杉ちゃんのWEB日記

国際山岳ガイド 杉坂 勉のブログ

厳しかった!

2016-07-15 07:58:15 | ブログ

今回のモンブランは、やはり天候が厳しかった!13日に濃いガスの中、ニードエーグルを出発。

 

グーテの小屋までの登りもガスの中・・・。前回と比べ少し雪も積もったようで、アイゼンでがりがりといった感じでの岩稜登攀。

 

翌14日も前夜からの降雪でグーテ小屋の前は10cmほど雪が積もっていました。天気の回復を祈り出発を30分遅らせ、3:30に小屋を出発。

暗闇の中、弱い降雪に視界をさえぎられながらのドームドグーテまでの登り。3:00に出発した先行パーティーは早々とドームドグーテで引き返してきている様子。次々にヘッドランプの明かりが上から降りてきては我々の横を通り過ぎて行きました。

 

我々は、現地ガイドのGPSを頼りになんとか先に進み、バロの避難小屋まで到達。中で天候の回復を待っていると、ようやく日の出。視界も良好に。

モンブラン山頂もすぐそこにみえているのですが、おりしも風が強まり、気温も体感温度で-25℃程度・・・。とにかく寒い。これ以上すすむのは危険と判断し、残念ではありますがここで下山を決定しました。

 

下界は雲の下で天気が悪いような感じ。我々は一時、雲上の世界でこの絶景を堪能することが出来ました。

でも核心はこの下。グーテ小屋からの下りは昨日からの降雪でまるで冬山の装い。昨日までとはまるで違う光景の中、ロープで確保しながら慎重に下降。

 

テートルースからは、これまでに積もった雪を幸いに、ビオナッセー氷河沿いの雪のラインをすたすたと下山。50分ほどでニードエーグルに戻ることが出来ました。

ところがところが、なんとニードエーグルからの電車は下で脱線したとのことで運休中!ベルビューまでのおよそ1時間を余計に歩くことになってしまったのでした・・・。

今回は登頂こそできなかったものの、充実感と満足感はそこそこ。やはりこの山のスケールは想像以上にでかいんですね!また次回の挑戦に乞うご期待です!!