激闘の北鎌尾根(山行記録はこの下にあります)から、引き続き安房トンネルを越えて立山へ転進してきました。24日からは剱岳のクライミング&縦走をしてきました!
今回は熊の岩ベースで、八つ峰Ⅵ峰Dフェース富大ルート、Cフェース剣稜会ルートを登攀し、Cフェース~八つ峰上半~北方稜線~剱岳本峰を縦走するという欲張りな計画!
8月24日
30キロをゆうに超える荷物を担ぎ、一路熊の岩を目指して入山。しかし午後になり雲行きが怪しくなり始めたので、この日は剣沢の小屋泊まり。
翌日荷物をセレクトし、軽量化して熊の岩に向かうことにしました。
8月25日
翌日は天気が気になりましたが、起きてみると頭上には満点の星!朝の5時少し前、早速熊の岩目指して小屋を出発しました。
まずは剱沢雪渓を長次郎出合までくだり、ここから長次郎谷へ。今年は例年と比べ、どこの山も残雪が多く、それはここ剱岳でも例外ではなく、通常この時期には、途中ぱっくりと口を空けている長次郎雪渓も、出合から熊の岩まで見事に繋がっているではありませんか!
おかげで難なく熊の岩へ到着することができました。ここでビバーク装備をデポし、さっそくⅥ峰Dフェースへ。
Ⅵ峰フェースはどこもまだ残雪が残り、Dフェースへはいったんシュルンドの中へ降り立ち、Cフェース側を廻り込んで取り付きへ向かいました。
登攀準備を整え、富大ルートへ取り付き。1ピッチ目の出だしは、まだクライミングに慣れていない体にはちょっとしょっぱかったですね。
その後もⅣ級のピッチが続きますが、順調にこなし、核心部Ⅴ級も問題なし。
12時40分にはDフェースの頭へ立つことができました。今回2人ともなかなか調子はよさそう!
あとは慎重にⅤ・Ⅵのコルへ下降。
熊の岩では小宴会。今日の行程やルートのこと、ビバーク装備や食料についての談義に花を咲かせ、午後7時には就寝。明日の長大な行程に備えました。
8月26日
昨夜はにわか雨もなく、快適に熊の岩でのビバークを終えることができました。
そしてこの日も朝から快晴!3時に起床し、身支度を整えます。今日はなんといってもCフェース剣稜会ルートから八つ峰上半~北方稜線と縦走し、剱岳本峰を目指す長丁場!
午前4時45分に熊の岩を出発し、Cフェースの取り付きへ。こちらは残雪を回り込んで難なく取り付きにたどり着けました。
今日は全装備を担いでの登攀のため、Ⅱ級程度のピッチもなかなかのもの・・・んー、荷物が重い!
それでも順調に高度を稼ぎ、いよいよ上部のメインイベント、ナイフリッジのトラバース!
ここは高度感もありとても緊張しますが、ホールドもスタンスもしっかりとしているので、快適にこなせました。
8時少し前には登攀終了。なかなかいいペースで剣稜会ルートを抜けることができました。
目の前には、Dフェースの頭、そしてチンネの勇姿を望むことができました。
休憩もそこそこに上半の縦走を開始。いつもはショートロープで早々に越えることができる峰々も、今日は重荷なのでなかなかの重労働。スタカットでピッチを切りながら慎重に越えていきました。
八つ峰の頭からの懸垂下降も無難にこなし、北方稜線へ。昨日泊まった熊の岩のビバークポイントを眺めながら、少しガレの多い稜線を、トラバースしながら越えていきます。
何か所かルートが不明瞭で、確認しながらの縦走でしたが、無事に長次郎のコルへ。後はひたすら山頂を目指してガレ場を登っていきます。背後に今日越えてきた八つ峰の峰々と北方稜線を従え、12時50分、剱岳山頂に登頂!長い行程をみごとやりぬきました!!
あとはひたすら剣沢をめざし、長い長い別山尾根を下っていきます。
いくつもの小ピークと鎖場を越え、いよいよ口数が少なくなってきた頃、剣沢の小屋へたどり着きました。
振り返ると、先ほどまでガスの中だった剱岳山頂が、再びその姿をのぞかせています。そしてその右手の源次郎尾根の合間から、今日越えてきた八つ峰がわずかに顔をのぞかせているのが見えます。
んー、今回もよく頑張りました!みなさんお見事です!!
翌27日も朝から晴天。台風の影響か少し風がありましたが、今回の山行に充実感をかみしめながら、室堂へ下って行きました。