えつこのマンマダイアリー

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第5章 放射線治療 34.

2007年08月15日 | 乳がん闘病記
34.
 次に、照射後一度は火傷のような状態になった皮膚がしばらくして再生した事実に、私は単純に喜んでいたが、これも大きな間違いだったことがだいぶ後になってわかった。
 照射終了後三月ほどしてから、手術痕や脇にかけての皮膚が硬くなり、つれたようになって、脇を伸ばすと痛みを感じるようになったのだ。その影響だろう、脇から背中にかけて重く、だるくなり、左上腕外側の筋肉が痛むのをヨガのレッスンで自覚するようにもなった。術側の腕には、退院時に助言されたとおり、重い物を持たないなどなるべく負担をかけないように生活してきたつもりだし、照射中や直後はそんな痛みを感じることもなかった。にもかかわらず、何ヶ月か経ってから妙な痛みを感じるとは、一体どうしたことだろう?

 この事実の原因は、やはり朝日新聞の記事であるときわかった。年間300件以上の乳房再建手術を手がける女医の言葉に、私は釘づけになった。
  「少しでも乳房を残したいと、全摘手術より温存手術を希望する患者が
  多いが、温存は乳房再建に関してはデメリットが大きい。術後の放射線
  治療で、皮膚が火傷して伸びなくなるためだ。放射線治療を理由に再建を
  引き受けない病院が多く、この病院でも半数はあきらめてもらう。
  温存でも乳房が大きく変形する可能性があることを、外科医は事前に
  説明すべきだ」

 この事実を知った後、私が脇や背中の痛みをY先生に訴えたとき、先生は初めて、しかしあっさりとこう告げたものだ。「放射線照射の影響で、皮膚が厚くなって伸縮しにくくなっているんです」  しかし、これは照射の前に伝えられるべきことではないのか? 私は乳房再建手術が必要ではないし、望みもしないが、もし望んでいる人がこの副作用について説明を受けずに照射を受けたら、どうなるのだろう? 「説明し忘れました」ではすまないのではないだろうか?
 
 放射線治療の途中、20グレイを当てた頃から出る副作用を「急性障害」といい、数ヶ月から何年も後に現れる副作用や後遺症を「晩期障害」ということを、私はさらにだいぶ後になってからある書物で知った。このときの私のツレや痛みは、「晩期障害」に当たるのだろう。

 そして、これらの副作用、後遺症についても、M先生はもちろんのこと、『乳がん全書』にも説明はなかった。このように、誰も正確な副作用を知らせてくれなかったのは、なぜなのだろう?

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