阿部、井上、植田、江藤、小野田は部屋に潜み、タバコをふかしていた。
阿部たちはこの学園へ転校させられる前は「白金学園」という私立校に通っていた。
学園内でも地元でも悪で通っていた。
阿部の父親は暴力団の組長であった。
誰も阿部と阿部の取り巻きに逆らうものはいなかった。
だが、時期外れの転入生は違った。
その転校生は金髪碧眼で、上流階級の家庭の息子に見えた。
カツ上げをしようとしたら、あっさりと無視された。
殴りかかったら軽く躱され、逆襲された。
その端正な容貌に似合わず凶暴な転校生であった。
阿部は転校生のあまりの生意気さに肚を立てた。
組員に命じて拉致しようとさえ思った。
だが、学生同士のいざこざに組員を使ったのでは、周囲のものに示しがつかないと、思いとどまっていた。
どうしてくれようと思っている間に、今度は学校にフラリとやってきた人相の悪い男に、取り巻き全員が殴り倒された。
こう立て続けに、転校生や通りすがりの男にコケにされたのでは高向の生徒に舐められると、自ら出向き阿部はその男の強さに舌を巻いた。
あまりの強さにあの生意気な転校生を痛い目に合わせてくれるよう依頼し、10万を渡し、転校生を体育館裏に連れてくるよう、仲間に命じた。
そのとき阿部は、男とあの転校生が知り合いだとは知らなかった。
二人は顔を合わせ、言葉を交わしたと思ったらたちまち殴り合いの喧嘩を始めた。
人間離れした動きに呆然としていた阿部たちを、突然沸き起こった突風が体育館に叩きつけ、阿部たちは意識を失った。
気がついたときには警察に囲まれていた。
この惨状の元凶の二人は消え失せていた。
阿部たちは警察に連行された。
体育館と隣接する雑木林の殆どを吹きい飛ばしたのは、阿部たちが爆弾を作っていたからと警察は判断したらしかった。
周囲の破壊があまりにも激しかったからだ。
阿部たちは見たまま、体験したままを警察に訴えたが無駄だった。
生身の人間にどうやって体育館をフッ飛ばし、雑木林の殆どを薙ぎ倒せるのかと、警察官は嗤った。
面会に来た父親には、薬でもやっていたのかと罵倒された。
だが、阿部たちは証拠不十分で釈放された。
現場に火薬の反応がなかったからだ。
警察官の言うとおり、生身の人間にはあの状況は作り出せないからだ。
警察署を出た阿部たちに待っていたのは退学処分と新たな学校への転入の命であった。
いかな阿部でも、父には逆らえない。
阿部の仲間もまとめて全寮制だという「聖闘士学園」に放り込まれた。
だが、阿部は楽観していた。
寮など抜け出せばよいと思っていた。
だが、ヘリコプターで到着したのは富士の樹海のほぼ中央に建設された鉄筋の建物であった。
これでは寮を抜け出すどころではない。
敷地から出れば、たちまち路を失い、樹海で野垂れ死ぬことにもなりかねない。
「つづく」
なんか、長いなー。
でも次は一輝も氷河も出て来ますッ![good](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ap/good.png)
阿部たちはこの学園へ転校させられる前は「白金学園」という私立校に通っていた。
学園内でも地元でも悪で通っていた。
阿部の父親は暴力団の組長であった。
誰も阿部と阿部の取り巻きに逆らうものはいなかった。
だが、時期外れの転入生は違った。
その転校生は金髪碧眼で、上流階級の家庭の息子に見えた。
カツ上げをしようとしたら、あっさりと無視された。
殴りかかったら軽く躱され、逆襲された。
その端正な容貌に似合わず凶暴な転校生であった。
阿部は転校生のあまりの生意気さに肚を立てた。
組員に命じて拉致しようとさえ思った。
だが、学生同士のいざこざに組員を使ったのでは、周囲のものに示しがつかないと、思いとどまっていた。
どうしてくれようと思っている間に、今度は学校にフラリとやってきた人相の悪い男に、取り巻き全員が殴り倒された。
こう立て続けに、転校生や通りすがりの男にコケにされたのでは高向の生徒に舐められると、自ら出向き阿部はその男の強さに舌を巻いた。
あまりの強さにあの生意気な転校生を痛い目に合わせてくれるよう依頼し、10万を渡し、転校生を体育館裏に連れてくるよう、仲間に命じた。
そのとき阿部は、男とあの転校生が知り合いだとは知らなかった。
二人は顔を合わせ、言葉を交わしたと思ったらたちまち殴り合いの喧嘩を始めた。
人間離れした動きに呆然としていた阿部たちを、突然沸き起こった突風が体育館に叩きつけ、阿部たちは意識を失った。
気がついたときには警察に囲まれていた。
この惨状の元凶の二人は消え失せていた。
阿部たちは警察に連行された。
体育館と隣接する雑木林の殆どを吹きい飛ばしたのは、阿部たちが爆弾を作っていたからと警察は判断したらしかった。
周囲の破壊があまりにも激しかったからだ。
阿部たちは見たまま、体験したままを警察に訴えたが無駄だった。
生身の人間にどうやって体育館をフッ飛ばし、雑木林の殆どを薙ぎ倒せるのかと、警察官は嗤った。
面会に来た父親には、薬でもやっていたのかと罵倒された。
だが、阿部たちは証拠不十分で釈放された。
現場に火薬の反応がなかったからだ。
警察官の言うとおり、生身の人間にはあの状況は作り出せないからだ。
警察署を出た阿部たちに待っていたのは退学処分と新たな学校への転入の命であった。
いかな阿部でも、父には逆らえない。
阿部の仲間もまとめて全寮制だという「聖闘士学園」に放り込まれた。
だが、阿部は楽観していた。
寮など抜け出せばよいと思っていた。
だが、ヘリコプターで到着したのは富士の樹海のほぼ中央に建設された鉄筋の建物であった。
これでは寮を抜け出すどころではない。
敷地から出れば、たちまち路を失い、樹海で野垂れ死ぬことにもなりかねない。
「つづく」
なんか、長いなー。
でも次は一輝も氷河も出て来ますッ
![good](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ap/good.png)