保育士給与、2%増を表明=介護士も月1万円引き上げへ―安倍首相
政府は26日、安倍政権が重視する「1億総活躍社会」に関する国民会議を首相官邸で開いた。
安倍晋三首相は、保育・介護分野の人材不足を解消するため、2017年度から保育士については実質2%の給与引き上げを行う考えを表明。介護士についても「他産業との賃金差がなくなるよう処遇改善を行う」と述べ、月額で約1万円引き上げる方針を明らかにした。
首相は席上、「(処遇改善は)財源を確保しつつ、17年度から実行する。来月中に『ニッポン1億総活躍プラン』の閣議決定ができるよう作業を加速してほしい」と関係閣僚に指示した。政府関係者によると、17年度予算案で保育・介護合わせ2000億円程度の財源を確保する見通し。
保育士の平均月収は約22万円。賃上げは人事院勧告分を含めると約4%になる。首相はまた、技能や経験を有する保育士の処遇をさらに改善する意向も示した。
一方、介護士については、勤続年数に応じた賃金体系を構築し、他のサービス業との賃金格差の解消を目指す方針を打ち出した。
時事通信4月26日(火)
(以上引用)
こういう記事を読むと私などは「政策的に引き上げた給与は政策的に引き下げることも可能なので、いずれ財源が確保できないという理由で再び給与が引き下げられるのだろう」と考えてしまいます。
介護士としては給与の引き上げよりも「一度確保したら簡単には剥奪できない性質の権益」を要求したい所です。
たとえば、公営住宅への入居権を要求するとかです。
介護職員は公営住宅の入居申し込みをする権利を得ることにして、勤続年数が増えるほど当選しやすくなるというルールができれば、介護職員の離職率は減るんじゃないでしょうか?
物価も日々変動していますし、お金の価値はそんなに信用できません。
目先の1万円札を追うよりも、もっと実体のある固い利益を求めましょう。
給与を減らすのは簡単ですが、いったん住宅に入居してしまえば、そこから追い出すのはかなり難しいはずです。
良質な住環境が確保されれば、基本的に人の生活は安定します。
ケアワーカーが質の高い業務提供を長期間にわたって根気づよく継続していくために必要なのは生活の安定です。
給与が上がったり下がったりしていては生活は安定しませんが、良い住居を確保できればそれだけで確実に生活は安定へと向かいます。
どうすれば介護職員の離職率を減らして長期勤務が可能な職員を増やせるかという点に焦点を合わせ、そこからブレないで処遇改善の制度設計を行うことが肝心です。
特別にぜいたくな暮らしを望む介護職員が多くいるとは思えないですが、公営住宅で暮らせることを望む介護職員はたくさんいると思います。
介護職員と業界のリアリティに即した制度改革を切に望みます。
(安田)