33.
鬱の淵でさまよいながらも、底には引きずり込まれないようなんとか踏ん張っていたが、3月に入ってまたぎっくり腰になってしまった。ぎっくり腰持ちとはいえ、これでは頻度が高すぎだ。腰痛はストレスと関係があるというから、今回に限っては事件続きでストレスがたまったことが無関係ではないだろうが、ホルモン治療の副作用としての冷えがもっと関与しているに違いないと私は思った。 . . . 本文を読む
32.
こうして周りから少しずつ勇気をもらいながらも、相変わらずうつ病関連のテレビ番組を見ていたところ、体験者の女性が毎日ノートを記すようになってから少しずつ軽快した、という話に興味を持った。良い面にだけ目を向けるように、どんな些細なことでもよいからその日に自分が達成できたことをノートに書くというものだった。 . . . 本文を読む
31.
その頃、荒川静香さんの金メダル獲得に日本中が一気に湧き、私の心にも灯がともるようだった。さらに私を勇気づけてくれたのは、同じくフィギュアスケートのアメリカ代表として出場し、世界で初めてスロウ・トリプルアクセルジャンプを決めた、ペア選手の井上怜奈さんだった。 . . . 本文を読む
30.
鬱々と過ごしていると、こんなことも急に思い出した。何年も前にうつ病の経験者からたまたま話を聞く機会があり、そのときの印象的な言葉がふと甦ったのだ。「暗くしてるものだから、友人が次々と離れて行ってしまって…気づくと一人になっていました…」
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29.
毎年2月の末から3月の初めにかけて杉花粉症が本格的になるので、外出が億劫になる。事件続きで鬱々となってしまった今年はことさらだった。昨年の夏、2種類の治療を併用してホルモンを抑えたことで、極端な集中力の欠如に端を発し、不安と混沌のスパイラルに陥ったが、今回はそれとは別の抑うつ状態だった。 . . . 本文を読む
28.
2月に入った。寒さが最も厳しいこの時季を、漢方薬とカイロでうまく乗り切りたかった。手術以来この方煩わされていた夜間の頻尿が、10ヶ月経った今頃ようやく改善してきたのは、厳寒の時季だけにとても助かった。自律神経の乱れが治ったのかもしれないが、八味地黄丸のお蔭でもあるかもしれない。ただ、一時期和らいだかに見えた左上腕の痛みは、完全にはとれないでいた。 . . . 本文を読む
27.
自分の処方が通ったのはよかったが、ひっかかる点があった。Y先生の診療を待っていた年末、妹からもらったロイヤルゼリーを試しに飲んだら体が軽くなり、よく動けたので効能を調べてみると、女性ホルモンの調整と更年期障害の改善・自律神経のコントロール・免疫力アップなどの効能があることがわかった。しかし、一方で女性ホルモンを抑えながら、他方でそれを補うようなサプリメントを服用してもよいものなのだろうか? その力関係がよくわからなかったのだ。 . . . 本文を読む
25.
2006年が明けた。1年前の今頃は、まさかその3ヵ月後に自分の人生が激変することになろうとは想像できるはずもなかった。でも、未来が予見できないからこそ、人は生きていられるのかもしれない。悪いことまで見通せてしまったら、その時点で生きていく勇気が萎えてしまいそうだ。2006年が平穏であることを願うばかりだ。 . . . 本文を読む
24.
2006年11月中旬、それまで9ヶ月間も延び延びになっていた夫の海外赴任が、いよいよ現実になった。闘病生活の精神的支柱の大きな1本だった夫が身近にいなくなったばかりか、発展途上の地で過酷な生活を強いられる彼の身を、今度は私が案じる番になった。 . . . 本文を読む
23.
このように、自分の体をもってして、しかも紆余曲折を経て、女性ホルモンがいかに女性の体の機能を支えているかを私は思い知った。なかんずく、女性ホルモンが自律神経に深く関わり、さらに免疫力を支えていることも、もう少し後で知った。自律神経自体が体のあらゆる機能を司っていることを考えると、女性ホルモンが女性の体を根本的に支えていることがよくわかる。 . . . 本文を読む
21.
このアンケートの最後のQ&Aを記してみる。(略)以上のQ&Aを受けて主催者が以下のようにコメントを入れている。私はこれに大いに助けられたので、続いてそのままの文体で引用する。 . . . 本文を読む
19.
肉体的な副作用に悩んでいたその頃、既述のVOL-NEXTから、ネットを通じてアンケートがたまたまよく来ていたので、協力していた。VOL-NEXTは乳がん経験者が立ち上げた、乳がん患者をさまざまな面でサポートする会社で、アンケートはそのためのものだった。あるとき、「ホルモン療法の副作用とケア」というテーマのアンケート(2005年12月実施)に答えていくうちに、それまでの疑問が氷解し、溜飲が下がるように感じた。 . . . 本文を読む