一時の潮の引いた後のような静けさが、最近は一変して皆忙しく動き回っています。
今週からは、Y看護学校の実習生が2週間きてますし、今日は謎の「在宅ターミナルケア1日実習」の学生さんが来たので、朝のステ―ションはかなり混雑気味ですが、それはそれで活気があっていいもんですよ。
電話も多いし、込み入った調整が必要だったり、病状変化のある患者さんのことで、かなり忙しくなっています。
そんななか、先月までに亡くなられた患者さんのご家族が、ご挨拶に来て下さることが時々あり、本当にありがたいなと思います。
昨日も今日も「本当にお世話になりました。皆さんのおかげで無事送ることが出来ました。」と、使いきれなかった紙おむつやいろいろな介護用品を持ってきてくださいます。
今日は、先月初めに病院で亡くなられたYさんのお奥様が、ご挨拶に来てくれました。
普通私たちは、患者さんが亡くなられると、時間をおいて落ち着かれたころ、お線香をあげさせていただきに伺います。
でも、Yさんの奥さんは、「どうしても早くごあいさつしたくて」と、お菓子を3箱も持ってきてくれました。
あわてて「そんな、そんな」という私に「あの、大丈夫ですよ。ちゃんと歯を磨けばいいんですよ。」って言いながら、紙袋を渡すのです。
歯を磨く??
そう、Yさんの奥さんは、いつもとっても天然なんです。
それがかわいらしくて、いつも一生懸命なのにどこかずれていたり、勘違いが多かったりで、スタッフも私も、随分時間をかけてお話をしたものです。
でも、そういう時間をとっても感謝してくれていて、「皆さんが助けてくださなかったら、2年も頑張れませんでした。だから、少しでも早くお礼が言いたかったんです。」そんな言葉をくださいました。
でも、歯磨きの意味は、何だったんでしょう??
お菓子を食べると虫歯になるから??
でも、Yさんのお気持ち有りがたくいただきました。
ただ、奥さんは何度も涙を拭きながら「泣いてごめんなさい。すぐに涙が出てしまって。本当に泣いてばかりでごめんなさい。泣いてばかりだからうちにまだ来てもらえないんです。」と言うのです。
「なんで?泣いていいんですよ。今は、思いいきり泣いた方がいいと思いますよ。」というと、
こんな答えが返ってきました。
「息子が、泣くなと言うんです。お母さんが寂しい顔をしているのを見たくないって。娘も泣いているお母さんは、合いたくないって。泣かないでほしいって。」
う~ん。
何でそんなことを言ってしまうんだろうか・・。
「Yさん。今寂しくて悲しいのは当たり前のことですよ。思いっきり気が済むまで泣いて泣いて、
思い出すたび泣いて、我慢しないで泣いていいんですよ。
今、その気持ちを押し込んで泣かないようにすることは、無理やり自分の気持ちを押し殺すことになっちゃいます。
その方が、ずっと引きずってしまう事になります。
いっぱい泣いて、いろんなこと思い出して、少しずつ少しずつ、涙が浄化してくれます。」
「ああ、ごめんなさい。私泣き虫で・・。お父さん酒飲みですごく大変な人だったのに、もう淋しくてすぐ泣くから子供たちに叱られるんです。」
「Yさん、もし今度泣くなって言われたら、こう言ってください。
今日、看護師さんに言われたのよ。泣くのを我慢すると、身体ににも心にも悪いから、泣きたいだけ泣いた方がいいって。だからお母さんは好きなだけ泣くから放っといて。って。」
頷きながら涙をふくYさんの奥様。
大丈夫かなぁ・・。
ちゃんと泣けるかなぁ・・。
そんな思いでお見送りをしました。
むかーし「泣かないで」って言う歌があったけど、時と場合でしょう。
最愛のご家族を失って、泣けないことはあっても、泣いてはいけない事はないはずです。
人は、ひどく悲しかったり辛かったりすると、これを無かったかのように気持ちの奥底に押し込めてしまう事があるんです。
これは、人の心理的防衛機制の一つです。
でも、これはずっと心の無意識の領域にくすぶっているわけで、どこかでこの抑圧されたものが押し出されることがあります。
そして、人は心を病んだりもするのです。
死という永遠の別れに涙することは、残された人間が明日を生きるために必要なことだと思います。
子どもさんたちには、出来れば一緒に泣くか、泣いているお母さんの傍で、そっと寄り添っていてあげてほしかった。
大丈夫かなぁ・・。Yさん。
でも、あとで必ずお宅に伺います。
その時にまた、たくさんお話しをしましょう。
今週からは、Y看護学校の実習生が2週間きてますし、今日は謎の「在宅ターミナルケア1日実習」の学生さんが来たので、朝のステ―ションはかなり混雑気味ですが、それはそれで活気があっていいもんですよ。
電話も多いし、込み入った調整が必要だったり、病状変化のある患者さんのことで、かなり忙しくなっています。
そんななか、先月までに亡くなられた患者さんのご家族が、ご挨拶に来て下さることが時々あり、本当にありがたいなと思います。
昨日も今日も「本当にお世話になりました。皆さんのおかげで無事送ることが出来ました。」と、使いきれなかった紙おむつやいろいろな介護用品を持ってきてくださいます。
今日は、先月初めに病院で亡くなられたYさんのお奥様が、ご挨拶に来てくれました。
普通私たちは、患者さんが亡くなられると、時間をおいて落ち着かれたころ、お線香をあげさせていただきに伺います。
でも、Yさんの奥さんは、「どうしても早くごあいさつしたくて」と、お菓子を3箱も持ってきてくれました。
あわてて「そんな、そんな」という私に「あの、大丈夫ですよ。ちゃんと歯を磨けばいいんですよ。」って言いながら、紙袋を渡すのです。
歯を磨く??
そう、Yさんの奥さんは、いつもとっても天然なんです。
それがかわいらしくて、いつも一生懸命なのにどこかずれていたり、勘違いが多かったりで、スタッフも私も、随分時間をかけてお話をしたものです。
でも、そういう時間をとっても感謝してくれていて、「皆さんが助けてくださなかったら、2年も頑張れませんでした。だから、少しでも早くお礼が言いたかったんです。」そんな言葉をくださいました。
でも、歯磨きの意味は、何だったんでしょう??
お菓子を食べると虫歯になるから??
でも、Yさんのお気持ち有りがたくいただきました。
ただ、奥さんは何度も涙を拭きながら「泣いてごめんなさい。すぐに涙が出てしまって。本当に泣いてばかりでごめんなさい。泣いてばかりだからうちにまだ来てもらえないんです。」と言うのです。
「なんで?泣いていいんですよ。今は、思いいきり泣いた方がいいと思いますよ。」というと、
こんな答えが返ってきました。
「息子が、泣くなと言うんです。お母さんが寂しい顔をしているのを見たくないって。娘も泣いているお母さんは、合いたくないって。泣かないでほしいって。」
う~ん。
何でそんなことを言ってしまうんだろうか・・。
「Yさん。今寂しくて悲しいのは当たり前のことですよ。思いっきり気が済むまで泣いて泣いて、
思い出すたび泣いて、我慢しないで泣いていいんですよ。
今、その気持ちを押し込んで泣かないようにすることは、無理やり自分の気持ちを押し殺すことになっちゃいます。
その方が、ずっと引きずってしまう事になります。
いっぱい泣いて、いろんなこと思い出して、少しずつ少しずつ、涙が浄化してくれます。」
「ああ、ごめんなさい。私泣き虫で・・。お父さん酒飲みですごく大変な人だったのに、もう淋しくてすぐ泣くから子供たちに叱られるんです。」
「Yさん、もし今度泣くなって言われたら、こう言ってください。
今日、看護師さんに言われたのよ。泣くのを我慢すると、身体ににも心にも悪いから、泣きたいだけ泣いた方がいいって。だからお母さんは好きなだけ泣くから放っといて。って。」
頷きながら涙をふくYさんの奥様。
大丈夫かなぁ・・。
ちゃんと泣けるかなぁ・・。
そんな思いでお見送りをしました。
むかーし「泣かないで」って言う歌があったけど、時と場合でしょう。
最愛のご家族を失って、泣けないことはあっても、泣いてはいけない事はないはずです。
人は、ひどく悲しかったり辛かったりすると、これを無かったかのように気持ちの奥底に押し込めてしまう事があるんです。
これは、人の心理的防衛機制の一つです。
でも、これはずっと心の無意識の領域にくすぶっているわけで、どこかでこの抑圧されたものが押し出されることがあります。
そして、人は心を病んだりもするのです。
死という永遠の別れに涙することは、残された人間が明日を生きるために必要なことだと思います。
子どもさんたちには、出来れば一緒に泣くか、泣いているお母さんの傍で、そっと寄り添っていてあげてほしかった。
大丈夫かなぁ・・。Yさん。
でも、あとで必ずお宅に伺います。
その時にまた、たくさんお話しをしましょう。