NHKテレビのHV特集「秩父山中 花のあとさき」を観た。
山中の老夫婦。
もう畑作が出来ないが、せめて通りすがりの人のために秋の紅葉のため、春の花見のため、草木を植える。
年下の夫が先立ち、残されたばあさんもついには山を下り、病を得て病院の花壇を愛でている。
先祖伝来の畑を耕すことが出来なくなったからは、畑を山に返すために植えた苗木が、ばあさんの背丈を超すほどに伸びていく。
誰かがどこからか来て、どこかに去っていく。
山は畑になり、荒れ野になり、山になる。
山を下りたばあさんの姿を映さないのは、
山には見せたくないからだ。