冬場の花は色鮮やかなパンジーではなく、落ち着いたビオラと決めている。
色合いとしては、ビオラ色といわれる青系統と黄色に決めている。
今年は、バニービオラというものにしてみた。
上二枚の花びらがウサギの耳のように細く長く立ち、下三枚が顔を形作っている。
昨年はサントリーのビオラを買ったが、それよりは耐寒性が弱いようで、葉が寒さにやられている。
(写真)神戸ビオラ、バニーパープル
ところで、ビオラの系統はちょっとややっこしい。
「ビオラ(Viola,Violet)」、「パンジー(Pansy)」、「スイート・ヴァイオレット(Sweet Violet)」、「スミレ」など様々な呼び方があり区別がよくわからない。
どう違うの?というところを整理してみよう。
数式的に表現すると、“全てのパンジーはビオラであるが、全てのビオラはパンジーではない。”ということでありビオラの方が大きな概念を示す。
しかし、これは原種の説明にしかすぎない。原種は全てビオラ属に属し、スミレは日本の、スイート・バイオレットはヨーロッパでのコモンネーム(一般名称)となる。
1800年代からビオラ属の園芸品種の開発が始まり、バラ同様に園芸品種が主流を占めるようになった。これがややこしくしている。
以前は、花の大きさで大きい方がパンジー、小さいのがビオラ。なおかつ確認として花の色と形が左右対称なのがパンジーという見分け方があった。
今ではこの区別も怪しくなった。左右対称でないパンジーが多くなったということと、花のサイズが大きいビオラも出てきた。
見た目での区別は、花の中心が濃い色なのがパンジーで、薄い色がビオラと覚えておきたい。
ビオラが出来るまでの時間を整理すると次のようになる。
(パンジー、日本の原種スミレとヨーロッパの原種は次回以降まとめることとする。)
世界の原種
・世界には約500種の原種があり温帯地域に広く分布する。極端に言うと南極大陸以外何処にでもあるのでかなり古い種でもある。日本には54種のほかに自然交配でできた数多くの変種がありスミレの宝庫でもある。
・1・2年草、多年草、低木もあり、ハワイ諸島に生息する品種は茎の直径5cm、樹高200cmになるものもある。
ビオラの新種開発の歴史
1810年代から野生種バイオレットから園芸品種の開発が始まり、1800年代中頃にパンジーが誕生した。
ビオラはこれより遅れて品種改良が始まり、1860年代にグリーブ(James Grieve)がピレーネ山脈に咲く原種のコルヌータ(V.cornuta)とルテア(V.lutea)及びパンジーとの交配を行い、背丈が低く株張りが横に広がりたくさんの花が咲く花壇にマッチする新しい品種を開発した。
これをタフテッド・パンジー(Tufted Pansy)と名付けたがこの名前は定着せず、後にエジンバラのスチュアート(Charles Stuart)がこれらを改良し、1887年に小輪白花で多花な品種を選抜してビオレッタ(Violetta)と名づけたものが普及し、ビオラが誕生した。
ビオラ(Viola、tufted pansy)
・品種:大輪系ビオラは花径3-5cm、小輪系ビオラは花径1.5-2.5cmで、多くの近隣の野生種に由来する。
・耐寒性はパンジーよりも強く、夏の暑さにも強い。
・小輪原種はこぼれダネで殖えるほど丈夫。
パンジは次回。