たっちゃんのレンズ沼

個人的趣味の独り言を書いて行きます。
主にデジタルカメラとオールドレンズについてですが、他にも書きますよ。

【第454沼】PENTAX SMC-Takumar 50mm F1.4 前期型

2015-02-20 19:30:13 | PENTAX

 

PENTAX SMC-Takumar 50mm F1.4
レンズタイプ  単焦点 開放F値 F1.4
フォーカス  MF 画角  
レンズ構成 6群7枚 対応マウント M42マウント
絞り羽枚数 8枚 フィルター径 49㎜
焦点距離 50mm 最大径×長さ 61.5㎜X38.5㎜
最短撮影距離 0.45m 重量 252g
最大撮影倍率   発売 *

 

ハードオフで購入です。久しぶりに見るひどくカビた個体で可哀想になって救出しちゃいました。前玉も後玉も中から外までカビカビカビです。後玉から分解してカビを掃除してみます。

 

ゴムで一番後ろのレンズを回します。よくこれで後玉群全体が回って外れたりしたんですが、今回は一番後ろのレンズ部分だけが外れました。裏にカビがあるので掃除します。次のレンズを押さえてるカニ目溝のあるリングが見えます。

 

カニ目ラジペンでリングを外します。タコ棒でレンズを抜きます。このレンズにもその奥のレンズにもカビがあったのでカビキラーでカビ退治です。

 

ただ、ここから先が回せなくて分解できません。固着してるようです。どうしてもまわらないので掃除できるレンズを全部きれいにして組み戻します。化粧リングを外して前玉群の分解を始めます。

 

ゴムで回したら前玉は全体で外れました。

 

前玉群は普通一番後ろの凹レンズだけカビたりしてるんですが、この個体はもう中まできっちりカビてました。後玉の絞り羽の向こうのレンズは外せなかったので、絞り羽越しにカビキラーで拭くと後玉全体が綺麗になったので運が良かったです。

 

前玉群の凹レンズを綺麗にすると中のカビがはっきり見えます。カニ目孔があるのでカニ目レンチで回して外します。

 

レンズと押さえリングがいっしょに外れました。内側のレンズのカビを撃退します。残りのカビは一番前のレンズの裏にある感じだったので前玉群の本体をゴムで押さえながらカニ目ラジペンで押さえリングを外します。

 

外した一番前のレンズ押さえのリングです。タコ棒でレンズを抜いて裏側のカビをカビキラーで掃除です。ここのカビはほんとに酷くて跡がのこるかもしれません。

 

次のレンズの裏にもまだカビがあったので、もう一個押さえリングを外しました。この状態でカビを退治して全部のカビを撃退終了です。組み戻して分解掃除完了です。

 

SMC takumarは、みな切り替えレバーの裏の刻印が37908です。形もみな同じ・・・・・・あれ?分解してる時は気付かなかったけど、一番後ろのレンズの部分にカニ目溝がない!!SMC takumarは、みなここにカニ目溝があると思ってましたがこの個体には溝がありません。よく見ると形がsuper-multi-coated Takumar 50mm F1.4の後端にそっくりというか、同じです。初期だけ前のシリーズの部品を使ってたんでしょうか?誰かが後で間違えてつけてしまった可能性もありますが、たぶん初期のSMC-Takumar 50mm F1.4はカニ目溝のないsuper-multi-coated Takumar 50mm F1.4と同じ部品を使っていたんですよ。このタイプのSMC-Takumar 50mm F1.4を前期型ってことにしときましょう(笑)

左がこの個体SMC-Takumar 50mm F1.4前期型で、右が後期型です。違いは後端部のカニ目溝の有無だけです。

NEX-5 絞り開放f1.4 1/250秒 ISO-200 最短撮影距離 うわーっ!です。もうたっちゃん的に綺麗に写ってるとか精細感があるとかは超えちゃってます。

NEX-5 絞り開放f1.4 1/400秒 ISO-200 最短撮影距離 被写体の周りからの浮かび出し方が違うんです!

 

 


【第453沼】LORD ⅣB 信州岡谷光学機械の遺産

2015-02-20 18:02:31 | アンティークカメラ

岡谷光学機械の製品です。レンズシャッターのレンジファインダーカメラです。とにかく高級感と凝った造りが目を引くカメラです。もちろん、ライカとかとは別次元の値段だったはずですが、その心意気は多分ライカより上に君臨していたのでしょう。岡谷ってことでもわかる信州にあった会社です。レンズキャップまでついた状態でフリマで見つけたので購入しました。他にもその時、LORDのカメラが何台かあったので、今思えば買っておけば良かったと少し後悔してます。でもまあこのLORD ⅣBを選んだのは、正解だったかな。

裏蓋ロック部分のレザーが剥がれてますけど、これで見苦しいかと言えばそうでもないので、そのままにしています。巻き上げノブ?が非常に小さくて回しにくそうですね。ここにも凝った構造が隠れてるので後で紹介します。

LORDのエンブレムがかっちょいいです。レンズのメカっぽさも適度でいい感じ。

軍艦部の絞り形状もこの時代のいい感じのカメラに共通したポイントです。

底面の2個のボタン風はこのカメラの特徴にも関係あります。ふたつ穴のある方のボタンは多重露光用のフィルムを巻き上げないでシャッターをチャージするためのボタンとのことなんですが・・・

背中側のレザーは全部禿げていたので、仕方なく100円ショップの合皮の財布から切り出したレザーの裏の布を剥がして貼り付けてます。だからLordの文字はありません(泣)

機能は全部生きてるんですが、レンズがカビだらけで向こうが見えないくらいひどい状態なので、分解して掃除するしかないです。芋ネジ3本で固定されてた銀色のリングを外すと化粧リングも外れました。カニ目レンチでレンズを回すと前玉群で外れます。

前玉群の前後のカビをカビキラーで掃除してみたら内側にもカビがあったので前玉群の後ろ部分も外して中のレンズを掃除します。

絞りを開放にしてシャッター速度をBにしてシャッターを押した状態で絞りとシャッターの向こう側のレンズのカビ取りもしておきます。シャッターはSEIKOSHA-MX B-1/500秒です。

レンズの細かな傷はどうしようもないですが、カビは排除できました。レンズはHighkor 4cm F2.8 レンズ構成は3群5枚です。

フォーカスレバーの上のレンズの根元にあるのは、フォーカスを8フィートに軽く固定するためのレバーみたいです。使用法はよくわからないです。

キャップを繋いでるタコ糸が泣かせます。Lordのエンブレムはクロムメッキ?

よくわからないのは、この巻き上げレバーの窓で、TとかHとかMとか回すと表示されてるんだけど使い方わからずです。この巻き上げレバーは、当時としては最先端のセルフコッキングでシャッターが同時にチャージされるのですが、なぜかこのカメラはワンストロークではダメで2回レバーを引いてシャッターが押せるようになります。しかも非常に巻き上げが重いのでただ重いのかフィルムが終わったのかも分かりにくいほどです。

Lord ⅣBの刻印もいいね。Fの刻印はこの下がファインダーの意味なのか、フランジバック基準の意味なのか。多分後者だとおもうけど。

さて小さすぎるこの巻き上げノブだけど

 

一度引いて、たたむと巻き上げクランクに早変わりです。凝ってるけど壊れそう。

 

フィルムカッターが付いてるんです。蓋の内側はフィルムカッター以外は普通です。

いよいよフィルムを入れて撮影してみます。

さて試し撮りですが、フィルム装填を一度失敗してしまったので、撮影条件としては厳しい夕方になってしまいました。

全体に露出オーバー気味です。レンズの傷が原因の盛大なフレアと共にシャッタースピードも設定したものより遅めになっているようです。

空が曇っていて全体に明るいので、傷のあるレンズだと辛いちころです。ただ、ある意味いかにもクラシックカメラっぽい絵になってます。

ピントの来ている場所がレンズの目盛より近いところに来ている気がします。(後で気づきました。数字の単位がフィートでした。メートルと勘違いしてました。馬鹿ですねぇ↓)

真ん中付近にピントを合わせたつもりだったのですが、手前の石柱にピントが来ています。(自分で底に合わせてるんです!!フィートだからメートルの約1/3くらいのとこです。)

なんか、味があっていい感じです。フレアの中のクレーンも好きです。アナログな絵ですよね。

暗いですから絞りは開け気味でf3.2くらいでしょうか。酷いフレアがいい感じにテールランプの赤を広げてくれてます。