開かれた扉に、瞬は視線を巡らし瞼を見開いた。
時間には遅れたが、気まぐれで団体行動などに興味も示さないと思っていた氷河が会議の場に現れてくれた。
だが、最後に現れた人物に、瞬は形のよい眉を顰めた。
これまた団体行動など無視するはずの兄が、氷河のすぐあとに現れた。
いや、群れるのが嫌いだと入学を拒否し続けていた兄が、どういう気まぐれか、樹海に囲まれた学園にやってきた。
理由は、氷河に違いなかった。
瞬は、兄と氷河のあってはならない関係に気付いていて、顔を背け続けてきた。
その目で見れば、氷河の髪が濡れているのも気にかかる。そして微かに漂う石鹸の芳香も気にかかる、他の誰が気付かなくても瞬にはわかる、伊達にエイトセンシズを極めたわけではないのだ。
「なにをしている瞬、早く会議とやらを始めろ」
一輝がテーブルの上に脚を投げ出した。
「解りました…」
瞬は平静を装った。
会議が終わったあとで、取っちめる肚を瞬は固めた。
「…それでは、寮での生活や学校生活で、なにか改善点などがありましたら…」
そう口にしてはいるが、寮での生活や学校生活などはどうでもよくなっていた。
寮など、屋根があるだけで良しとせねばならない。
決められた時間に食事が出て、暖かい寝所が用意されていて、さらに勉強を教えてもらえるのだから、感謝せねばならない。
なにか異議を唱える生徒がいれば、まとめてアンドロメダ島に空輸したい気分に、瞬は捕らわれていた。
「続く」
時間には遅れたが、気まぐれで団体行動などに興味も示さないと思っていた氷河が会議の場に現れてくれた。
だが、最後に現れた人物に、瞬は形のよい眉を顰めた。
これまた団体行動など無視するはずの兄が、氷河のすぐあとに現れた。
いや、群れるのが嫌いだと入学を拒否し続けていた兄が、どういう気まぐれか、樹海に囲まれた学園にやってきた。
理由は、氷河に違いなかった。
瞬は、兄と氷河のあってはならない関係に気付いていて、顔を背け続けてきた。
その目で見れば、氷河の髪が濡れているのも気にかかる。そして微かに漂う石鹸の芳香も気にかかる、他の誰が気付かなくても瞬にはわかる、伊達にエイトセンシズを極めたわけではないのだ。
「なにをしている瞬、早く会議とやらを始めろ」
一輝がテーブルの上に脚を投げ出した。
「解りました…」
瞬は平静を装った。
会議が終わったあとで、取っちめる肚を瞬は固めた。
「…それでは、寮での生活や学校生活で、なにか改善点などがありましたら…」
そう口にしてはいるが、寮での生活や学校生活などはどうでもよくなっていた。
寮など、屋根があるだけで良しとせねばならない。
決められた時間に食事が出て、暖かい寝所が用意されていて、さらに勉強を教えてもらえるのだから、感謝せねばならない。
なにか異議を唱える生徒がいれば、まとめてアンドロメダ島に空輸したい気分に、瞬は捕らわれていた。
「続く」