「 小学校の写生 」
小学校何年生くらいやったか ・・・
雨が降ると必ず、教室や廊下の窓から見える風景を写生させる先生がいたんですが、
それが嫌で嫌で仕方なかった記憶があります。雨の降る物悲しい昼下がり、学校から
見える街並みのほとんどが民家の屋根瓦と電信柱、そして、コウモリ傘。
昭和の屋根瓦は黒かグレー、電信柱も黒茶っぽい木製か、グレーのコンクリート製です。
傘や雨空も含め、ほとんどが黒と灰色の世界です。毎回、何がおもしろくて描かせるのかと
・・・気が滅入った想い出しかありません。私は毎回、絵を完成させずに提出しました。
当然のことながら、
先生からは “何で最後まで描けへんのや?” とお説教を受けるわけです。
“時間が足りんかった” と私は苦し紛れに言い訳をするわけです。すると、今考えれば
当たり前ですが、“放課後居残りで完成させなさい!” です。(昔はこれが普通でした)
居残りは嫌いじゃありませんでした。
皆と同じペースで描かなくていいし、自分の世界に入れる(変な意味ではありませんが)・・・
雨が止んで傾きかけた太陽が顔を覗かせて、少し気分が晴れ笑顔になります。太陽を描き、
さて、家に帰ります。結局、作品はすべて未完成でした(先生も呆れていたはずです)。
「 中学校の図工 」
友達の横顔を写生、花瓶に活けた花を写生、机と椅子を写生 ・・・
興味が無いというか、これまた、何がオモロイねん?的な気分になってしまう授業です。
絵を描くことやモノを作ることがキライなわけやなかったし、先生もキライやなかったんですが、
ただ、どうも皆と同じお題を一人の人間から押しつけられるのが嫌やった。そんなノリだった
かもしれません。
友達の顔を観察します。
写生の為ではなく、自分と同じ気持ちで座っている人間を探すためだったかもしれません。
若干、2名が同じ表情で私を見てきます。その授業をきっかけに3人が仲良くなりました。
今思えば、これは学校生活の中で波長の合う友達を発見した貴重な経験だったと感じます。
この授業で、私は自分の左手を描きました。
完成した(たぶん上位何番かに入るレベルだった)のですが、提出はしませんでした。
良かろうが悪かろうが、他人に皆の中で何番と評価されるのが嫌だったということです。
小学校も中学校も教室の後ろに描いた絵が貼り出されたりします。この画鋲で留めて。
それも気分が覚めてしまうわけで ・・・ いや、それこそがやる気を失わせるわけで ・・・
まあ、この性格のおかげ?で、小中の図工の成績は5段階でいつも2か3でしたね。
「 高校の美術の先生 」
前にもこのブログで登場(たぶん「僕の好きな先生」)しましたが、
高校の美術の先生は大好きな先生でした。完成した作品を評価する先生が多い時代に
作業過程や本人の適性を評価してくれた希少な先生でした(数字じゃなく気持ちですが)。
この先生は私に芸術系の大学へ行くことを薦めてくれました。
興味はありましたが、“これをやりたい!” が在学中に見つからなかったので、結局それ系の
学校には進学しませんでした。しかし、この先生の存在や頂いた言葉は今でも仕事面で
プラスになっています(プライベートではあまりプラスになってませんが・・・)。
この先生、一般的に好かれるタイプではありませんでした ・・・ 私に似ていたかもしれません
■ 昭和懐古 ■
皆がほんまに
素直に作品を見れたんか
作品やなく
評価がピン止めされてた
そんな時代に
生きてたんやねえ
・・・
画鋲で留めた瞬間
作品の評価が表れた
いや、
評価した人間の
感性が表れただけやった
第五大成丸
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そうなんですか。
お互い、素直(従順)でない子どもだったのかもしれませんね(笑)。
大人になって、それで良かったと思ったりしました(思おうとした?)が、
今考えれば、子どもはやはり素直な方がいいかも ・・・ という結論に
至りそうです。斜に物を見るのは、大人になってからで十分ですから ・・・
居残りで描かされたのですが、製造工程は思い出せるのに、その風景は思い出せず、完成しませんでした。
子供の頃は目的以外のことに集中する事が多かったですね。