気がつけば思い出Ⅱ

日々の忙しさの中でフッと気がついた時はもう
そのまま流れていってしまう思い出!
それを一瞬でも残せたらと...。

病葉(わくらば)を季語にした母の句~仲宗根美樹(川は流れる)(^^♪

2020年07月21日 | 伊代の俳句

 自宅庭のハナミズキ

病葉(わくらば)の落ちゐて愛し水子仏

病葉(わくらば)ー季語 夏

病葉(わくらば)とは、夏の葉が青く茂る中に蝕まれて赤や黄に色づいた葉。

秋をまたずに散ってしまう・・・。

水子とは、この世に生まれることのできなかった子供。

または生まれてすぐに亡くなった子供。

病葉も水子も、儚く哀れだけれども、

病葉の色づいた葉は美しく、周りの緑葉の中で際立っている

水子も、ほんの束の間の命だったからこそ、それは限りなく愛おしい・・・。

母はそんなふうに読んだのでしょうか。

      

(わくらば)という言葉はあまり馴染みがないかもしれないけれど、

私には仲宗根美樹という人の(川は流れる)という曲がすぐ浮かぶ。

終戦後の混乱と悲しみの中でそれでも前を向いて生きて行かなくてはという・・・

一説に反戦歌とも言われた歌謡曲で、たぶん小学生のころ流行った曲だと思うけれど

トントコトントン、トントン♪←(すみません音符で書けなくて

といういかにも演歌っぽいイントロで始まり、バックコーラスがある(ヴォーチェ・アンジェリカ)。

(※調べて見ると昭和36年のレコード発売とあり、記憶と一致。)

随分前なのに何故か歌詞まで覚えているのでひとつ歳上の夫にも聞いてみたがやはり知っていた。

もちろん小学生だった我々は歌詞の意味もわからず口ずさんでいたのだろうけれど、

そんな子供の記憶に残っているのだから相当流行ったのだろう。

YouTubeで探してみるとすぐに見つけることができた。※abm00005

仲宗根美樹/川は流れる

 

落ちたわくらばを川面に浮かべて、塵にまみれてもなお流れていく川をみつめて、

嘆くまい、明日は明るく生きていかなくては・・・。とそんな歌。

戦後まもなくだからこそ、死と向き合い生きるということに真剣だった昭和。

母の句もこの詩も、昭和の叙情を感じる。

昭和4年生まれの母は戦争体験者。そして昭和と平成を生きたけれど、

やはりその精神は”昭和”だったのでしょう・・・。

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