消灯時間は9時。
病院内の必要最低限の灯り以外は消えた。
みんなさすがにこの時間には眠れない。
暗闇の中
入院中のいつもの男二人と女一人が
いつものように内科の広い待合室の真ん中付近に陣取る。
小曲昭男(仮名)は、高校教師。
金箱真由美(仮名)は
自称貧乏放送作家。
そして『はな兄』こと私。
我ら三人は
高校時代のクラスメイトなのである。
同じ横浜の高校のクラスメイトが
40年後に
ほぼ同じ時期に東京の病院で
入院患者として出くわしてしまったのである。
松本清張の『十万分の一の偶然』どころのさわぎではない。
(続く)
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