ヨーロッパがすっぽりと高気圧に包まれたこの機をとらえ、ヨーロッパアルプス最高峰のモンブランンへ行ってきました。
ルートはモンブラン・デュ・タキュールからモン・モディ~モンブラン縦走そして下山はエギーユ・ド・グーテからニード。エイグル。
心配していたモンブラン・デュ・タキュウルのクレバスもどうにか通過できそうな気配。
9日にミディのロープウェーで上がり、コスミック小屋に宿泊。午後はテラスからのんびりとルートの偵察。すると下りてくるは下りてくるは。クレバスは大丈夫そう!
翌日は午前2時にコスミック小屋をスタート。真っ暗ななかすでにスタートしている一団が、タキュールにホタルのように群がっています。僕らもその一団に加わりました。
大きなクレバスを3つ越え、2時間30分ほどでタキュール。そこからモンモディーへとトラバース。
モンモディーの肩に出る雪壁は大分雪が少なくなり、下の氷が出ている個所も・・・。
しかし本日の核心は、肩を越えた後。そこからブレンバのコルへ至る雪壁はカチンカチンの氷壁へと変わっているでは!さすがにこのセクションはピッチを切ってスタカット。スクリューも3本ほど決めて慎重に越えていきました。
目の前にはすっかり日の光を浴びて鎮座ましましするモンブランが!
ヨーロッパ最高峰の頂きはもうすぐそこ!の、はずでしたが、本当の闘いはここからでした。
4000mをわずかに超えたこのころより、低酸素と気圧で体の動きがままなりません。頭もくらくら・・・。
風も少し強くなり、体感温度はマイナス5~6度か?ピッケルとロープを握る手がしびれてきました。
それでも何とか踏ん張り9時30分、4810mのモンブラン山頂へ。
360度の大パノラマは圧巻の大展望でした。
しかし、しかし、ここからがまた本当の闘い・・・。
長い長いグーテまでの下りの始まりだったのです。ボス山稜は思ったより傾斜もきつく、ところどころが細いナイフリッジ。落ちればまさに一巻の終わり。もちろんロープを付けての慎重なデッセント!
何とかグーテまで下ってはきたものの、高度障害と疲れで体はくたくた。さらにここからのグーテクーロワールは絶悪!はじめと終わりこそワイヤーの手摺があるものの、中間部は全くのフリーソロ。落ちたら最後、奈落の底行き間違いなし!
この日は時間切れでテートルース泊まり。
しかしおかげで翌日は、ニード・エイグルまでの道のりをエギーユド・ビオナッセイを眺めながらの心地よいハイキングを楽しむことが出来ました。
ニード・エーグルからラファイエまでのトラム電車からの車窓も絶景。
時間はかかりましたが、とても有意義な3日間となりました。
これで今年の夏のシャモニも無事終了。
明日12日に帰国の途につきます。みなさんご拝読ありがとうございました。
この他の映像はフォトチャンネルにもアップしてありますので、ぜひご覧ください。
では!