視覚障害がある方とコンサートに行った時のことです。
入り口でチケットを2枚切ってもらって中に入ると
その日のコンサートのプログラムとアンケート用紙やチラシの束を渡そうと
係りの人たちが左右に待ち受けてます。
私は左側の係りの人から私の1人分を受け取りました。
彼女には右側の係りの人が手渡すはずでした。
ところが渡そうとした係りの人は白杖を持ってサングラス姿の彼女を見て
それを引っ込めました。渡してくれません。
え? なぜ?
「プログラムをこちらにもください。」
どうぞこちらにと彼女を紹介するように手を向けて係りの人に言いました。
すると、その人のプログラムを持った手は
彼女の前を右から左に横切って、
彼女の左側にいる私に差し出されました。
彼女の手はプログラムを受け取る形で宙に浮いています。
私はこちらに差し出されたプログラムを
係りの人の手ごと彼女の手に持って行きました。
そして「こちらですよ。」と係りの人に言いました。
視覚障害の人には墨字の印刷物は渡す必要がない
と思ったことは明らかでした。
読めない物を渡す方が失礼かと思った?
入場した人は誰もが受け取るものなのです。
そうであれば読める物を用意すべきでしょう。
でも、こういうことはよくあります。
悪意ではなくても、これは一体なんなのか!
障害者差別解消法が頭をよぎりました。
少なくとも対人の仕事の人は、自覚して学んで欲しいと思います。
ささき