よれよれ日記

谷晃うろうろ雑記

同じ廊下の同じ椅子

2004年09月09日 | Weblog
市内を運転中、広島にいるはずの級友から携帯電話に「父が倒れた。日赤病院にはどう行けばいい?」

インターチェンジからの道順を教え、自分の用事を済ませてから駆けつけ、受付で告げるとすぐ案内してくれた。手術室と集中治療室をつなぐ廊下の椅子に、友人とお母さんと親戚らしい人たちが寄り添うように座っていた。

「いかんかった」と彼は言い、まだ信じられないという表情のお母さん。かける言葉もない。

まもなく手術室からベッドが出てきて、家族は死後の処置をする部屋に一緒に入っていった。

ひとりで廊下の隅に残って、この同じ廊下の同じ椅子に自分と妻が座っていたことを思いだした。6年前の初夏、義母も急に倒れ、翌未明帰らぬ人になったのだった。

同じ廊下の同じ椅子、同じ部屋の同じドア。

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