開会式を観たときに感じた違和感は、閉会式でも同じだった。
あの色使い、安っぽい衣装、統一性のない演出。
日本らしさがない。
これを世界中の人達が観ているのだと、ただただ唖然として観ていた。
開会式を海外メディアは、質素でよかった、簡素だったと表現していたけれど、これに165億円かけた(らしい)
期間中廃棄された弁当代金が約1億4百万円相当だったと聞いて、どんな反応をするだろうか。
唯一印象に残ったのは、シックな街並み上空を国旗の青・白・赤の煙で演出した次回開催国フランスの映像だった。
夏川草介「始まりの木」第五話 灯火。
老住職が話す。
「昔のこの国の人たちは、美しいとはどういうことか、正しいとは何を意味するのか、そういうことをしっかりと知っていた」
「正しいことをしていれば金が集まってくるんじゃない。金を稼ぐことが正しいことだという奴ら が現れた。
結果、世の中じゃ、大金持ちと大声を上げる奴らが正しいということになっている」
「亡びるね」
感じた違和感の答えがこの本にあった。