よれよれ日記

谷晃うろうろ雑記

太平洋戦争と日本映画

2005年07月13日 | Weblog
ケーブルテレビのチャンネルをグルグル回していて、日本映画専門チャンネルに出くわした。

7月と8月は「終戦60周年記念」企画で戦争映画42本をグルグル上映中。
http://www.nihon-eiga.com/pacificwar/

映画は古いものもあれば、最近のものも含まれているが、題材は二・二六事件から戦後の下山事件、「吉田学校」まで年代順にとられている。

私が子どもの昭和30年代後半、市内の映画館の立て看板のどれかに必ず戦争映画がかかっていたと思う。戦後、朝鮮戦争の特需を受けて復興が加速され、映画を作る力が日本にあったとき、テーマとして負けた「戦争」ははずせなかったのだと思う。

あれから60年、「戦争を知らない子供たち」の社会になってしまったが、最近のアフガニスタン、イラク戦争やそれに続く国際テロ、アフリカ各地の内戦などの話を聞いていて、本当に戦争のことを全部知っている人間なんているのか、と思う。ましてこれから起こりうる「戦争」が、我々の知っている「戦争」と同じような形で目の前に現れるとは限らない。

私の両親にも戦争体験はあり、いろんな話を聞かされるが、それは二人が見知った話だけなのであって、戦争の一部でしかない。その一部分だけの知識・経験をもって「戦争」を云々している戦後世代の浅はかさは、平和・平和・平和と唱えるだけの平和な人たちも、戦争があるのが普通なのだから普通の国になろうという人たちも同じなのではないか。

だったら、何をしたらいい、という途端に途方に暮れるが、自分の目で見て、耳で聞き、考え、自分の言葉で表わす、そういう暮らしぶりから始めるしかない。

東京都立現代美術館の常設展にも、戦中美術のコーナーがあったが、そこに足を止める人は少なかった。戦争は過去完了のものもあれば、現在進行、未来形もある。

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