
NIKKOR-H Auto 85mm f1.8の分解修理です。
MF 単焦点 レンズ構成4群6枚 絞り羽枚数6枚 最短撮影距離1m フィルター径52mm 最大径×長さ72 x 62mm 重量437g 発売1964年

フリマに時々くる格安の業者から購入。85mmでF1.8というのはかなりの明るさです。50mm F1.2よりインパクトあるかもしれないです。そして太くてずんぐりしてます。いつもですが、汚れたレンズは外側全体をキッチンアルコールで拭いていっしょに前後のレンズもざっと綺麗にします。こうしないと内側を覗いて状況が確認できません。

この個体は前玉から絞り羽前後にかなりカビが繁殖しています。Auto NIKKORは前端のフィルターブラケットが芋ネジで回り止めされています。そこでこのレンズの芋ネジを探したらありました。芋ネジを外したところで気がつきました。全然フォーカスリングが回らないんです。最短撮影距離で固着しています。これが回らないとどうにもならないのでキッチンアルコールをフォーカスリングの前後の隙間から流し込んでしばらく待ちます。力が入れやすいようにジャンクのNIKONのフィルムカメラにマウント側を固定してフォーカスリングにゴム帯を巻いて思い切り無限方向に回します。手が痛くなるころゴリっと、やっと回りました。一度回りだすとスムースではないですが全域可動になりました。
やっと、フィルターブラケットをゴムで回して外せました。実はフィルターブラケットが外れたとき、同時にレンズ群のある内側部分がマウント&ヘリコイド部から抜けてしまいました。フィルターブラケットで固定されていたようです。

抜けた内側部分の後の方に芋ネジらしきものがあります。でも、回せそうもなかったので、前側からアプローチします。
前側の二重にあるカニ目溝のあるリングの外側の溝でカニ目ラジペンを使ってぐっと力を入れると回って前玉群が外れました。

前玉群が外れると絞り羽部分と、その向こう側のレンズが見えます。カビキラーを綿棒につけて絞りバネの向こうのレンズを掃除します。
前玉群の裏のレンズにもカビがあったのでカビキラー掃除です。

ここまで綺麗になって一番前のレンズ裏にもカビがあったので内側のカニ目溝をカニ目ラジペンで回してレンズを外し中を掃除。綺麗になりました。ただ光の微妙な具合でカビの跡みたいなのが・・・分解して拭いてるときも気づかなかったし一度掃除しているし良しとします。
このレンズ、フォーカスの3mくらいから最短の1mまで角度が大きくてある意味細かいピント合わせをするように出来てる。このレンズ、微妙に異なる仕様の個体が存在するらしいけど、この個体は前期なのか、後期なのか中期なのか?

このレンズの爪は最初からあったものなのか、後でつけられたものなのか?後玉も綺麗です。

最近買った NIKON D50につけてみます。レンズが太いので現在のAF ZOOMと大きさ的に似た感じでバランスはいいですね。室内で撮影してみます。

NIKON D50 F2.8 1/200秒 D70もだけど、写ってる画像は普通なのに背面液晶の絵が青いんですよねー。

次にアダプターでNEX-3につけて屋外撮影です。

NEX-3 F16 1/100秒 ISO200 たっちゃんの住んでるとこ。田舎でしょ(笑)無限遠は、ちゃんと出てますね(^-^)/

NEX-3 絞りF8 1/160秒 ISO200 ピントはお母さんアヒルに合わせてます。

NEX-3 絞りF2.8 1/1000秒 ISO200

NEX-3 絞りF2.8 1/250秒 ISO200 ちょっと絞ると普通なボケですし絵もいい感じ。

NEX-3 絞り開放F1.8 1/2000秒 ISO200 開放からピントが来ている部分はかちっとした画像が得られるが、背景のボケが若干ぐるぐる気味かな?