、ご本人のキャラクターを見極め、真意を探ることはもちろんですが、私たちが代弁するのではなく、ご本人の口から話してもらえるようにするしかないですね。

でも・・
逆にほんとうに私たちが橋渡しをしなければ、本意を病院側に伝えられない人もいます。

人が相手のお仕事です。

気持ちに添う事が大切な仕事ですが、コロコロ変わる気持ちに添うのも、なかなか骨が折れる仕事です。