さっきまで
付かず離れずの距離で
夕刻の雑踏の中
一緒に歩いてたと
そう思ってたのに…
駅前の古本屋の店先で物色している間に
いつのまにかあなたは
降りた遮断機の向こう側に立っていて…
そんなあなたを見つけて
笑顔で手を振ると…
あなたは手を振りかえすこともなく
じっと僕を見つめたまま
小さな口を開けて
何かを呟いたような…
でも何を呟いたのか
聞き取れることもできず…
なのに
なぜか僕はウンウンわかったよと
何度も頷いて…
すぐにそっちへ行くから待ってて
そう思いながら
もう一度あなたに大きく手を振った
なのに…
そんな僕の想い
あなたに届かなかったのか
時間切れになってしまったように
あなたは僕に背を向け
ゆっくりと人混みの中へ消えて
やがて見えなくなった
それが最期の別れになるなんて
そのときは思わなかったけれど…
遮断機は
無情にもずっと上がらず…
結局僕は
あなたを見失った
それ以来
ずっと…
あのとき
あなたは僕に何を呟いたのだろう?
何を僕に伝えたかったのだろう?
遮断機の向こう側で…
ひょっとしてというか
やっぱり
前触れのない別れの言葉だったのか?
それとも…
いまとなってはわかるはずもなく…
今日は
グウタラ娘の誕生日
33回目の…
救急や消防の番号と同じ
119…
ちょうど
僕の年齢の半分…
33年前の33歳の僕は
すでに生まれて歩き始めた
ワンパクなチャラ息子に手を焼き…
そして今は
そのチャラ息子の4歳の長男
同じくワンパクな初孫くんに手を焼き…
グウタラ娘に
まだ赤ちゃんは訪れていないけど…
人生というか
時代というか…
こうやって巡り巡って行くのものだと
あらためて…
そう…
僕が
父を失い母を亡くしたように
チャラ息子やグウタラ娘も
もう少し経てば僕とカミさんを見送る
そんなことになるのだろう
そのうち…
案外
近い日なのかもしれず…
そのときは
そのとき…
いまのうちから
覚悟しとこう!
彼らにも
覚悟しておいてもらわなければ…
まぁ
覚悟していても
覚悟してなくても…
上手くやって行くさ
チャラ息子は…
大丈夫だろう
グウタラ娘も…
僕がいなくても…
朝はあんなに青空が広がってたのに
あっという間に冷たく白い雪模様…
そんなグウタラ娘の誕生日に
思い感じた生きて行くことの
無常さ…
またもや
当分は走れないけど
そんなことくらいは…
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