京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

承天閣美術館・伊藤若冲名品展

2013-06-15 06:11:57 | 美術・博物館
私の好きな伊藤若冲の展示会が開催されている、
承天閣美術館に行ってきました。

伊藤若冲(1716ー1800)は、京都の高倉錦に生まれ、
相国寺の大典禅師を生涯の師とし、禅師の禅・文芸の指導を受け、
画業に独特な異彩をはなった人です。

相国寺と縁が深かったため、同寺に多くの障壁画や襖絵、絵画を残しています。

今回の展示会は、作品数は多くありません。
また、多くは今までに見ていますが、何度見てもいいです。

鮮やかな色使いの釈迦如来像・文殊菩薩像・普賢菩薩像三幅対は、
特に気にいってます。
鶏のいきいきした動きを切り取った、群鶏屏風も印象的です。
中鶏左右梅図三幅対や菊虫図も好きです。



美術館入り口です。



青葉がとてもきれいです。





展示会内部は撮影禁止ですので、説明書でご勘弁ください。





庭です。



最後に法堂です。

白隠禅画

2013-06-15 06:11:23 | 美術・博物館
昨日は久しぶりの雨でした。
蒸し暑くもあり、やっと梅雨が来たという感じです。

私は白隠禅師の禅画が大好きです。
以前、京都国立博物館で、永青文庫展が開催され見に行きましたが、
白隠の達磨像などの禅画もあり、とても感動しました。


午前中に家事をして、別冊太陽の「白隠 衆生本来仏なり」(2013年1月14日 初版)
に目を通し、充実した時間を過ごしました。

白隠(1685ー1788)は、江戸中期の禅僧で、「臨済宗中興の祖」と呼ばれています。
臨済宗の坐禅会に参加すると、白隠禅師『坐禅和讃』という経を詠みますが、
その作者です。

臨済宗にはいくつかの本山(京都では、大徳寺、南禅寺、建仁寺、東福寺、天龍寺、相国寺)がありますが、法系はすべて白隠に帰着すると言われています。

白隠は著作物以外にも、膨大な数の書画や墨蹟を残しています。
多くの達磨像を書いていますが、一度見たら忘れられない強烈な印象が残ります。

今で言う、コミックのような作品もあり、書かれている言葉の解説を読むと、
この絵でこういうことを伝えたかったんだとわかり、一人得心しています。

白隠は、墨蹟や禅絵を通して、禅の教えをわかりやすく説いてきたのだと思います。








白隠禅師『坐禅和讃』

衆生本来仏なり 水と氷の如くにて

水を離れて氷なく 衆生の外に仏なし

衆生近きを知らずして 遠く求むるはかなさよ

譬えば水の中に居て 渇を叫ぶが如くなり

長者の家の子となりて 貧里に迷うに異ならず

六趣輪廻の因縁は 己が愚痴の闇路なり

闇路に闇路を踏みそえて いつか生死を離るべき

夫れ摩訶衍の禅定は 称嘆するに余りあり

布施や持戒の諸波羅蜜 念仏懺悔修行等

その品多き諸善行 皆この中に帰するなり

一坐の功を成す人も 積みし無量の罪ほろぶ

悪趣何処にありぬべき 浄土即ち遠からず

辱くもこの法を 一たび耳に触るるとき

讃嘆随喜する人は 福を得ること限りなし

況や自ら廻向して 直に自性を証すれば

自性即ち無性にて 已に戯論(けろん)を離れたり

因果一如の門ひらけ 無二無三の道直し

無相の相を相として 往くも帰るも余所ならず

無念の念を念として 歌うも舞うも法の声

三昧無礙の空ひろく 四智円明の月さえん

この時何をか求むべき 寂滅現前する故に

当処即ち蓮華国 この身即ち仏なり