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エンヤこそ最高の癒し系。
かつては、
あちこちの葬儀場でかかっていたもんや。
俺は、
「メイ・イット・ビー」が最高に好きやけど---
仕事場の知人に、
顔も体も熊系の男がいる。
いつもブスっとして挨拶ひとつしない。
そればかりか、
インネンばかりつける。
この男は、
七転びくまモンと呼ばれ、
ぬりかべ君(135キロ)、どんぶりにいさん(133キロ)との人間肉団子三兄弟、
すなわち、
どんぶり三兄弟の末っ子に当たる112キロのメタボ。
七転びくまモンは、
AKBオンリー!
アキモト以外の音楽の存在を認めなかった。
そんな七転びくまモンが、
エンヤにハマっているということ聞いて、
興味津々に理由を尋ねてみた。
その日の七転びくまモンは、
痛風の大激痛で、
息ひとつするのも苦しがっていた。
やけど、
日頃の行いの悪さ故にそんなことシカトして、
「AKBしか認めないお前が、どういう機会どういう理屈でエンヤが好きになったんや?」と聞くと、
七転びくまモンは、
激痛のせいで、
体震わせて、
唇噛んで、
何も言わない。
構わずに、
俺は、
「エンヤは洋楽や!中国語と英語の区別もわからんお前が、エンヤと出会えるはずが無い!やから、知りたいんや!?なんでエンヤが好きになった?」と強く尋ねた!
そしたら、
七転びくまモンは、
体を震わせながら微かに、
「縁や」
と呟いて、
白眼剥いて生汗出した。