第二章 古代文明の食の革命
人類史上最初期の古代文明と言えば、「メソポタミア文明」「エジプト文明」「インダス文明」「黄河・長江文明(中国文明)」の四大文明だ。
オリエントとはローマから見た東方を意味し、今日の中東やエジプトを含む地域をさす。この地域では、まずメソポタミア文明がチグリス・ユーフラテス川流域に紀元前3500年頃から栄えた。メソポタミアの初期の文明はシュメール人によって生み出されたため、シュメール文明とも呼ばれる。続いてナイル川流域で、紀元前3000年頃にエジプト文明の第一王朝が始まった。これらオリエントの文明は、古代ギリシアや古代ローマに大きな影響を与えた。
一方、アジアに目を向けると、インダス川流域で紀元前2600年頃から紀元前1800年頃にインダス文明が栄えた。そして、中国では紀元前4000年頃から黄河と長江の流域に中国文明が形成された。
古代の四大文明の成立には、灌漑農業を始めとする食に関わる様々な革命が重要な役割を果たした。第二章では、古代文明を誕生させた食の革命について見て行こう。