京都の町屋、東山区の第12回です。
清水製陶所
藤菜美 京だんご
喜楽庵岡本
くろちく
港屋
奥丹清水
京都を彩る建造物認定番号第72号
奥丹清水は,醤油醸造で財を成した石橋氏別邸を引き継ぎ,総本家ゆどうふ奥丹の清水店として,昭和50年代にこの地に開業された。産寧坂に面し高低差に富んだ敷地には,大正2年(1913)建築の座敷棟を中心に,大正~昭和初期の建築と推定される離れ棟,小間棟,洋館棟が配されている。座敷棟は,木造2階建て入母屋造銅板葺の数寄屋風の建物,洋館棟は木造平屋建て切妻造洋瓦葺で,スペイン瓦風の洋瓦やタイル張りの外壁など,内外観ともにスパニッシュなどを取り入れた質の高い洋風意匠となっている。また,開業時に作庭され,「錦翠の庭」と名付けられた広大な庭は,傾斜を活かし,石橋を渡した池や燈籠,楓を中心とした広葉樹を配する池泉回遊式となっている。大正から昭和初期に南禅寺界隈から東山一帯に展開された別邸の遺構として貴重であり,高塀と塀越しに見える樹木や建物は,産寧坂の歴史的景観の形成に重要な役割を果たしている。
二井三
京町屋外観の特徴
屋根
一階庇の最前列は一文字瓦で葺いています。
横の一直線と格子の縦の線の調合が町屋の外観美の一つです。
格子
格子は戦国時代からで、内からは外がよく見え、外からはよく見えないようになっています。
家の商いや家主の好みでデザインが異なります。
上部が切り取られた「糸屋格子」、太い連子の「麩屋格子」、「炭屋格子」、重い酒樽や米俵を扱う「酒屋格子」、「米屋格子」、繊細な「仕舞屋格子」などがあります。格子を紅殻で塗ったものが紅殻格子。
ばったり床几
元々は商いの品を並べるもので、後に腰掛け用に床几として近隣との語らいの場でした。ばったりとは棚を上げ下げするときの音からきています。
店の間の外観
軒下に水引暖簾、大戸に印暖簾を掛けます。
虫籠窓
表に面した二階が低くなっている「厨子二階」に多く見られる意匠。
防火と道行く人を見下ろさない配慮と言われています。
犬矢来
竹の犬矢来は割竹を透き間なく組んだものから、少し透かしたものまでさなざまです。
直線的な町屋の表情を和らげてくれます。