すずかけ

高校生の時文芸部に属していた。年に一度文芸誌を発行した。［すずかけ］といった。校庭に大きなすずかけの木があったことからそのような誌名がついたと先輩から聞いた。先日実家に帰ったおりにその母校の廃校を知った。若年層の人口減で致し方ないのかもしれないが母校がなくなるというのは一抹の淋しさがある。懐かしくなって押し入れの奥からすずかけを取り出した。その中には今から３０年余り昔の私がおり、２０歳にもみたない言葉で人生を語っていた。